「生活保護」は人びとの「権利」ではないのか! | 権力とマイノリティ

「生活保護」は人びとの「権利」ではないのか!

◆母子加算の減額に対して提訴
 生活保護の老齢加算、母子加算の廃止と、生存権の侵害である生活保護費の削減が相次いでいる。まだ、一般紙での報道は見あたらないが、「赤旗」が母子加算の減額に対して、京都の女性が提訴したというニュースがあった。
 実名を出して裁判に訴えるという、英断の決意に敬意を表したいし、本人を支える人たちにも、ぜひともがんばって欲しいと切に願う。

◆理解されない「精神障害」?!
 生活保護について、わたしは障害者の中でも、特に精神障害者の様子について、身近でその実態を知っている方だいうと思いがある。障害者自立「阻害」法という悪法による、身体障害者や知的障害者の当事者や、その家族の苦悩も、わたしなりに理解しているつもりだ。わたしは別に偏見や差別で言っているのではないと、あえて先に強調しておきたい。 
 テレビニュースを視ていると、映像での「身体障害はわかりやすい」という特徴を持つため、それなりのインパクトを持つ。が、精神障害を映像で表現するのは、かなりむずかしいし、記者たちの精神障害に対する理解が、大変低いというというのも、また、現実である。まっ、要するにジャーナリストといえども、一般人と同じようなレベルでしか、精神障害に対する認識しかない、ということなんですが…。

◆個人的な経験から想うこと
 わたしは10年近く、うつ病による精神科医療ユーザーだ。それをあえて、他人に隠していないが、身近な人たちから「批難」を受けることは、これまでにもまま…あった。今週のような猛暑では、外出する気も起きないし、アパートでクーラーつけて、うつごもりしている方が楽だ。今日だって、近所に出かけるつもりだったけど、ちょっとかなり、しんどいくてやめた。
 にもかかわらず、わたしが人前に現れているときは、「ふ・つ・うの人」より、テンションが高いと見られるでしょう…?!。「おまえが、うつ病! 詐病ではないか?」そう、面と向かって言われた経験がある。わたしは精神医学に対する知識もあるし、自分の社会的なポジションについて、かなり自覚的だという自負があるので、そうした他人を傷つけるような言動に関する「免疫」があります。
 だけど、それって・・・いわゆる、この国の「言論&知識人」とされる「団塊(全共闘)世代」の男性に言われたんです。ショックって言うより、「ハイハイ・・・?!」と日本の言論界のレベルを思い知らされた、そんな感じでした。
 ついでながら、女性差別に関しても同様な反応だったので、オイオイ(個人的に懲らしめておきましたが…)でした。偏見・差別から解放されるって、ホントにむずかしい。

 ちょっと個人的体験から迂回して、生存権に関する「想い」を書き綴りました。生活保護をはじめ「生存権」なくして、「社会的弱者」はどう生きていけばよいのか!


●しんぶん赤旗 2006年7月13日(木)
【生活保護 母子加算減額は違憲 京都の女性 取り消し求め提訴】
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-07-13/2006071304_03_0.html

 生活保護の母子加算の削減・廃止により、憲法二五条で定めている健康で文化的な生活を営む権利を侵害されたとして、京都市内の女性が十二日、京都市を相手取り、減額の取り消しと削減前の支給を求め京都地裁に提訴しました。
 提訴したのは、京都市山科区に住む辰井絹恵さん(43)。十五歳の長男と二人暮らし。今年四月に長男が高校生になり、母子加算が同月から二万三千二百六十円から、三分の一の七千七百五十円へと大幅に減額されました。訴状では、長男の服や靴を買い替える余裕もないとのべ、「食事や服などで長男に不自由な思いをさせているのがふびんでならない」と訴えています。
 辰井さんは十二日、京都地裁に訴状提出後、弁護団(竹下義樹団長)や老齢加算削減問題で昨年四月に初提訴した松島松太郎さん(80)、支援する「生活と健康を守る会」のメンバーら三十人と集会に参加しました。
 辰井さんは、「子どもも食べ盛りで苦しいし、元に戻してほしい。同じ思いをしている方がたくさんいると思います。どうしても勝ち取りたい」と話していました。

△生活保護の母子加算 父母のどちらか、または両方が欠けている状態にある場合などで、父または母、もしくは父母以外の人が児童を養育しなければならないときに加算される制度で一九四九年に創設。この場合の児童とは、十八歳になり三月三十一日を迎えるまでの子どものことです。昨年四月から、十五歳以上の子どもを持つ一人親などの世帯で、加算額を三年間かけて三分の一ずつ削減し、来年四月からは廃止されます。