ご存じの方は多いでしょうが、11月より肺炎球菌ワクチンが変わります。
今まで使ってきた「プレベナー」から「プレベナー13」に切り替わります。
何度も書いてきたように、細菌性髄膜炎は僕ら小児科医が最も恐れる病気です。
原因となる菌は2つあって、その一つが肺炎球菌です。
2010年に肺炎球菌ワクチンである旧プレベナーが日本でようやく発売されてから、細菌性髄膜炎の患者数は8割減少しました。
命にかかわる恐ろしい病気を予防する大切なワクチンです。
この肺炎球菌にはじつは100種類近くの型があります。
旧プレベナーはその中で髄膜炎を起こすメジャーな7つの型に対応したものです。
ところが、旧プレベナーで対応できない19Aという型による髄膜炎が最近増加してきており、それをカバーするために厚労省はプレベナー13への切り替えを決めたのです。
プレベナー13は、従来の7種類に新たに(上で書いた19Aも含めた)6種類の型をプラスしたワクチンです。
プレベナー13は全世界130カ国で2010年に発売されました。
日本はどういうわけか2010年に13ではない旧プレベナーを導入したんですね。
日本のワクチン後進国ぶりがここからもわかります。
なぜあの時13を導入しなかったのか、はなはだ疑問です。
ちなみに2010年から現在にいたるまで、旧プレベナーを使っている国は、日本と中国とパプアニューギニアとシリアだけです。
さて、11月から一斉にワクチンが変わりますが、皆さんはいったいどう対応したらよいのか?
それは次回の記事にしましょう。
(ネタがないので引っ張ります。)