沖縄県知事選・野党統一候補の糸数慶子さん落選 | 権力とマイノリティ

沖縄県知事選・野党統一候補の糸数慶子さん落選

糸数慶子 糸数慶子応援団
■糸数慶子さん落選の深夜ニュース
 上の写真は糸数慶子さん応援公式ブログ「ギリギリKの会」のものをお借りしました。
 日曜深夜のテレビニュースで、糸数慶子さんの落選を知った。本当に残念な選挙結果だった。僅差とはいえ、沖縄知事選の野党統一候補である糸数慶子さんの落選は、さまざまな国会審議に多大な影響を及ぼすことは明らかです。

 かつて何度か沖縄を訪れ、沖縄北部(名護)から南部(那覇)に向かう路線バスに乗った。北部から南部に近づくにつれ、建物がドンドン新しいものに変わっていく風景は、まさに沖縄の「南北の格差」を思い知らされました。失業率の高い沖縄の「米軍基地」による経済振興を「思想・信条」で乗り越えられない…さまざまな課題があることを痛感しました。

 単に沖縄問題ではなく、我が国の将来に関わる問題として、私たち一人ひとりの主権者に、問われている課題ではないのか? いま私たち、一人ひとりが何が出来るのか、真剣に考え、行動すべきときではないのでしょうか。

●沖縄タイムス11月20日(月)
【届かず一点見つめ/糸数さん こらえる涙】
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200611201300_03.html
 午後十時三十五分。NHK沖縄放送局が速報番組で真っ先に仲井真弘多さんの当確を打った。その瞬間の仲井真さんの選対本部事務所。本人は到着しておらず、主役不在のまま選対本部長の稲嶺恵一知事が喜びを爆発させ、万歳を繰り返す。

 一方の糸数慶子さん陣営。「えっ」「信じられない」。瞬時に重たい空気が支配する。テレビを注視していた糸数さんは表情が硬く、目は一点を見つめたまま。
 続いて同三十八分。琉球放送がキー局のJNN速報として仲井真さんの当確をテロップで流す。三十九分には沖縄テレビ、四十三分には琉球朝日放送が続いた。県内の全四局が出そろい、結果が「確定」した。

 歓喜に包まれる選対本部事務所に四十五分、仲井真さんが到着。割れんばかりの拍手の中、稲嶺知事とがっちり握手。四十六分、仲井真さんを中心にあらためて万歳、万歳。
 同十時前まではNHK、民放各局とも開票当初からほぼ糸数さんのリードを伝えていた。潮目が変わったのは十時すぎ。NHKが初めて仲井真さんの逆転を速報した。
 これ以降、同局は終始、仲井真さんが票を積み上げる。これに対し、一部の民放では依然、糸数さんがリードする展開。対照的な動きに、両陣営とも「うーん、よく分からない」「もう少し見守ろう」。緊張感と期待感が分刻みで交錯した。同二十五分すぎには琉球放送も仲井真さんの逆転を報じ、流れが固まった。

 ソファに浅く腰掛けていた糸数慶子さんは、テレビを見据えたまま動かない。支援者が詰め掛けた那覇市古島の教育福祉会館。午後十時三十五分、仲井真弘多さんの当確を知らせるテロップがテレビから流れると、ホール中にため息が満ちる中、糸数さんは身じろぎもしない。四分たった。右隣に座る夫隆さん(57)の方を初めて向いた。隆さんがねぎらうように右腕をぎゅっと握った。

 島袋宗康選対本部長の敗戦の弁に続き、マイクを握った。「皆さん、本当にありがとうございました」。わき上がった拍手が途切れず、次の句がなかなか出ない。ひとしきり待って言葉を継いだ。
 「ここまで肉薄できたのは、基地を造らせない県民の思いが結集したから。出遅れた分が足りなかった」。一語一語かみしめるように話した。目は少し潤んでいた。
 「共闘を組んで勝てるチャンスだった」と、悔しさをにじませた糸数さん。取材を終え、出口に向かおうとして孫ちゆらちゃん(2)の姿を見つけると、抱き締めた。
 見つめる隆さんがたたえた。「精いっぱい選挙戦を駆け抜けた。立派な候補者だった

●「手応え感じたが」支持者ら労ねぎらう
 糸数慶子さんの支持者らが集まった那覇市の教育福祉会館。得票数の優劣が入れ替わるたび、期待と不安の表情が交互した。会場が静まり返ったのは、午後十時三十五分。テレビが仲井真弘多さんの当確を報じると、支持者らは硬い表情で画面をじっと見つめた。
 「本当にいろいろありがとうございました」。
糸数さんが会場を回ってお礼の握手を求めると、目を真っ赤にして抱きつく女性も。支持者らは「残念だった。これをバネに頑張ってほしい」と労をねぎらい、孫を抱いた糸数さんが会場を後にするまで拍手を続けた。
 女性部長として支えてきた比嘉京子社大党書記長は「日々手応えを感じていたが、短期決戦の限界。政策の浸透が不十分だったのか。もう少し時間が欲しかった」と出遅れを悔やんだ。


出陣式1 出陣式2