建築家 菊竹清訓氏の自邸「スカイハウス」の見学会 | 建築家 田口知子の日常をつづったブログ

建築家 菊竹清訓氏の自邸「スカイハウス」の見学会

先週の土曜日、建築家の菊竹清訓氏の自邸、スカイハウスの見学会に行ってきました。50年前に建ったものですが、今みても新しく、明快な空間構成を持った斬新な自邸です。


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随所に、日本的美意識と世界に通用する近代メタボリズムの建築の幸せな合致を見ました。菊竹氏が九州の水天宮の御子息であったことも、この建築の寺社風の縁側空間が生まれたことに関係があることを、初めて知りました。

 この住宅が建った当初は、家の下が5mのピロティー(軒下外部空間)になっていて、そこで客人を呼んでバーベキューをしたり歓談をしたりされていたようです。当時のビデオを見せていただいて、とてもにぎやかに歓談する風景の中に、今は大御所になられた建築家の方々が数多く映し出されていて、おもわず微笑んでしまいました。

 
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 その日、81歳の菊竹先生がいらして、お話を伺うことができました。家について、語っておられたのですが印象的だったのは、「建築は、いつも社会的なものです。たとえ個人の家であっても人を招きいれる座敷がなければその建築は十分でない。日本の家は座敷を失ったときに駄目になった。家には30セットの食器を用意してあるべきなのです。」とおっしゃっていて、実際に長い間そのような生活をされていたことを伺い知る自邸、「スカイハウス」でした。おもてなし、をするのは奥様や女性達だったのでしょうし、そのような文化をささえた女性たちに深い敬意を表しつます。


田口知子が日常をつづったブログ お話される菊竹先生

社会や人、公共に対して、開かれた意識があるかどうかが、「建築家である」というあり方の根底なのだと認識し、81歳の菊竹氏のお元気な笑顔を見ながら深い感動を覚えました。