最近読んでる本から、農薬について、「踊る食の安全」より | さぶっ!かるちゅあ。2

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女性ポートレートを中心に掲載していきたいなあ。サブカルチャーねたを独断と偏見で書ければいいし。でもでも、あくまで真面目なブログです。

どうも、朝からおなかの調子がよろしくないです。

下りののぞみが一日10便ほど走ってます。

それはさておき。


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農薬と言うとどんなイメージを持ってますか?


私なんかは

「臭い」「有害」「某国産農作物」「出来れば無農薬を食べたい」

こんなところでしょうか。


でも、「踊る食の安全」を読んでいるとイメージがちょっと変わってきています。


戦後、1960年代までは確かに

このイメージの通りに農薬は存在していたようです。


しかし、農薬による中毒死事件や農薬を使った自殺が問題になり

環境への悪影響を指摘した、「沈黙の春」の出版を契機に

二つの流れができたそうです。


一つは無農薬農業の推進。


そしてもう一つは

安全な農薬の開発。


前者はともかくとして

後者についてはほとんどの人が興味を持たずに過ごしてきたのではないですか。

私ももちろんそうです。




現在の農薬開発の成功は宝くじを当てるようなものと言われています。


急性毒性試験、中長期毒性試験、生物体内での分解性試験、急性毒性対処法、

環境影響試験等の試験を繰り返し行い、開発に6~10年の時間と50億以上のお金をかけ

ようやく、登録申請にこぎつけるのだそうです。


数万の候補物質からこれだけの試験を経て認可される訳ですから

宝くじとはよくいったものです。


現在の国内農薬市場は約4000憶だそうですから

開発費の大きさがわかるというものです。


さらに、もし、農薬で問題が発生してしまえば

莫大な補償義務が生じるのですから、農薬メーカーは慎重のうえにも慎重に作業を進めるのは

当然かも知れません。


つまり、農家が犠牲になるほどの毒性をもった農薬は

今の時代にはほとんど存在しないという事です。


こういう数字があります。


毒物を毒性の強い順に毒物の種類で分類すると

特定毒物、毒物、劇薬、普通物になります。


1950年代の農薬では特定毒物が30%弱、毒物が30%以上あったものが


60年代に特定毒物、毒物が一気に減り


2003年の統計では特定毒物が0%、毒物が0.9%、劇物が19.5%、

そして普通物が79.6%になっています。


これだけでも現在の農薬がいかに変化してきているかがわかると思います。


農薬の毒性はどの程度なのか。

どれくらいの農薬なら食べても安全なのか。

このあたりはまた別の機会に紹介してみたいと思います。



最後に気に入った一文を紹介します。


ルネッサンス期の有名な医学者パラケルススの言葉にこういうものがあります。

「全ての物質は有害である。有害でない物質はなく、用量によって毒になるか薬になるかが決まる。」


その通りですよね。


例えば、水。

生命を維持するために必要不可欠な物質です。

しかし、その水も一度に大量に飲むと水中毒を起こして最悪の場合死に到ります。

※去年、水飲み大会に出場した女性が水中毒で死亡したという海外ニュースがありました。


例えば食塩。

これも生きるために必要な物質ですが、

体重70kgの成人男性が一度に210gの食塩を食べると死亡します。


これらから言えるのは

その物質のベネフィットとリスクを天秤に掛けて

使うべきが使わざるべきかを考えていかなければならないという事です。


農薬は毒物には違いないのですから大小は別として必ずリスクがあります。

その反面、大量に安く農作物を作るという大きなベネフィットがあります。


無農薬栽培は不可能ではありませんが

コストと収量を考えると日本全体を支えるには無理があると思います。


つまり、やたらと農薬を毛嫌いするのではなく

農薬の危険性や農薬のもたらす利益をよく知った上で

食べ物を選択するべきじゃないのかという事ですね。


妙に高い無農薬有機農法野菜を買う事は、私たちにとって本当に利益なのか。

ただ、商売に踊らされているだけじゃないのか。


ちょっと考えてみたくなりました。





ところで、中国の農薬がどの程度信頼できるのかは今のところ勉強中ですので

今回の結論は日本国内だけに限らせていただきます。