コメントから 生活保護をめぐる「人びとの想像力」について | 権力とマイノリティ

コメントから 生活保護をめぐる「人びとの想像力」について

◆コメントをした人の素性がわからない
 わたしは生活保護をめぐるブログを2回ほど書いた。アクセスは予想以上に高いし、コメントもいくつかいただいた。その中から、わたしが気になったお二人の方のコメントを引用させていただき、わたしなりのコメントをさせていただきます。
 今回お二人に直接、ブログやメールで連絡をとらせていただくことができません。通常ブログでのトラックバックやコメントは、相手がどのような主張やご意見をお持ちであるかは、ブログなどにアクセスすれば可能なのですが、お二人に対してはそのようなことができません。そこであえて、ブログでの公開を通して、わたしの意見を述べさせていただく次第です。

◆母子加算が不要だというその理由は?
「とおりすがり」さん、どなたかのブログで拝見したお名前ですね。もしかして、はじめまして、ではないかも知れません。
 児童扶養手当を受給されていたとのこと、さぞかしいろいろ大変だったことでしょう。でも現在はおそらく、生活(経済)環境の変化で、違う生活をなさっているわけですよね。
 とおりすがりさんは、「月10万円で親子3人で暮らすことは問題ではない。食うや食わずにはならないはず」とおっしゃっています。たとえ収入は少なくても「食うや食わずでなく」子ども2人を食べさせていくだけの、ファイトと健康の持ち主だったんですね。お子さんは、元気な母親を持ち、お幸せでしたね。
 生活保護を受けている母子家庭の理由は人それぞれです。働きたくても働けない、病気や障害を抱えていることが多いと考えられますし、「母子家庭で収入が少ない」という理由だけで、簡単に生活保護を受けられる「社会保障制度」になっていない、そういう現実をご存じないのかと思われます。いかかでしょうか?

■コメント1 無題「とおりすがり」さん 
「はじめまして。母子加算減額は知っていましたが、医療費も自己負担の動きがあるのですね。元児童扶養手当受給世帯の母子家庭として言わせていただければ、母子加算は仕方がないかと思います。月10万で3人暮らすことも問題ではない(学費や公立学校の学力低下等が加わることは別)。食うや食わずにはならないはず。我が家はそのレベルで生活していましたから。
 けれども、生活保護で医療費自己負担なんて、確かに医療費は抑制できるかもしれないけど、命の危険とお金をバーターにかけなくてはいけないということは、根本的に違います。後者はとんでもない話。
 最近ネットを見ていると(苦しい)自分よりもっと下のレベルになれ、という声も多く、年金額に生活保護に合わせようというのもその流れなんでしょう。どうなっちゃうんでしょう、この国は。」

◆りっぱなキャリアウーマン、あなたは偉い!
 「年収五百万円のシングマザーさん」この国で女性が、年収五百万を稼いでいらっしゃるんですね。最近では男性ですら「年収三百万円」時代に大したものです。とてもわたしのような貧乏人には、まねできません。
 わたしは貴方の税金で生活していませんが、生活保護を受けている多くの人たちは、生活保護を権利だとすら思えないない人が多いのが現実です。多くの人たちは、ひたすら身を隠すように、静かに暮らしています。
 生活保護を受けるだけの要件を満たしていながら、それすら遠慮している世帯が多いという統計も出ています。国際的なデータから見ても、日本の生活保護をはじめ、障害者や高齢者など「社会的弱者」に対する福祉制度は先進国の中では最下位で貧困です。今でも貧困な社会福祉をこれ以上、貧しくしても、人びとの不安がますます増すだけではないでしょうか。
 老いても、病気や障害を負っても、生きていくという「生存権」を主張することは、そんなに理不尽ですか?

■コメント2 生活保護費削減賛成 「年収500万円のシングルマザー」さん  
「母子家庭であるにもかかわらず、何の控除もなく、納税の背負って自力で子供を育てている私のような人達もいるということを忘れないでくださいでね。アナタの生活費はそういう人達が納めた税金だという事も。楽して稼いでなんかという事も。」