武蔵小山アパートメント 9年目の大規模修繕 | 建築家 田口知子の日常をつづったブログ

武蔵小山アパートメント 9年目の大規模修繕

私達の事務所で設計し、2007年に竣工した「武蔵小山アパートメント」。16世帯の賃貸住宅ですが、今のところ1戸を残して満室で、入居率も高く利用していただいています。
さて、この建物、竣工9年目にして、大規模修繕を行うことになりました。

道路側から見た外観

道路側のファサードは、金属系の外壁材なので汚れはまったく気にならないのですが、セキュリティゾーンの内側である、「中庭まわり」の外壁は、ラムダという窯業系無塗装のサイディングを採用ました。これに水が沁みこんで、大変汚い風景になってしまいました。
中庭側の外壁汚れ

クラックが発生

その上、クラックまで発生し、このままでは躯体に水は入ってしまう恐れもあるので、ラムダ面全面に強弾性、耐汚染型弾性塗装を施工することにしました。

このような、無塗装品のラムダという外壁材、コンクリートの素地に近い上品な風合いが気に入って、好んで使っていた素材ですが、9年経ってみて、その汚れやすさと、ひび割れも起こってしまいました。

この歳になると、過去の建築で、難しいディテールや建築業界ではやっている素材など、恐れを知らずに採用した結果問題を引き起こし、痛い思いをすることがあります。

今週、塗装工事が終わり、水切りも付け直し、汚れが付きにくいディテールを工夫しました。すっきりきれいになった武蔵小山。これで新規一転、入居者さんが気持ちよく、住んでいただけますように。