皆さん、こんにちは。2月も中旬を過ぎて寒さに大分慣れてきた感じがします。少し暖かい日は、春が遠くないことを意識するようになりますね。
 
さて、今回の院長ブログは、右上犬歯が生えてこずに、骨内に留まっている方の矯正治療が終了したので、そのご報告です。
 
初診時年齢は16歳の男性、実は13歳の中学生の時にも一度来られたんですが、矯正の方針などをお話ししたら、本人が嫌がってそのままだったんですが、16歳になってやっぱりしたいと来られたという経緯です。

これがレントゲン写真です。左上の方にある青い矢印が眠っている歯を指しています。かなり高い位置で、根っこの先は副鼻腔内に突き出ていました。かかりつけの歯医者さんに、このままではまずいから矯正に行ってくださいと言われたわけです。
 
初診時の口の中です。眠っている犬歯の部分は大きく隙間が空いていますが、後方の歯は奇麗に咬んでいました。正面から見ると上顎の前歯は右へ傾き、いわゆるすきっ歯の状態です。これを本人は気にしているわけです。
左側は奇麗に咬んでいました。
咬み合わせの面です。概ね奇麗に並んでいました。
顔写真です。大きな問題は感じられませんでした。
 
治療方針ですが、眠っている歯を、外科的に穴を開けていき、ボタンを貼り付けて、徐々に引っ張り出す方針が正論だと思います。しかし、あまりにも深いので、相当大きく空けないと接着するためのスペース確保や、乾燥状態の維持が困難で、失敗のリスクが高い気がしました。また引っ張っても歯と骨が癒着していれば、失敗です。途中で接着剤がはがれる危険もありました。なんと言っても患者さんの痛みや不快感は程度も期間も相当なものだと予想されました。かかりつけ歯科医は、それでもトライしてほしいとの意見でしたが、患者さんおよび保護者の方も、眠っている歯はそのままにして、それ以外の歯の移動を希望されました。
 
最終的には、患者さんのご希望を優先いたしました。マルチブラケットを用いて1年11カ月で治療終了となりました。以下に治療前治療後を供覧します。
 
         治療前               治療後
治療後は隙間もなくなり、上下の正中線は一致しました。
犬歯のスペースには、歯があるように見えますが、実はプラスティックの歯を前後の歯に貼り付けただけです。治療中はずっと隙間がありましたが、装置撤去と同時に貼り付けたわけです。
咬み合わせも狂うことなく奇麗に仕上がりました。
 
         治療前               治療後
微妙にずれていたところも、奇麗に仕上がりました。
 
これは治療後のみです。内外側的な接触も適切に付与できました。
 
         治療前               治療後
骨格に変化は全くないので、笑顔での前歯の見え方は格段に良くなりました。
斜めや横顔は、歯の見え方以外は変化はありません。
 
         治療前               治療後
横顔のレントゲンです。特に変化はありませんでした。
 
治療前
治療後
パノラマ写真です。犬歯は全く動いていません。親知らずはこれから抜歯の予定です。
 
感想を書いていただきました。
 
治療終了おめでとうございます。中学生の頃は、先の事よりも今が全てですから、装置をつけたがらない子が多いです。でも高校生になると、将来のことを考え始めますので、これはやっておくべきと決心がつく人も出てきます。治療やっておいて良かったと思いますよ。ただ眠った犬歯を出してあげられなかったのは心残りです。あれはさすがに深く、リスクが高いと思います。あそこまで深い症例は私も経験が無く、自信もありませんでした。お許しくださいね。貼り付けたダミーの歯の部分では、硬いものは咬めません。成人になってから、かかりつけの先生の所で、ちゃんとした歯を入れてもらってください。お疲れ様でした。
 
それでは、今回の院長ブログはこれまでです。早く春が来てほしいですね。
 

徳島の歯列矯正治療専門医院 藤崎矯正歯科クリニック

当院のホームページ http://fujisaki-kyousei.com もご覧ください。

 
総費用:65万円
        治療中または治療後に、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正
        顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなどのリスクがあります。
    感想の内容は個々人によりそれぞれです。同様の効果を保証するものではありません。