目に見えないものを見る~電磁波の人体への影響について
皆さん、電磁波過敏症という病気をご存知ですか?
アレルギーや花粉症のように、一旦「電磁派過敏症」になると、わずかな電磁波でも、めまいや吐き気、頭痛、不眠などの症状があらわれるそうです。原因は、低周波の電磁波に長い時間曝されている人がかかるようで、は認知度も低いようです。でも、花粉症と同じように、現代の病気として、そのうち増えていくのかもしれない、と思うと心配です・・。
電磁波は、電気も光も磁気も、波長を持つものすべてを含んだ広い言葉です。太陽の光も電磁波ですし、地球の磁気もそうです。電磁波そのものが悪い、というわけではなく、波長の長さや変動によって、細胞への影響があるようです。
電磁波で危険なのは放射線はもちろんですが、家庭用電流のような超低周波(50-60HZ)の電磁波でも、強いものに長時間さらされると細胞核のレベルで人体に影響を与えることは、ヨーロッパでは広く認知されています。腫瘍や白血病、精神病の原因にもなるといわれており、高圧線の付近には住宅や学校を作ってはいけないと規制されています。スウェーデンでは、遺伝子や細胞レベルに影響を与えない、安全な電磁波の強さは2mG(ミリガウス)以下、といわれます。実際、私たちの環境はどうなんでしょう?
子供の施設をつくるのに、安全を確保したいと考え、保育園の計画地のそばを設備事務所のT氏と一緒に、電磁波測定器を持って歩いてみました。
敷地の脇の道路上では0.3mGくらい。近くに電車の高架線がありますが、そこに近づいても1mG以下でした。電磁波は発生源の強さとそこからの距離に大きく影響します。
「普通に歩いている分には意外と小さいですね」、と言いながら、お茶を飲むため、商店街の2階にある喫茶店に入りました。・・・と、いきなり針が振り切れ、なんだこれは!?
見ると、窓のすぐそばに太い電線が何本も走っています。商店街なので、おそらく通電量が多いのでしょう。測定すると10mGぐらいあります。
こういう、電磁波の強いところには、電磁波遮蔽建築が必要ですね!と、お茶を飲みながらT氏と話しこんでいました。低周波は遮蔽が結構難しいのですが、現在、低周波電磁波でも遮蔽する素材はあるようです。
ちなみに、携帯電話などのマイクロ波はアルミなどで簡単に遮蔽できます。ただし電波は届かなくなります。
長期的に見て、安全で健康な環境とは何かを考えるとき、目に見えないけれども、そこにある「ごくごく微細なもの」をも見きわめて、配慮していく力が、建築をつくるものには必要なのだと感じてます。