ブラックスワン

最近読んで面白かった本を紹介します。
ブラック・スワン(ナシーム・ニコラス・タレブ)(ダイヤモンド社)

　著者が元金融機関のトレーダーということもあり、トレーダーが金融市場で犯しやすい誤りが分かりやすい例を通して描かれています。

　副題に不確実性とリスクの本質とあり、ここ１０年ほどLTCMの破たんやリーマンショックなど、金融機関の不祥事がどのように起こっているのか、なぜ経済学でノーベル賞をとった人が間違ってしまったのか、ブラックスワン(黒い白鳥)を通して描かれています。

　ジャンルとしては確率・統計・経済といったところになるのでしょうが、数学・物理学・経済学・心理学・哲学などの研究事例を通して丁寧に書かれているので分かりやすくてためになる本です。難しい数式は出てこないので眠れない夜にぴったりの一冊です。

　ここで出てくるブラックスワン(黒い白鳥)とはめったに起こらないけれど一回起こると世界の常識が変わってしまうような事象のことを指しています。ここ１０年ほどで個人でもシステムトレードがはやったり、金融機関では金融工学を元にしたトレードが威勢を奮っていますが、彼らがなぜ突然死してしまうのかがよく分かります。

　これが噂のブラックスワン(黒い白鳥)です。
思ったよりもかわいらしい姿をしています。