少し早いのですが、この寒さと雪でしょう。
春を先取りしたくて飾ってしまいました。
昨年までは娘が手伝ってくれていたのですが、
仕事疲れからか「めんどうくさ~い。ママは暇なんだから飾っておいてよ。」と言われ、
まあそれもそうだと納得し、1人で楽しみながら飾りました。
今時7段飾りなんて流行らないのでしょうが、私の母が孫の誕生を記念して買ってくれた物なので、
ありがたく毎年飾らせてもらっています。
思えば、かれこれ45年以上も前になるでしょうか、
私が小学生の頃、家にはおひな様がありませんでした。
というより、段飾りのおひな様を持っている子の方が珍しい時代だったのです。
なので、欲しいとも、ないことが悲しいとも思わなかったのですが、
その頃の私は夢見る夢子さんだったものですから、おひな祭りのまねごとだけはしたいと思ったのでしょう。
マットレスを階段状にし、その上に母の赤い腰巻き(着物の下にはく?巻く?ものです)を敷いて、毛氈の代わりにしました。
お内裏様とおひな様だけは、手のひらサイズの小さな人形があったのでそれを飾り、3人官女や5人囃子は、
家中のこけしや人形を集めて、それらしい物を配置したものです。
また、それが楽しくってねえ
おひな様を頭に思い描きながら、どの人形をどこに飾るのかを考えるのが本当に楽しかった。
でもね、
仕事から帰ってきてそれを見た母は、「おひな様を買ってやれなくて、かわいそう」と思っていたみたい。
私は、工夫しながら遊ぶのが大好きな子だったから、全然悲しいとは思っていなかったのにね。
そんな思いがあるせいか、女の子が生まれたとたん「これで、娘には買ってやれなかったけれど、孫におひな様を買ってやれる」と思い、嬉しかったそうです。
そんなばあちゃんの思いを知ってか知らずか肝心の娘は、たいして関心も示さず、
「ママが、飾りたいのなら、そうすれば・・・」という程度。
生まれたときからあるから、ありがたみもないのでしょうね。
物がない時代の方が、あれこれ想像したり工夫したりできて、ある意味幸せだったのではないでしょうか。
些細なことに感動したり、感謝したり・・・
ないことが当たり前だったので、それを悲しんだり不平を言ったりする必要がなかった。
今は、あって当たり前のことが多いから、ないとどうして自分だけが手に入らないのだろうと思ってしまうのでしょうね。
どちらが良いかは一概には言えませんが、ない時代の方が心だけは豊かだったような気がします。
未だに、貧乏性なのか箱に包装紙を貼って小箱を作ったりしているもの。
100均へ行けば、簡単に買えるのにね~