Tempo rubato

アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


テーマ:
11月7日から始まった「アニメ(ーター)見本市」。

関係ないけど「(ーター)くん」はターくんと読むらしい。
ボクは子供の頃から「たー」とか「たーくん」と呼ばれてたのでこそばゆい。

閑話休題

今日は第一回「龍の歯医者」の鶴巻監督とキャラクターデザイン・作画監督の亀田くんが制作裏話を話してた。
比較的短い時間…といっても5分程度で通常のTVシリーズ一本以上の時間を使っているのでかなり贅沢だよね…で作られる作品は濃密で良いですな。

「龍の歯医者」久しぶりにGAINAXの血を感じました。
亀田くんも良い仕事をしていたしね。

それにしても若いってイイよにゃぁ~~。

原画やレイアウトのはなし
この間、「寄生獣 セイの格率」の中入り的な飲み会がありました。
本当は1話終了直後に1話のスタッフだけでこそっと飲もうと言ってたんだけどテレビのスピード感は許してくれず、制作中盤になってやっとこさ一瞬の一息ッて感じでした。

若い原画さんはやっぱり「どうやったらうまくなれるか」に関心があるようで、いろいろ質問されました。
十分できてるじゃないか、と思いつつ話をしてたんだけど、この手の話は説明しづらくていつもしどろもどろになってしまいます。
なので、講師をしてくれないか、なんてのも申し訳ないと思いつつ大抵はお断りしてしまう。

たえるなら運動神経みたいなものなんですよね。
ボクは特定のスポーツは苦手だけど、屋根から屋根へ伝って遊んだり山登りも好きだったので、運動会で得意だったのは障害物競争でw
年をとっても体が覚えていて今でもそこそこ足回りは悪くない。(シラフの時に限る)

これ、どうやったらそうなるか、なんて説明できないんですよね。

遊びながら、理屈を意識せず、怪我をしながら覚えていったものだからです。

絵もマンガの模写から入ってアニメが好きだったからパラパラ漫画を描いてっていう珍しくもない道程を踏んでいる。
ただ、自分の体を動かすことと、絵で動きを作ることは割合近い感じがあるのは若い頃から感じていました。

重力の感じ、筋肉が突っ張って力をためてパッと開放する感じ、などなど。

これを絵で描いて、原画のポジションに置き換えて「気持ち良い」動きになるまで繰り返すわけです。

先輩アニメーターの仕事を見て「あ! これ気持イイ!」と思った感覚は記憶しておいて再現するわけですね。
繰り返し繰り返し、何度も何度も。

原画がうまくなる方法って、箇条書きにできるような理屈はわからないけども、動きで迷ったら自分で動いてみるのが良いと思います。
重力のかかり具合、首~肩~腰、脚や腕の動く時には別なところが必ず影響を受けている、とか、気持ちのよい動きにはどこかに引っかかりがあるものです。

現実の人間には不可能な動きもあるし、メカやエフェクトもあるけども、ダンスのように近い感覚を体で再現してみようとすると閃いたりしますよ。

この感覚は人それぞれなので、自分だけのポイントを見つけるよう意識して、描く前に、自分で動いてみるのが良いんじゃないかな?


レイアウトの方は原画に比べると理屈がある。
消失点やパース線やレンズの感じなど。

ただ、これも理屈から入ってしまうと表現が狭くなる。

やっぱり、自分が気持ち良いと思うものの見え方を体験して蓄積するのが先かな。
映画を観るのも良い。
ただ、たくさんの映画を観るより(それも良いけど)、気に入った作品を繰り返し見て、どこが良いと思ったのか分析的に観るのも必要ね。
これも繰り返し繰り返し、何度も何度も。

動きも画面も、自分の中に「気持ち良い見え方」が構築されてくれば画力は後からでもついてきます。
ボクなんか20代はぜんぜん下手っぴだったから。
そこそこ適用できるようになったのはデッサン力云々(も必要だけど)よりも、良い物を見分けたり、気持ち良さをしっかり掴む欲求があったからかな?と思う。

最も大事なのは目的。
何を描くのか。何を表現すれば良いのか。
でもこれ、若い頃はわからない…ていうか「うるせーよ」て思うことが多い。
うまく描こうとか、目立つ原画を描いてやろうとか変な欲が前に出やすいからね。
それで良いんだけどね(笑)

なんでもそうだけど、20代(前半)まではバカで良いんです。
30くらいになったら、何のためにこれを描いてるか?目的を意識できるようになることが必要。

そこに突入すると一旦は停滞するけど、ある時、ガッッとうまくなる。

自分にも後で思うとそんな瞬間があった。
若手で顕著だったのは、すしおだね。ヤツの「ガッッッと」はハンパなかった。


目的をみつけるってのは作品の目的(内容)を考えることだとか、その中で自分がやるべきことは何か、とか、取捨選択して抽出すること。

若い時分にいろいろバカをやって引き出しを多く深くしておいて、目的意識を高めれば、理屈の上では「うまい」と言える仕事ができるだろうと思う。

どう「うまい」かは見る人よって違うので「これがうまい原画だ」とは決められないけどね。

んで、魅力的な原画やレイアウト(画面作り)というのはさらにそこから先の領域。
先の領域だけど、これもやっぱり、どれだけの「気持ち良い」を蓄積できてるかにかかってくるでしょう。

結局のところ、絵の巧さ以前のところが重要なのだと思います。

アニメの中の多様な世界を描くには、アニメ以外の体験をたくさん踏んでおかねばね。
コピーのコピーのコピー…になっちゃう。

それを手に入れるには若くないとダメなのか?
そんなことはない。
ボクだってまだまだ足らない。
生涯勉強。

死ぬまで可能性はあるでしょう。

負けねーぞ、亀田!(先に死ぬけどなw)
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