2月14日から16日の豪雪被害の実状調査に赴きました。
参議院災害対策特別委員会より17名の議員が派遣されました。




<長野県佐久市>

農業、観光などに被害を受け、特にパイプハウスの倒壊による被害は甚大で、再建に向けて今後も長期的な支援が求められています。

阿部守一長野県知事、柳田清二佐久市長より要請書を受け、意見交換させて頂きました。

パ イプハウス撤去の国の支援策詳細化、パイプの太さにより異なる運搬費地域格差への配慮、再建に向けた財政支援、メーカーの生産能力の物理的制約の問題、再建が来年度以降になる場合への配慮、ハウス再建が間に合わず一時的 に露地栽培に転換する農家が収入減となることへの対策、今回の被害を機に高齢者が営農を止めて他の農家に引き継ぐ場合にも撤去費を支援する必要性など、様々な課題 と要請があげられました。

また、今般の大雪で除雪が大きな課題となりましたが、この20年あまりで公共事業削減と民間投資低迷の影響で建設業者が減った上に、重機はリースで調達し自前でもたない業者が多いためすぐに除雪車両を確保するのが難しく、扱えるオペレータも少ないという、迅速にできなかった原因がとりあげられました。今後は、自治体が除雪車をもてるように国の財政支援が求められている状況がある一方で、発生頻度が多いとはいえない大雪に備えて限られたお金をどこまでかけるかという問題もあります。除雪車を自治体間で迅速に融通しあえる体制の必要性、また、熟練が必要な除雪車オペレータの技能継承をいかに行うかという課題もあげられました。

<群馬県南牧村>

65歳以上の方の人口が5割を超え、日本一高齢化率が高い村です。多くても数年に一度30cm位の雪しか降らない地域で、今回は1mから1m50cm位の積雪があり、集落が孤立しました。

市川村長、中野群馬県危機管理監から発災直後の状況を伺いました。かろうじて出勤できた職員の方々で情報収集と深夜まで雪かきを行い、村が把握している人工透析や酸素吸入が必要な住民に個別に連絡して酸素を徒歩で届けたり、ヘリコプターで救急搬送を手配したりしたということでした。

現地にお住まいの方々からも話を伺いました。高齢の方も家の前はご自分で雪かきした、できない人のために近所でやってあげたり助け合った、この辺りに重機のオペレータの方が住んでおり、板を渡しながら雪の上を歩いて4時間ほどかけて重機のある場所にたどりつき除雪を開始してくれたのだ、というような話がありました。今回の大雪、そして、平成19年の土砂災害による孤立という大きな困難を乗り越えることができたのは、強い地域の絆があるからだと感じました。

調査派遣でいただいたご要請や貴重なご意見を、今般の雪害からの復旧支援と今後の災害対策に生かしてまいります。