歌舞伎町の女王をドラマ化したら 【別紙:シノプシス】(上) | モノゴトをオモシロくスルドく見る方法「かふてつの方丈記 」

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歌舞伎町の女王をドラマ化したら 【別紙:シノプシス】①

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【歌舞伎町の女王 歌詞】作:椎名林檎
(前奏)
蝉の声を聞く度に 目に浮かぶ九十九里浜?
皺々の祖母の手を離れ 独りで訪れた歓楽街?
ママは此処の女王様 生き写しの様なあたし?
誰しもが手を伸べて 子供ながらに魅せられた歓楽街?
十五に成ったあたしを 置いて女王は消えた?
毎週金曜日に来ていた男と暮らすのだろう?
(間奏)
"一度栄し者でも必ずや衰えゆく"?
その意味を知る時を迎え足を踏み入れたは歓楽街?
消えて行った女を憎めど夏は今?
女王と云う肩書きを誇らしげに掲げる?
(間奏)
女に成ったあたしが売るのは自分だけで?
同情を欲した時に全てを失うだろう?
JR新宿駅の東口を出たら?
其処はあたしの庭 大遊技場歌舞伎町?
Oh Oh?
今夜からは此の町で娘のあたしが女王


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「女王」とはトップクラブのトップホステスと定義しておきます。この時点で見当外れかもしれないのですが、とりあえずそういう前提で書いてみます。
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第一部 九十九里:故郷編

 

九十九里の海近い寂れた村に、主人公(子供)と母と祖母の三人が暮らしている。
母は歌舞伎町でホステスを務めている。このため母は昼過ぎに出勤し翌日朝遅くに帰宅しており、主人公(子供)とはすれ違いの生活。実質、主人公と祖母の二人暮らしの様なもので、心寂しい日常を送っている。

 

ある晩主人公は祖母が止めるのも聞かず、お母さんに会いに行ってしまう。
不安な思いで電車を乗り継ぎ新宿に降りた所で、まず大都会の大群衆に圧倒される。
何とか歌舞伎町に辿り着くと、そこは絢爛豪華夢の世界。中でも一際豪奢なお城(お母さんのお店)に入ると、そこには女王として光り輝き君臨する母の姿が。主人公自身、「お母さんにそっくね」などと言われて、日常とはあまりにかけ離れた束の間のお姫様気分を味わう。

 

この日は「こんな所に来ちゃダメじゃない」とお母さんに怒られて九十九里に帰るのだが、この経験は”鮮烈なビジョン”として九十九里の子供に刻み込まれるだった。

その後、九十九里の日常が続くのだが、15になったときに母は家を出てしまい、日常生活は更にもの悲しいものとなってしまう。そんな生活の中で時折、子供の時に見た「歌舞伎町のビジョン」がフラッシュバックする。
(この間に主人公は子供から少女に成長する)

 

そして、遂に「ビジョン」に導かれた主人公(少女)は歌舞伎町に行くことを決意するのであった。


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第二部 歌舞伎町:成長編

 

歌舞伎町には来たものの、主人公は未成年でお金が無く着るものも買えないのでホステスの仕事はまだ出来ない。そこで飲食店でバイト生活を始めるが、常連客の中に親切なおじさんがいて、主人公への支援を申し出る。

 

このおじさんは実は歌舞伎町を仕切っているヤクザの一員で、女性を借金で縛り付けてクラブにホステスとして斡旋し上納金を得ることをシノギとしている者であった。ヤクザは主人公の美貌に着目し、カモとして主人公を狙ったのだった。

 

主人公はおじさんの誘いに乗ってしまい、必要以上に多額の金銭を借用し、偽造免許証なども作ってもらう。また、この時ヤクザと情婦関係を結んでしまうが、ヤクザにとっては主人公はいくらでもいる女の一人程度のものでしか無かった。

 

※ヤクザのおじさんは、一見親切で優しい紳士だが、実は内部に狂気と暴力性を孕んだ人物として描かれなければならない。イメージとしては「淋しいのはお前だけじゃない」の財津一郎である。

 

ヤクザは経営不振な二流のクラブの立て直しを図り、主人公をホステスとして斡旋する。
二流クラブの人々は、当初、主人公を”ヤクザの回し者の素人”として無視かつ敵視し、ワザと意地悪に接するが、次第に主人公の中にホステスとして資質を見いだし、態度が徐々に軟化するようになる。主人公は二流クラブで下働きや諸々の雑用をこなしつつ、ホステスとしての人生をスタートさせる。

 

同クラブのママは長年歌舞伎町暮らしを続けてきた人で、高齢ながら歌舞伎町の裏も表も知り尽くした、実は歌舞伎町のジェダイマスターのような人であった。また同僚のホステスも一見パッとしないが実は秘めた能力を隠し持つジェダイナイトのような人々であった。

 

※便宜的に「ジェダイ」書いたが、もっと具体的なイメージは「七人の侍」である。ママは当然志村喬の勘兵衛であり、他のメンバーも、超一流だったが年齢のため一線を退いた者(稲葉義男相当)、一見無愛想で客商売失格のようだが実はもの凄い特技を持つ者(宮口精二相当)、非力だが策に秀でた者、地味だが諜報網に精通し素破的な能力を持つ者、特段の能力は無いがムードメーカー的な者(千秋実相当)、などなどのキャラを揃えて欲しい。

 

店が流行らないのはメンバーが一種諦観の境地に至りある意味欲を捨てていたためであり、実は潜在的なパワーを秘めたクラブなのである。
こんな環境で厳しく、また時には激励されもしつつ、主人公は歌舞伎町で生きる術を身につけて行く。

 

若いホステスが入ったと言うことで店にも徐々に客が入るようになり、主人公を指名する客も増えて行き、主人公も少しずつ歌舞伎町の中で名前が知られるようになって行った。
すると二流クラブの実力が再認識され経営は改善して行き、二流クラブのジェダイ達も諦観から自信を回復して行く。

 

そのためヤクザも主人公には一目置くようになるのであった。

 

(続く)