知らないと損をするしりとり学【前編】


"しりとり"という劇場に
舞い降りた黒騎士こと、
綾切と申します。


みなさん、こんにちは!




今回も前回記事と関連した内容です。

まずはこちらからどうぞ

①【口先番長】

②【口先番長 尻取りの極み】





今回の記事テーマは"しりとり"について。



「しりとり」は経験者人口が
極めて多いゲームではありますが、
鬼神の如き強さで他を圧倒する
"しりとりプレイヤー"を私は知らない。


そ こ で 、


すぐにでも使える!

いや、

使 い た く な る ような

本場のしりとりテクニックを
レクチャーしていきたいと思います。


さぁ、そろそろ本気で学びませんか?


みんなで一緒にしりとり力を鍛えましょう。







いつまでも尻が取れると思うことなかれ!

尻取り(しりとり)とは…
なんて説明は日月自明かもしれませんが
あえて、書かせて頂きたい。

しりとりとは、古くから伝わる言葉の遊戯。
前の人の言った言葉の最後の音を
語頭に持つ言葉を順々に言い合うもの
ですね。

【例:しりとり→りんご→ごりら→らっぱ】


参加人数は問わず、
言葉を続けることが出来なくなったら負けです。

もっと解りやすく置き換えると、

日本語には「ん」で始まる単語が
ほぼ皆無であるため、
通常は「ん」で終わる単語
言ってしまうと負けになります。

【例:バス→すいか→かき→きりん】


至って簡単なルールではありますが、
その戦略性からしばしば相手を負かすには
どうしたらいいのかとよく議論されます。


有名な戦法でいくと「~攻め」でしょうか。


既にご存知の方も多いかもしれません。
中には、自然とテクニックを
身に付けてしまった強者もいるかもしれない。

「~攻め」とは、
特定の文字で終わる言葉を繰り返す行為の事で


例えば

A「シー!」

B「ーマニア」

A「アルコー!」

B「ビー」

A「ビー!」

B (こいつ、また「る」かよ…)


こんな感じでAさんが
全部「る」で終わる言葉ばかり
言っている状態を「る攻め」と言います。


しりとり界では、
この「る攻め」最もポピュラーかつ手軽なので
親しまれていているようですね。

他にも「ず攻め」「ぷ攻め」「り攻め」等があり、
ハメられるとひとたまりもありません。


なぜこれらが強いのかと言いますと、
攻め続けられることで
頭に(る攻めなら「る」で始まる言葉の)ストックが
どんどんなくなっていくので
一気に単語が出てこない状況になるためですね。




その様なこともあり、
「しりとり」は他の人があまり知らない
マニアックな単語を連発して悦にいるより、
みんな知っている単語を優先的に潰すほうが
合理的な戦術とされることが多いです。


「しりとり」は単語のストックを
温存するゲームである
と言っても
過言ではないでしょう。

自分だけが知ってる単語を言えば、
自分だけがストックを減らすことになりますが、
みんなが知っている単語を言えば、
全員のストックを減らすことが出来ます。

前者は1手損ですが、
後者はプラマイ0ですね。

序盤での無駄な消耗は
簡単な単語が尽きてきた終盤において
重たく効いてきます!

逃げ道が無くなってくるわけですね。






行き着く先に待ち受けるモノ……「ん」!

思えば、今までの道のりは長かった。

これまでどれだけ多くの戦士達が
この「ん」という恐ろしい
人外魔境の地に足を踏み入れ、
命を落としていったのだろうか。

言葉のボキャブラリーがなくなり、
苦し紛れに出た言葉…。



「そ、そんなつもりではなかった―――。」



「う、うぁぁぁああああ!!!」



言葉の最後に「ん」がついたら死ぬ、
そんなデスゲーム(死闘)を繰り広げては
散っていった勇敢な戦士たち。


そのため人々は

「ようかん」「みかん」「プリン」
「スパイダーマン」に「セールスマン」など、

最後に「ん」がつく単語(ワード)を
頭から消す作業に没頭した。


一体何のために、
これだけ多くの人間が
犠牲にならなくてはならないのでしょうか…?


いつしか、「尻取り」は
「死り取り」とすら呼ばれるようになり、
禁忌の論戦と言われるほどになりました。



そしてある時、革命が起きました!


チャドという国の首都、ンジャメナの参入です。


「ん」がついたら死ぬ…。
その理由は「ん」から始まる言葉が
ないからだとされていたのに――。


実 は 存 在 し て い た の で す !


さらには「ンジャメナ」の他にも、
新しい「ん」勢力が次々と現れ、
しりとり界を蹂躙しました。



平家物語の最初の一節に、


「祇園精舎の鐘の声

諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色

盛者必衰の理を顕わす」


とありますが、
ホントよく言ったものだなぁ…。




ちなみに、「ん」から始まる言葉ですが、


ンガウンデレ(カメルーン中部にある主要都市)


ンゴロンゴロ保全地域(タンザニア連合共和国にある地名。また、世界遺産指定の地域)


ンドゥパ(風来のシレンに登場するキャラ)


ンドゥルー(風来のシレンに登場するキャラ)


ンドレ(カメルーンの料理)


ン・パカ・マーチ(アニメ「夢のクレヨン王国」の主題歌。歌は徳光由香さん)


ンバマ(風来のシレンに登場するキャラ)


ンバルーン(風来のシレンに登場するキャラ)


ンビラ(アフリカの楽器)


んんんんん(絵本。五味太郎作)



これらの「ん」から始まる単語は
かなり認知度が低いと予想されます。

これらを用いることによって
言葉の連鎖を断ち切り、
相手を詰む卑怯すぎる戦法ですね。


まさに、この世の終わりだ…。



恐ろしい、本当に恐ろしい……!



し か し 、


――― その時だった!


人類同士の醜い争いに終止符を打つべく
"しりとりの神なる存在"
ついに目を覚ましたのです。



【次回記事へ続く】