卒業式シーズン---その1---
もう終わった人も多いですね。
卒業式。
小学校・中学校はこれからかな?
皆さんは卒業式の思い出とかありますか?
ワタシには一つ……取って置きの思い出があります。
聞きたいですか?
聞きたいですか???
……………。
いやぁ……そこまで言うのならお話しましょう。
ちなみに今回「口調」がいつもと違うのは……まぁ……この方が高校生らしいかな……と思いまして……。
勿論全て仮名でお届けいたします。
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卒業式を3日後に控えた放課後……。
とある同好会に所属していたボクは、用も無いのに独り部室でポケタ~~ンとしていました。
ボクの通っていた高校は男子校だったのですが、当時は同系列の女子高と学校の設備の一部を
共用していました。
例えばグラウンド・テニスコート・中庭・理科室や音楽室……。
ほとんどの部活は男子と女子が完全に分かれていましたが、ボクの所属していた小さな小さな同好会は
男女合体している学校内でも稀なモノでした。
30分くらいボケ~~~っとしていた頃でしょうか……。
同好会のメンバー「井沢」がやって来ました。
井沢 「お~~~タロウ。……なにやってんだ?」
タロウ 「……ああ……井沢か……。……いや……別に……。」
春の木漏れ日の……そう……今日みたいに暖かな午後でした。
うっかりしたらうたた寝してしまいそうなくらいの……。
井沢 「お前……思い出に浸ってたんじゃないのか???」
タロウ 「いやいや~~~そんな大層な事……。」
そうは言ってみたものの……確かにさっきから部室の目に移る物、一つ一つを思い出しながら
「ああ……あんな事もあったな」「こんな事もあったな……」なんて考えていたかもしれません。
井沢と二人、ポケタ~~~ンとしながらも……そんな思い出話を小一時間もしていた頃でしょうか……。
「ガチャ……」
とドアが開きました。
茜 「あぁ~~~先輩~~~~!!」
タロウ・井沢 「おぅ!!」
茜 「何してるんですか?」
井沢 「いや……ボケーっとな。」
タロウ 「ああ……ボケーっとな。」
この茜ちゃん。
同好会にいる3人の女子部員の一人。
一つ下だったから、この当時2年生でした。
正直、今思い出しても超美人。
ウチの学校で知らない人は、いないくらいの超美人。
いや……隣3校の誰でも知ってるくらいの超美人。
肩くらいまで伸びた、ちょっとだけ茶色にしたまっすぐな髪……
少しだけ上がった目尻と綺麗な鼻筋……
薄い唇に乗せたリップクリーム……。
当時アイドルと言えば「南野陽子」とか「浅香唯」の時代でしたが……
本当に「このコ、アイドル」って言われても頷くくらいの超・超美人でした。
茜 「思い出に浸ってましたぁ???」
タロウ・井沢 「いんやぁ~~~。」
ズバリ聞かれるとごまかしたくなるものです……。
茜 「本当ですか?」
タロウ・井沢 「本当です。」
それから少し、押し問答を笑いながらした後……。
井沢 「ところで茜ちゃんは……今日……どうしたのよ?」
茜 「……特に用事は無いんですけど……誰かいるかなぁ……と思って……。」
井沢 「ほほう……。」
とニヤリと笑うと……。
井沢 「俺たちが卒業しちゃうから寂しかったのか?」
と切り替えしました。
茜 「あはははっは~~~バッカじゃないんですか???先輩っ!!!」
井沢 「なに???……どういう意味だ???コラッ!!!!!」
勿論冗談です。
先程も言ったように、茜ちゃんはビックリするほどの超美人。
ボクも井沢も吊り合うはずもありません。
そりゃあ「自分の彼女だったらいいな」なんて思った事もありましたよ。
いや……全校中の男が全て思いましたよ。
コクって玉砕した男なんて数知れず……。
それこそ手紙すら読んでもらえない奴等も五万といました。
そういうボクと井沢ですか?
そんな無謀な事をするはず無いじゃないですかっ!!!!!!
だいたいこうやって、普通に話せるだけで幸せです。
「一緒に同好会」ってだけで幸せです。
なにせ話をするだけで妬まれる存在ですから……茜ちゃん。
茜 「先輩達は、茜と会えなくなるの……寂しくないですか?」
逆に聞いてきました。
井沢 「別に……。」
タロウ 「別に……。」
本当は、メチャメチャ寂しいんですけど……流れからしてこう言うしかありません。
茜 「そりゃそうですよねぇ~~~~~~~~~!!!」
大笑いしながらボク達の背中を叩く茜ちゃん。
そんな何でもない……いつものような会話を更に小一時間程……和気藹々と話した後……
井沢は一つの事を思いつきました……。
以下次号 。
PS.「聞いてみやぁ!」 更新しました。くだらないお悩みをお待ちしております。