石油価格はどこまで上がる? | 1分でわかる経済ニュース ~経済力が上がる12の法則~

石油価格はどこまで上がる?

 最近は地震情報が多くてあんまり目立たないけど、原油価格の上昇が止まらない。


原油価格上昇で円安デメリット懸念も、震災でコスト削減困難


現時点(4月4日現在)で1バレル108ドル(WTI原油先物価格)になっている。これからさらに高くなると、国民生活を脅かしかねない。しかも、地震のダメージが大きいので場合によっては致命傷になるかもしれない。


特に最近懸念されているのは円安になった時のデメリット。よく日本は円安のほうが輸出に有利って話が多いけど、円が高いと海外からの資源を安く調達できるってのがあるんで、別に円高は悪いことばかりってわけでもない。


原油価格が高くなっているんで、原油の需給状況が逼迫しているのかっていうとそうでもない。実際のところは供給は十分にあるし、需要だって極端に増えているわけではない。


資源高の主な原因となっているのは投機マネーの流入。世界的に若干バブル気味だった国の株式や不動産から資源にマネーが逃避している。実際には原油や金そのものを買っているわけではなくて、先物市場で権利みたいな物を売買しているわけだ。将来的に上がると思えば、原油を先物買いする。下がると思えば、空売りから入ることもできる。


そういった多くの人々の思惑によって動いている資源高騰。実際に持っている金額の10倍以上の取引(一般的には信用取引って呼ばれている)も可能なので、こういった市場では需給とはあんまり関係ないところで高くなりすぎたり、安くなりすぎたりってのはよくあるんです。


よくあるのは、需給から考えると高すぎるんでいつかは下がるだろうと思って理論だけに頼っても思い通りにいかないのが市場のこわいところ。必ずしも理論値(本来あるべき値段みたいな物、根拠自体はたいてい曖昧)に収束するわけじゃない。だって人間の世界はけっこう感情で動いているからね。


異常な値段でも、行き過ぎが続くと、その状態がいつの間にか平常になっている。過去の延長線上で考えると痛い目を見る世界。人間ってすぐに慣れるもんですよ。


この資源高騰が長引くと、大地震が起こって思いのほか弱っている日本にとっては、ちょっと厳しい試練になるかもしれませんね。



にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へ
にほんブログ村


ペタしてね