「空を感じるキッチン」~千駄木の家 アフターレポート
先日、私の事務所で設計した、「千駄木の家
」におじゃましました。今年の10月に完成したばかりなのですが、早速トラブル発生。(ノ゚ο゚)ノ
モルタルの外壁の塗装(リシンという素材です)が、雨の日の後、ぽっこり膨らんでいることが発見されました。
玄関の脇に大きなたんこぶが・・
アップ。こぶがしぼんでいます。
原因解明のために施工した工務店と塗装屋さんも一緒にお伺いすることに。モルタル壁にリシン吹き付け、というのは日本の木造住宅ではとても古くからある一般的な外壁仕上げです。私の事務所でも何軒も採用してきましたが、今までこんなたんこぶみたいなものが出たことはありませんでした。どういうことだ?。(´д`lll)
原因究明のため、ふくれた周辺も塗装をはがしている塗装屋さん。中庭側の見上げです。
外装のアイカ工業に問い合わせたところ、「従来のリシンだと、モルタル外壁のクラックが目立つので、クレームになりやすい。そこで伸び縮みする弾力性のあるリシンを開発したのですが、その場合そういうふくれが起きる場合があります。」とのこと。
従来の透湿性のあるリシンでクラックが出るのと、ヒビ割れは見えないけど水ぶくれが起き易い、どちらかいいか、と言われると・・?ひび割れが起きても、建物的には問題ないので、従来のほうがよいのでは?ん・・業者の「クレームはできるだけ避けたい」精神がここでも現れているなあ、と感じました・・・。
とはいえ、久々にご訪問したおかげでうれしい報告もありました。
奥様が、「このキッチンに立って作業していると、あの窓からとてもきれいな月が見えるんです。空の変化も感じられて、いいんですよー。」とうれしそうにおっしゃってくださいました。
建築は、本当にいろいろな問題が起きますが、こういう瞬間にはとても大きな喜びがあります。