種子法廃止・生活実感を伴わない改悪の恐怖 | Tempo rubato

Tempo rubato

アニメーター・演出家 平松禎史のブログ

 

 

安倍首相が「第19回公開憲法フォーラム」シンポジウムにて自民党総裁としてビデオメッセージを寄せた。

憲法9条の第一、第二項を維持して自衛隊を明記する旨を初めて示すとともに教育制度についても言及した。

 

これに自民党内からも反発が出た。

 

教育問題では加計学園の獣医学部誘致に首相が関与した疑いが持たれ、こちらも紛糾している。

 

そんな最近の話題から遡ること約一ヶ月。

ほとんど議論されることなく決まったのが「種子法」廃止だ。

 

【種子法廃止】種子の自給は農民の自立

http://www.jacom.or.jp/nousei/closeup/2017/170330-32373.php

『農林水産省は主要農作物種子法を「廃止する」法案を今国会に提出し3月23日に衆議院農林水産委員会が可決した。今後、参議院で審議が行われるが、同法の廃止は国民の基礎的食料である米、麦、大豆の種子を国が守るという政策を放棄するもので、種子の供給不安、外資系企業の参入による種子の支配などの懸念が国民の間で広がっている。法律が果たしてきた役割を議論せず、廃止ありきの政府の姿勢は問題だ(略)』

 

と、されたものの、4月14日、参議院でも可決された。

【参院本会議】主要農作物種子法は廃止すべきではない 徳永議員

https://www.minshin.or.jp/article/111468

『このときの議事録には種子法の廃止に関する議論が全くなく、いつ、どこで、どんな議論があって資料が作成されたのかもわからず、唐突に廃止の方針を打ち出されたことについて「決定プロセスがあまりにも不透明であり、こんな結論ありきのやり方は、国民や国会を軽視したもので、到底納得できない」と都道府県や採取農家等の意見を聞かずに政府与党が強引に方針決定したことを強く批判した。』

 

安倍首相の言う「瑞穂の国の資本主義」ってなんだったんだろう。

国(地域共同体の集合)が培った伝統文化を「岩盤規制」と断じ、グローバルビジネスの論理で破壊するのが「瑞穂の国の資本主義」なのだろうか。

国家観のかけらもない姿勢に呆れた事件だった。

 

農業の話にとどまらない、日本の産業、アニメ文化、私たちの生活に直結する話だ。

憲法論議とも教育問題とも通底している。

 

行き過ぎたグローバル化、緊縮財政と構造改革・規制緩和、伝統文化をビジネスの論理で切り売りする姿勢。。。。

 

生活実感を伴わない、縁がないように思えるこのような一つ一つの積み重ねが、取り返しのつかない状況を作る。

 

安倍政権から日本を取り戻さなくてはいけない。

 

時既に遅し。

とはいえ、三橋貴明氏はまだ取り戻す方法はあると主張しています。

 

民放テレビや新聞がやらない重要な議論がこちら。

 

パネリスト:
 入澤肇(公益財団法人すかいらーくフードサイエンス研究所理事長)
 河添恵子(ノンフィクション作家)
 篠原孝(衆議院議員)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 安田節子(「食政策センター ビジョン21」代表)
 山田正彦(元農林水産大臣・弁護士)
司会:水島総

 

なお、種子法廃止に賛成の立場と思しきモンサント、直近の当事者である農協は討論への参加呼びかけに対し、不参加とのこと。

 

 

 

 

 


人気ブログランキング