最近僕の口癖になりつつあるのが、

「育児はアバウトでいいんだよ」

です。


例えば日々のミルクの量だとか離乳食の食べる量だとか排泄の回数とか起きてる時間とか寝る時間とか・・・


そういうのを細かくチェックしておられるママがいたりします。


子供の状態を事細かにチェックすることは、必要なことだとは思います。


が、あまりにも度が過ぎてしまうとね、、、



「この子くらいの体重だと120ccを8回飲まないといけないのに、この子80ccしか飲んでくれない」

と相談されることがあります。

お子さんは元気いっぱいでニコニコしてます。


「それでいいじゃん」

と言うと、

「でも、これでは少なすぎませんか??」

と食い下がります。


そんな時に僕は前述の口癖を炸裂させます。



ミルクの缶にも適量が記載されてるし、育児書を読むと離乳食の食べる量をグラム単位で書かれてますよね。

他にも睡眠時間とか哺乳間隔とか・・・

体重なんかもね。


そんなのみんなアバウトでいいんですよ。


育児書やネットの知識ってのは杓子定規でしなかないわけで、他にも例えば保健センターのおばちゃん保健師さんなんかは医学知識がないのでなんでもかんでも杓子定規。

「体重が増えすぎている」とか「授乳回数が少なすぎる」とか・・・


いいじゃん、その子が健康でニコニコしているなら。



ちなみに僕、小児科医やってますが離乳食の食べる量のグラム数、正確には知りませ~ん!


だってそんな知識必要ないから。


今月から離乳食始めたうちの下の子、一口も食べてくれませ~ん。

でも気にしてませ~ん。


子供が元気にしてれば、細かいことは気にしません。

アレルギー家系の我が家ですが、妻が食べるものだって気にしないし酒だって妊娠中から(これは本当はダメだけど・・・)飲んでるし、テキト~にやってて我が家には何の問題も生じてません。


まあ上の子の時と下の子の時とではテキト~さは違ってきますが、基本的に小児科医としての僕のスタンスはあくまでも、

「育児はアバウトで」

です。



あまりにも飢餓状態であるとか逆に太りすぎているとか、僕ら小児科医が見て医学的に明らかに異常であると判断される場合に限っては指導しますが、ほとんどすべての健康なお子さんの場合は、それが多少平均から外れていたとしても、それでお子さんが健康であれば僕らは気にしません。


ただでさえ産後鬱が問題視されている昨今、毎回の哺乳量とか授乳回数とか睡眠時間とかを気にしてたら、気が狂っちゃいまっせ。


だから僕は自宅に体重計を置いて赤ちゃんの日々の体重を測ることは絶対に勧めてません。

そんなの気にしてたら本当に気が狂います。


昨日22g増えたのに今日は15gしか増えてなかった。。。そんなの日々一喜一憂してたら、たちまち病んでしまいます。

体重なんざ気にしなくていい!と僕は言っちゃいます。



赤ちゃんはロボットじゃなく人間なわけで、たくさん飲みたいときもあれば飲みたくないときもある。

寝たいときもあれば起きたいときもある。

もう離乳食ガツガツ食べて授乳は1日2回くらいしかしなくなる子だっているし、1歳までまったく離乳食を口にしてくれない子だっている。(うちの子そうでした)

生後1か月なのに8時間も寝てくれる子もいるし、1歳過ぎまで毎晩1時間おきに授乳しなければ寝てくれない子もいる。(うちの子そうでした)



アバウトでいいの。人間なんだから。


で、そのアバウトさが度を越しているかどうかを見て軌道修正させるのが僕らの役割なんで、基本僕らから何も突っ込まれない限り、ジャンジャン手を抜いてテキト~にやっちゃってください。



何故こう言えるのかというと、僕はNICUに長く勤めていて本当の専門分野は未熟児なんです。

(僕、アレルギーは専門じゃないんですよ~専門医の資格も持ってません!)


NICUではそれこそ500gくらいの体重しかない未熟児ちゃんの管理をやってます。

哺乳量は1cc単位で調整するし、薬剤の量も10万分の1グラム単位まで細かく調整します。

そこは、その1ミリの調整を誤ると命を左右する世界なんです。


そんな1ミリ単位の命の管理をしてきた僕だからこそ、健康な子であれば多少のことはアバウトでいいんだぜ!と言えるわけです。


親はなくとも子は育つ、と以前の記事で書きましたが、まさにその通り。

親が色々細々と気を使わなくたって、子供は勝手に育ってくもんなんですよ。



杓子定規的なことは気にせず、アバウトにやってきましょう。



ハイいつものように注意ですが、このお話は持病がない健康なお子さんに限った話ですからね~。