先月末に、東京で開催された展示会に参加した折、
たまたま、台湾人1人、韓国人4人、日本人1人(僕)
という男ども6人に、韓国人女性1人(美人です)という
計7人組にて展示会場から飲み会会場に移動しておりました。
ふと気になり、台湾にはMilitary service(兵役)はあるのかと
尋ねてみたらば、当然そりゃあるさと即答。
考えてみると超愚問でした。
ちなみにその台湾人の彼は、1年半軍務についていたそうです。
となると、このアジア人男性6人の中で軍隊経験がないのは
僕だけってことですな。
もちろん、軍隊経験と言っても、戦闘経験があるわけではなく、
まして殺傷経験など、その中の誰も持ってませんが。
韓国での飲みの席などでは、実に楽しそうに軍隊での思い出が
語られることが多いです。
また、部隊の休みの日ともなれば、ミリタリーウェアに身を包んで
街に繰り出す兵役中の若者がたくさんいます。
本当は規則違反なんだそうですが、ちょっとカッコつけて軍服の
まま遊びに出ているそうな。
そういえば、みんな不自然なほど袖をまくり、筋肉隆々の二の腕
を一生懸命見せて歩いてます^^;;
そういうところを見ると、軍隊のイメージもずいぶん柔らかく
感じてしまいますね。
・・・が、配属された部隊によって著しい違いなどはあるものの、
軍隊生活の中心は、基本「人間を殺害」するための訓練です。
大竹研究室にいる韓国からの留学生のひとりは、海兵隊での
軍務を積み、一撃で人を殺せる市街地格闘技のエキスパート
だったりします。
また、韓国の軍隊では、年間かなりの自殺者が出ているのだそうな。
この点、日本の自衛隊でも多いですし、米軍(特に中東戦線から
の帰還兵)の自殺者も多いところ、何か共通してるっぽいですね。
韓国では、軍隊行ってる間に彼女が他の男性に心変わりして
しまって、それで自ら命を絶つ人が多いんだよーと、こっそり
崔さんが教えてくれました。
しかしこれは、単にフラれたショックというふうに言いきれない
問題かもしれません。
この間の飲みの席では、僕の高校の柔道部時代は、毎日
校庭5周のランニング、
ヒンズースクワット500回、
道場オリジナルジャンプスクワット100回、
腕立て200回(50回×4)を2種類、
腹筋200回(50回×4)、
背筋200回(50回×4)、
首上げ5分、
受身とエビ、各道場5往復
の後に本当の練習開始だったという話をしたらば、5人の
元軍人たちから鼻で笑われました。
(あ、いや、元軍人じゃなくても笑っちゃう内容っすかね?^^;)
その後、軍隊での地獄のトレーニングが楽しげに縷々語られ、
聴いてて目まいがしてきました。
日本で、徴兵制(兵役制?)を施行しようという意見も、戦後
半世紀を越したあたりからチラチラと囁かれるようになり、
最近では以前より声高になっている気がします。
多様な意見があるのは当たり前なので良いのですが、どうも
身体性の伴わない意見が多い気がして憂鬱になります。
徴兵制が良いと言う人々の中の一部は、軍隊というのは
若者に自動車教習所のように優しく丁寧に愛国心や
公徳心を教えこんでくれる場所のように思ってはいまいか?
せめて、先輩に罵倒され蹴られながら腕立て200回の
壁を越えた経験くらいを踏まえてから考えるのとそうじゃない
のとでは、意見の立場はともかくとしても、中身が全然違って
くる気がします。
パブリックな問題なので、そういう個人的体験の有無は
関係ないじゃないか?!
しんどさの片鱗を体験してない人間には語る資格はないと
言うのか?!
などなどのご意見は当然ございましょう。難しいですね。
(でも、やっぱり腕立ての100回程度は普通にこなしてから
語りましょうよ・・・あれま、自分基準でごめんちゃい><)
かつて、長寿で有名なミッション系大病院の院長先生が、
「今の若者の心身を鍛え直すために徴兵制もありだ」
という趣旨の発言をなさったことを伝え聞いた水木しげる先生が、
「そんな馬鹿なこと言う人は、実際の軍隊も戦場も経験した
ことのないお金持ちのボンボンなんじゃないのー?」
とおっしゃったことがありましたが、まさに正鵠を得ていると
思いました。
いわゆる「国防」「軍事」という冷徹な現実問題の中で考える
べきことを、
「個人主義化して秩序を忘れた若者の教育」のためとか
「愛国心や公共心を培う精神修養」のためとかいう文脈で語る
こと自体、許し難い平和ボケな気がしてなりません。