いろんなワクチンがあります。
病気にかからなくするのがあらゆる治療法にも勝ると思われます。
ですので「全て」を接種するのが一番望ましいのですが、中には費用がかかったり、優先順位はどうしたら?といった質問も多く受けます。
今回は様々なワクチンの「必要度」と、どれくらい急いで接種せねばならないかの「緊急度」を、僕の独断と偏見でランク分けしてみようかと思います。
必要度A・・・絶対必要!地球で暮らしていく上でこれを接種しなきゃダメ!
必要度B・・・必要です!接種しましょう。
必要度C・・・まあ接種しなくてもそこまで困らないでしょう。
緊急度A・・・今すぐ(接種年齢になったら)接種すべし!!
緊急度B・・・現在他に接種するワクチンがなければ、これを急ぐべし。
緊急度C・・・まあ急いで接種しなくてもいいでしょう。
<DPT(三種混合)> 必要度B 緊急度A
3カ月から定期接種ができます。百日咳などは小さい子が罹ると無呼吸発作などの原因になったりして結構恐い病気。3カ月を過ぎたら早めに接種を開始しましょう。
<ヒブ・肺炎球菌> 必要度B 緊急度A
とにかくこれらの菌による髄膜炎の恐ろしさは小児科医が最も恐れる病気の一つです。それを防げるワクチンを長年日本の小児科医は待ち望んでいました。
小さい子ほど罹りやすく重症になるので、生後2カ月になったら速やかに接種すべきです。
同時接種も危険ではありません。
<BCG> 必要度A 緊急度B
日本は結核大国などと言われており、世界的に見ても結核が多い国です。
生後6か月までに必ず接種を済ませましょう。
「海外で結核と誤診されるから」という理由で接種見合わせを検討されているお友達がおりましたが、その話自体が根も葉もない都市伝説なのと、仮に誤診されたとしても結核大国日本で結核に罹ることの方が100倍恐ろしいです。繰り返しますが必ず接種してください。
<MR(麻疹・風疹)> 必要度A 緊急度A
麻疹(はしか)も、もはや日本特有の感染症と言っても過言ではないのではないでしょうか。世界中でみんなが接種しているMRワクチンですが、日本は接種率が低いのが問題視されています。
(接種しておらず)抗体をもたない日本の大学生などが麻疹にかかったまま海外旅行に行き、外国に麻疹をばらまいて帰ってくる。世界中から日本がバッシングされている、「ワクチン後進国」たるゆえんです。
1歳になったら必ず接種しましょう。
<日本脳炎> 必要度B 緊急度B
副作用の報告があり数年間中止されていましたが、最近再開されています。
中止されていた時期の子供たちの接種もれが問題となっています。
ワクチンは安全ですので、3歳を過ぎたら接種しましょう。
(3歳未満でも接種できますが、接種量が半分になってしまい効果に疑問が持たれています。3歳まで待って問題ないと考えます。)
<水痘> 必要度C 緊急度C
「みずぼうそう」のワクチンです。水痘はまれに脳炎などを起こす場合がありますが、まずないでしょう。流行しているのであれば、かかってしまえば一生免疫が残りますので、急いでワクチンを接種することもないと考えます。
<おたふく> 必要度C 緊急度C
水痘同様、絶対に接種すべきものではないです。ワクチンで抗体がつかない場合も多く、抗体があってもおたふくに罹ってしまうケースもあります。
たまに髄膜炎を合併しますが、それほど恐い病気ではありません。
なお、男の子が罹ると精巣萎縮が起こることがあり、これが男性不妊の原因になるという都市伝説がありますが、ウソです。萎縮(これは事実)しても性機能は落ちませんので心配しないでください。
<子宮頚癌> 必要度A 緊急度C
最近30代を中心に急増している子宮頚癌。その原因がHPVというウィルス感染です。このワクチンはそのウィルスへの感染を予防し、ひいては子宮頚癌を予防します。
子宮頚癌は、予防できる唯一の癌。女性は必ず接種すべきでしょう。とにかく癌を予防するワクチンということで、必要度はAにしました。
これで不妊になるとネット上で騒ぐ輩がいますが、都市伝説です。
<B型肝炎> 必要度B 緊急度C
当院ではずっと推奨してきたせいか、接種者は増えていますが、全国的にはまだまだ。
詳しくは以前の記事で説明してますが、B型肝炎ウィルスは性行為などで感染します。
欧米先進国では当たり前のワクチンですので、日本でもこれから少しずつ認知されていくでしょう。
<不活化ポリオ> 必要度B 緊急度C
当ブログでも何度も紹介しているワクチンですが、意外にも緊急度はCです。生ポリオを飲んだ子から感染する可能性も低いし、日本はポリオ流行国ではないので、今すぐ接種する必要はないです。
ですがいずれにしても生ポリオは控えるべきでしょう。
<生ポリオ> 必要度0 緊急度0 やめるべき度AAA
国は早急にこのワクチンを廃止すべきです。
*今回はあくまで僕の独自の経験・調査に基づいた独断と偏見で述べたものです。あしからず。