寝る前には、必ずを読みます。
というか、読まないと眠られないので、睡眠儀式のようなものでしょうか。
中学生の頃からなので、かれこれ40年間読み続けていることになります。
結婚してからは、夫も同じように読書好きだったので、本のたまることたまること。
古本屋に売っても、またすぐに大量に買い込むので、本棚が悲鳴を上げています。
今まで、読みっぱなしでしたがせっかくブログを始めたので、記録に残しておこうと思いました。
昨日読み終わった本は、宮部みゆきの「名もなき毒」(文春文庫)
怖いけれど、世の中には様々な毒があふれている。
青酸カリ・シックハウス症候群・土壌汚染・・・・そんな見える毒を話題に絡ませながら、
人間の心に宿る悪意とも言える毒について考えさせてくれる小説でした。
原田いずみという登場人物のはき出す毒は、途方もなく冷淡で恐ろしく、身も凍る思いがしました。
でも、その悪意という名の毒は、妬みだったり、悔しさだったり、そんな事から生じているのですから、
誰でも持っているものなのかもしれない。
クラスの子のテストで100点を取って褒められる。
そうすると、原田いずみは「この子がカンニングをしたのを私は見た」とうそを言うわけです。
自分が点数を取れないのは自分が努力しなかったからだととらえず、良い思いをしている人はみんなずるをしているからだという理屈なのでしょう。
お兄さんの結婚式の日、とんでもない事を言って、結婚を破談にしてしまう。
それは、お兄さんだけが幸せになることが許せなかったということらしい。
世の中の幸せそうな人間みんなに怒っている原田いずみ。
そういえば、秋葉原の事件を起こした犯人も同じようなことを言っていたような気がする。
格差社会になって、どうして自分だけ・・・・という思いになるのは分からないではないけれど・・・
私にだって正直妬みはあるもの。
元気な人を見たらうらやましいし、不平不満ばかり言っている人には病気になれば健康のありがたみが分かるのにと思ったりする。
親の介護をする必要のない人が、自由を謳歌しているのを見ると腹が立ったりもする。
幸せそうに見える人にもそれぞれ悩みがあったりするのに、自分にはない所だけ目について、ねたましくなる。
ほんと、嫌な人間です。
解毒剤のまなくっちゃなあ~
そんなことをちょっと考えさせてくれる一冊でした。