日本では殺人事件は増えていない 世界二位の治安大国ニッポン!
■メディア・スクラム
秋葉原・無差別殺人の報道が次々なされ、毎度のメディア・スクラムだ。
容疑者の情報は、両親の謝罪の様子や祖母への取材、同級生や学校の教師に対する取材、派遣先での解雇不安、ケータイ掲示板の書き込み。そして、被害者の情報としては、被害者の通夜や葬式中継、被害者のブログや事件現場の動画サイトの紹介。
あっちもこっちもみんなで、プロファイリング状態。そしてついに、秋葉原の治安悪化を危惧して、歩行者天国まで中止。容疑者が使った殺傷力の高いナイフの規制問題まで持ち上がっている。
テレビニュースによれば、東京地検は容疑者の精神鑑定(本鑑定)を起訴前に行うと見られ、容疑者の責任能力を証明する構えだ。一般に精神鑑定は起訴後に行われることが多いが、今回は異例の起訴前鑑定だ。
出来るだけ精度の高い精神鑑定を行うなら、事件から時間が経っていない方がよいと思うが、今回の起訴前鑑定は、容疑者に責任能力があることを鑑定によって精神科医に明らかにさせ、厳罰化に導くための手段として行われるようだ。
■果たして他殺は増えているのか?
今回の事件や茨城・土浦の事件と「凶悪事件」の連続だが、果たして日本では殺人の数は増加しているのだろうか。
■他殺による死亡者数の推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2776.html
↑ クリックすれば、拡大されます↑
上のグラフを参照して欲しいのだが、最近の人口動態統計によれば、年間500人から800人程度である。自殺者3万人時代に突入したのは、1998年以降だが、他殺が増えたのもこの時期である。
データから見れば、他殺による死亡者数は自殺者の50分の1である(2006年)。ただ、傾向として言えるのは、景気の悪化と自殺者や他殺者の増加は相関関係がある。
ちなみに、日本は世界的に見て他殺率が低い国である。参考に上げた下記のデータによれば、世界第2位の低さ。すなわち「世界中で最も治安のよい国」ということではないのか。
近年、メディア・スクラムによる過剰報道で「凶悪犯罪」が増加しているように感じられるが、これは「体感治安」の悪化によるものであることに注意したい。
しかし、進行する格差社会や、社会保障制度の崩壊現象によって、日本は殺人が少なく治安のよい国であるという現実をいつまで保つことが出来るのか、不安材料の多い昨今の社会情勢だ。
■《参考》世界各国の自殺率と他殺率の相関
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2775.html
日本の自殺率は高さが目立っているが他殺率については非常に低い国といってよい。上図のWHOデータによれば日本の他殺率はWHO加盟の人口100万人以上150カ国のうちジャマイカについで世界第2位の低さである。
秋葉原・無差別殺人の報道が次々なされ、毎度のメディア・スクラムだ。
容疑者の情報は、両親の謝罪の様子や祖母への取材、同級生や学校の教師に対する取材、派遣先での解雇不安、ケータイ掲示板の書き込み。そして、被害者の情報としては、被害者の通夜や葬式中継、被害者のブログや事件現場の動画サイトの紹介。
あっちもこっちもみんなで、プロファイリング状態。そしてついに、秋葉原の治安悪化を危惧して、歩行者天国まで中止。容疑者が使った殺傷力の高いナイフの規制問題まで持ち上がっている。
テレビニュースによれば、東京地検は容疑者の精神鑑定(本鑑定)を起訴前に行うと見られ、容疑者の責任能力を証明する構えだ。一般に精神鑑定は起訴後に行われることが多いが、今回は異例の起訴前鑑定だ。
出来るだけ精度の高い精神鑑定を行うなら、事件から時間が経っていない方がよいと思うが、今回の起訴前鑑定は、容疑者に責任能力があることを鑑定によって精神科医に明らかにさせ、厳罰化に導くための手段として行われるようだ。
■果たして他殺は増えているのか?
今回の事件や茨城・土浦の事件と「凶悪事件」の連続だが、果たして日本では殺人の数は増加しているのだろうか。
■他殺による死亡者数の推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2776.html
↑ クリックすれば、拡大されます↑
上のグラフを参照して欲しいのだが、最近の人口動態統計によれば、年間500人から800人程度である。自殺者3万人時代に突入したのは、1998年以降だが、他殺が増えたのもこの時期である。
データから見れば、他殺による死亡者数は自殺者の50分の1である(2006年)。ただ、傾向として言えるのは、景気の悪化と自殺者や他殺者の増加は相関関係がある。
ちなみに、日本は世界的に見て他殺率が低い国である。参考に上げた下記のデータによれば、世界第2位の低さ。すなわち「世界中で最も治安のよい国」ということではないのか。
近年、メディア・スクラムによる過剰報道で「凶悪犯罪」が増加しているように感じられるが、これは「体感治安」の悪化によるものであることに注意したい。
しかし、進行する格差社会や、社会保障制度の崩壊現象によって、日本は殺人が少なく治安のよい国であるという現実をいつまで保つことが出来るのか、不安材料の多い昨今の社会情勢だ。
■《参考》世界各国の自殺率と他殺率の相関
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2775.html
日本の自殺率は高さが目立っているが他殺率については非常に低い国といってよい。上図のWHOデータによれば日本の他殺率はWHO加盟の人口100万人以上150カ国のうちジャマイカについで世界第2位の低さである。