前回、図書館について書いたところ、多くの様々なご意見を

主にツイッターでいただきました。


また武雄市長が発信してくださったこともあり、

多くの方に見ていただいたことに感謝し、

SNSの発信力の影響力も実感できました。


当初は図書館の事について担当課から聞いた

実務者ベースの実績等を後半として書き、

総括として、この視察であったかたがたの

出会いを書こうと思っていました。


図書館という施設を通じて、

またその図書館改革を通じて、

変化したともいえる街の様子について・・

これが今回の視察での一番での収穫であり

発見であったので、最後に書きたかったのですが、

図書館という切り口だけを先に書くと

図書館のあり方に対してだけ

ご意見を頂く傾向があるので、武雄を訪れて

学んだことを先に共有したいと思います。


その前に、反響をいただくことは

大変勉強になるのですが、

私がこのブログに自分の視察について

書かせていただいている一番の目的は

千葉市民、また千葉市職員の方に、

私の経験を通じて、伝えられればと思っていること

ですので、その点をご理解いただければと思います。

(市民の方は街づくりを考えていても

なかなか時間的に視察で地方に行く機会は

確保できないですので、

経験したことをできるだけ

共有したいと考えています。)


また通常の視察であれば、客観的な状況を

伝えていくことを心がけていますが、

今回の視察は、私個人の主観的な見方も

多々、書かせていただいています。

受け取られ方については、個々のご判断になりますし、

あくまでも個人的な見解であることをご理解ください。



では、武雄で出会った人について。


武雄図書館で。


私たちは市長と別れた後、担当課のレクチャーの前に

スタバでコーヒーを飲んで一休みしました。


首都圏ではスタバに入っているのをあまり見かけない

ご年配のご婦人のグループもここでは購入していました。


私たちがくつろいでいると、働き盛り世代のスーツ姿の女性が

私たちに話しかけてきました。

どこから来たのか?何の仕事をしているのか?

聞かれたので、(たぶんスーツ姿の私達三人は異様であり、

市長に連れられ図書館を回っていたので、不思議に

思ったのではないかと推測。)

お答えすると、彼女は驚き、

自分は佐世保から車を走らせてきており、訪れたのは二回目。

(高速を使って一時間くらいだそう)

凄く居心地がよくてお気に入り・・とフランクに、

また嬉しそうに話してくれました。

お仕事を聞いたら、

結婚式に関わるお仕事だそう。

この図書館、結婚式も挙げてもよいくらいの雰囲気ですね。

など話しましたが、他の自治体の施設を

こんなに嬉しそうに話す女性の存在に驚きました。




タクシーの運転手さん。

私たちは視察の時の移動でタクシーを使うときは

その都市の事を良く知る運転手さんから

話を聞きます。景気は?産業は?最近の市の動きは?

観光は?毎日街を走っている市民の方のお話は

市役所で聞けないようなお話もよくあります。


武雄のタクシーの運転手さんの話ぶりからは

図書館がメディアに取り上げられ、注目されていることで

街が盛り上がっていることが感じられ、

そのほかにも武雄神社にある大楠の写真を

誇らしげに見せてくれました。

図書館そばにある武雄神社は荘厳な雰囲気を

持っており、壮大な緑に囲まれていました。

このような神社があることも武雄の素晴らしいところだな

と思いました。

神社の人が住民の方と「市長がね~」と立ち話していたのが

印象的。他の自治体では市長の名前が市民から出てくるのは

選挙の時ぐらいではないでしょうか・・。



宿で。

市長に密着取材していた女性記者の方も

同じ宿に泊まっていたようで宿で遭遇。


視察の時はビジネスホテルで滞在するのですが

武雄では市内宿泊が視察受け入れ条件となっているため

(こういう条件がなければ、近隣の福岡市などに流れてしまう可能性大。

これも地元の観光施策、地域活性化に繋がるものだと評価します。)

市内宿泊したのですが、


おかみさん曰く、

法事に来たおばあちゃんまで「図書館を見て帰らねば・・」と言うそうです。

古い街なので改革の速さに住民の意識が追いつかない・・

という感じもあったそうですが、おかみさんがまるで息子の活躍を

話すように、変化を遂げる武雄について話す姿はとても

微笑ましく思いました。

(ちなみにお値段はビジネスホテルと変わりませんが、

源泉のお風呂はトロッとしていて、肌がごわつく私でも

つるんつるん、しっとりとは、このことなんだ・・と、入浴後の違いに

驚きました。武雄の温泉には某女優さんも訪れたそうです。)



そして運営状況や実績を説明してくれた

私より3~4歳若いというCCCの社員さん。

なんと実家が千葉市内。そして出身校が私と同じ大学だという

この女性は都内で勤務だったそうですが、武雄図書館運営のため

武雄に移り住まわれ、頑張っていらっしゃいました。


長崎県議会議員さんの計らいで

休憩中の昼食を一緒に過ごしてくださった武雄市職員さん。

駅から離れたところにあるカレー屋さんに

連れて行ってくださったのですが、彼は21年に民間経験者

登用枠で採用されたそうです。(ちょうど市長が市立病院の

民営化の改革を行い、リコールの動きが出て、辞職し、再選した

そのころに採用されたわけです。)

関西で大手企業に勤めていた

経験の持ち主で、市役所には普通はない営業部に配属され、

各地に飛び、FB良品への参加を自治体に営業しているとの事。

兼務で他部署に所属しているため、名刺にはいくつもの部署名が

並列で書かれていました。

その方もお若い方で、このように武雄の改革に人生を投じている

若者がいることに驚きました。


私は、あの市長のセンスと頭の回転の速さを職員が

理解し、実行するのは大変ではないか?聞きました。

そうすると、理解できる核となる職員が皆に伝え、実行していく。

兼務もあり。市長はなにか提案すると、ダメと絶対言わない。

よし、やってみろ。俺が責任は取ると言ってくれる。と話してくれました。


長崎県議会議員のお顔見知りとはいえ、前日に急遽お約束をし、

初めて会ったにもかかわらず、対応してくださる(もちろん

業務ではなく・・)こういう配慮もフレキシブルに動いている

武雄市の市政・姿勢、そのままだなあと思いました。


待ち合わせ場所にはずらっとかなりの数の視察自治体の名前が・・。

対応も大変だと思いました。



そして前回のブログにも登場した武雄市職員 中尾さん。

これは千葉市職員の方にはぜひFBでお友達申請してほしいです。

毎日、写真付きでご自身が関わっている事業について、ご自身の

言葉で書かれています。行政がHPで報告するのとは

全く違う温かい印象で、お人柄が伝わってきます。

今は移住希望者の対応もされており、増加傾向と伺いました。

子どもを育てること、

教育に力を入れていることもよく伝わってきます。

(市長が自ら学校を見に行ったりするようすをFBで拝見しましたし、

タブレットを配布することも報道されました。武雄市に感化されている

私ですが、タブレットについてはまだ腰が引けていますので

これは武雄市の動向を見ていきたいと思います)

普通、行政職員は自分の言葉で公に発信することはないのではないでしょうか?

しかしながら、その概念を超えての発信。

学ぶところがあります。


観光案内のお姉さん。

温泉街の小さな店舗の案内所。

お土産は地元のフリーペーパーを

折り紙のように折って、手提げ袋にして

入れてくれました。



カレー屋さんのおかみさん。

市長もよく訪れるというカレー屋さんでは

温かい雰囲気で手作りカレーやピザなどが

食べられます。

対応してくれたおかみさん?は、

武雄が元気になって、私たちもいっぱい税金収めたい!

と街が活気づいていくことを歓迎し、また自らも

その力になりたいという愛情と優しさがあふれてました。


そこでなんだか見かけたことのある人が・・と

思っていると、市長秘書さんがスーパークールビズの

半袖・短パン、サンダルで入っていらして、

市長もいっらしゃいました。

ここでも昨日はありがとうございました。と自らご挨拶に来てくださり、

その後、市民の方と同じテーブルで一緒に召し上がっていたようでした。



最後に樋渡市長について。


今後、さらに地方主権を進めなければならない中で

お国任せではなく、地方自ら、判断し、選択し、発信しなければ

なりません。その中で、首長が自ら、発信し、光を浴びることが

少なかった地方へ有権者の目や関心を向けることも

重要になっています。

今日ではどこの自治体も緊縮財政で、公共事業など

未来に残る姿・形では実績を残すのが困難であり、

社会福祉の維持継続だけでも大きな財政の課題になっています。


そのような中で議会での議論も明るいものはほとんどなく

この危機をどう乗り越えるか?その議論に終始しがちであります。

しかし、政治・行政も市民に期待できる未来を創るために

思いっきった判断や今ある資源(ネット・市民の力)などを

有効活用できるシステムを構築していくことで、

新たな地方のあり方を確立していけると思います。


私は、市民病院を民間移譲するという難問に挑み、

果たされた樋渡市長の著書も読ませていただきましたが、こういう

一番避けたくなるような(でも重要な)課題を乗り越えた

実績と苦労をされている市長だからこそ、図書館改革についても

評価されべきだと思います。


どの改革も今までの行政のやり方とは異なる政策ばかりですが

誰のための政策か?市民が喜んでくれる政策ということが

一貫していると思います。他の自治体に対して、

今までの枠の中では、もう自治体は活性化できない

新たな創造性のある前例のない取り組みをすべきだという

問題定義のようにも思えます。

その中でも財政状況も回復させているという堅実さも

しっかり押さえている点も評価すべきです。

光が当たらなかったものに光をあてる、そこが

素晴らしい。FB良品でも「ものではなく、ストーリーを売る。」

の言葉通りに生産者や土地などのバックグラウンドにスポットを

あてている点にも感動しました。

(名産品のレモングラスは購入し、お土産にしました。)


自治体はトップセールスも大きいと思います。

その中で樋渡市長が発信することの影響力は

大きいです。地方の可能性を信じたい私としても

とても考え方を教わっています。



そして、気配り配慮の細やかさ。


ツイッターである方が(たぶん私が前回の

ブログで市長が出迎えたことを書いたため)

議員だったら、そういう対応も市長もするだろうと

書いておられました。


しかしながら通常の視察では

私たち議員が視察に行っても受け入れ先の

市長が説明することどころか

お会いすることもありません。

(議長が挨拶してくださることはあります)


さらに私は講演会の観衆の一人として、

樋渡市長の話を聞いていたただの地方議員にすぎず、

タクシーを降りて、中から気づいてもらえる程、

顔を覚えてもらっているわけではありません。

(ツイッターで私が呟いたことには

気付いてくださり、コメントいただくことはありましたが。

それも普通じゃあり得ないことなのです。

仕事量からすると普通の首長・政治家は発信したり、

ましてや返信したりすることの労力を避けたがると思います。)

そういう人間に対してこれだけ気配りされた歓迎をするということの

重みを皆さんにも理解していただければと思います。


そして行政職員・CCCの方に仕事ができると褒めたり

自らのダメなところへの同意を求めたり、

スタッフにも声をかける。


子どもに「おじちゃん知ってる?」と聞いたみたり、

若者に「この前も来てたよね?」と声をかけたり、

全身全霊で武雄のために自分をツールとして使っている

という感じがしました。


多くの政治家さん見ていても、なかなかいないのです。

こういう方。残念ながら自分しか見ていない政治家が

まだまだ多い。

エリートなのに痛みも温かみもわかる政治家がいると

いうことにとても感銘しました。



先日のブログでも書いた通り、記者発表前の

今後の取り組みもどれも期待できるものばかり。


市民5万人の地方都市が全市域をかけて行っている

ロールモデルをそれぞれの自治体が地域の実情を

踏まえながら、どう生かしていくか?武雄にとどまらない

改革の伝染をしていくことこそが、今、武雄の行っている

取り組みの意義ではないでしょうか?