平成二十八年熊本地震 | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ



4月14日午後9時26分、熊本県で最大震度7を記録する地震が起きました。
震源は北緯32.7度、東経130.8度、深さ11km、M6.5でした。

活断層型の地震で、熊本市南部に走る布田川断層帯が動いたものと指摘されています。

地震調査研究推進本部(文部科学省研究開発局地震・防災研究課)
http://www.jishin.go.jp/main/yosokuchizu/katsudanso/f093_futagawa_hinagu.htm

日本全国そうですが、この一帯も断層が幾重にも存在する地域で、強い余震が続いているのは断層が次々と連鎖的に動いてる様子を思わせます。
つまり、本震以上の地震が起こる可能性も否定出来ないのでまだまだ警戒が必要でしょう。

4時26分:追記:1時25分頃の地震(M7.3)が「本震だとみられる」との報道。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160416/k10010482591000.html


被害は、死亡9人、重軽傷者は800人前後(ともに16日3時頃現在)だそうです。
…これ以上増えないことを祈ります。

今回の地震は沖合のプレート境界型の地震ではなかったため津波が起きなかったのが不幸中の幸い。
九州の西側では地震津波は比較的少ない(小さい)と言われています。
人的被害があったものの、同じ活断層型の兵庫県南部地震のように大規模火災が起きておらず、被害は比較的小さかった。
強い余震が続いているので建物や道路鉄路など公共物、農地への被害、二次災害が心配です。
ニュースを見ると露天の駐車場でテントを貼っている人も多いようで、避難が長引けばダメージも大きくなっていくので余震がおさまるまでしっかりした場所で過ごせるよう、自治体や国の支援が重要です。

さて
全国どこでも、地震にかぎらず、常にこのような災害がいつ起こるかわからないのが日本です。
どんなに科学技術が進んでも、古来より続いている自然災害は人間に太刀打ち出来ないものです。
災害対策はやり過ぎても足らないくらいだと心得ておくことが必要。
「財源が~~」「国の借金が~~」とか(自国通貨を持つ日本が心配しなくても良いことを)言って公共事業予算を削減することは国家による「殺人」です。
公共事業、国土強靭化は、どんなに脅しても脅し足らないくらいに、必要性を叫ばなければいけません。
常にやり続けないと助かる命も助からない。
被害をゼロにすることはできないが、被害を小さくし発災後の立ち直りを早くするためにもインフラ整備、強靭化が大切なのです。

去年の大きな災害は台風による水害でした。
今年は春から大地震です。

ボクは公共事業や災害対策ではくどいほど「毎年毎季節自然災害に襲われる日本」と表現していますが、現実がそうなんですからこれ以上軽い表現はできません。

北関東での活断層型地震

2011年の東北地方太平洋沖地震の後、継続的に中小の地震が続いていたのが熊本以南でした。
専門家ではないので「勘」でしかないけども嫌な予感がありました。
同様に中小の地震が続いているのが北関東です。

30年以内に7割の確率と言われる東海・東南海地震のようなプレート境界地震も警戒が必要ですが、そのまえに北関東の活断層が動く可能性もやはり否定出来ないと、今回の熊本地震を見て思いました。

今回の布田川断層の地震発生率は「0.08~0.9」でした。
北関東の立川断層は「ほぼ0.5%~2%」ですから確率はずっと高いのです。 
http://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kanto/


活断層型地震が北関東で起きた場合、人口の密集度、火を使う商業施設の多さ、など考えると人的物的被害は数桁違いだと想像できます。
予測ではM7.4ですから地震の強さは今回の熊本地震の30倍以上です。


国土強靭化を進めることは防災意識を高める事にもなります。
経済面での効果も高い。

消費税増税を延期するだけでは現状の経済停滞が続くだけですから、積極財政へと方針転換して景気回復とともに防災・減災を強化するべきです。

「災害をネタに政府支出を増やさせる気か!?」
その通りです。
何か不都合でもあるでしょうか?

仕事でもそうですが、ボクはできるのにやらないのは最も罪深い許せない行為だと思っています。



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