戦略核兵器削減条約(START)の成立で、米国と旧ソ連の核兵器は廃棄、解体されることになり、
アメリカの原発の半分程度は、安価なロシアの核兵器を解体して作られた濃縮ウランで稼動。

 「割高」なアメリカ製濃縮ウランは日本が引き受け、その消費のため?地震大国・日本に54基もの原発が??

 一方、アメリカの核兵器解体による余剰プルトニウム処理用に計画された原発用MOX燃料工場の建設は、コスト高、財政難で断念。

 核兵器から生じるプルトニウムの処分用の原子炉設計では、プルトニウムを燃焼できること、発電できること、および必要に応じてトリチウムを生産できることを要求条件として考慮。

 トリチウム(重水素)といえば、福島原発では厄介者だが、ナチスの原爆開発には欠かせない要、
そのためナチスはノルウェーにある世界最大の重水製造工場を占領。その後亡命した科学者の手で
ヒロシマ・ナガサキに悲劇をもたらしたマンハッタン計画が・・

 一方日本では、溜まり続けるプルトニウムの消費のため?世界初フルMOXの大間原発を建設中。

 しかし、この大間原発にはもう一つ秘密が・・
日本の商用原発は、東海原発以外は、核兵器用プルトニウム生産には向かない軽水炉だが、
ATR型の大間原発は、インドの核実験使用の実績があるCANDU炉と同様の重水炉、良質な
原爆用プルトニウムが生産可能。

 話が複雑で一読では理解し難いでしょうが、要は、原発と原爆は表裏一体、切り離せない関係、共にダーティな存在ということ。

 思いがけず掘り下げ過ぎ、エネルギーが尽きたので、今日はここまで、この記事一本で終了です。

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大間原発 建設再開は、プルトニウムを減らすため?発電が目的ではない??

 YOMIURI ONLINEより
米、原発用MOX燃料工場の建設中止…財政難で
【オバマ米大統領は4日、解体した核兵器から取り出したプルトニウムで原子力発電所用の混合酸化物(MOX※)燃料を製造する工場の建設を、財政難を理由に中止すると発表した。

2015会計年度(14年10~15年9月)の予算教書で明らかにした。

 米エネルギー省は07年から、南部サウスカロライナ州サバンナリバーに、毎年70トンの製造能力を持つ米国唯一のMOX燃料工場の建設を開始、19年秋の完成を目指していた。

 しかし、02年に10億ドル(約1000億円)と見積もられていた建設費は78億ドル(約7800億円)まで高騰、完成後の運営費も年間5億ドル(約500億円)とみられることから、財政難に悩むオバマ政権が計画の見直しを検討していた。

 工場の建設中止は、解体核兵器のプルトニウムを原発で使うプルサーマルからの、事実上の
撤退を意味する。米国は今後、安全かつ安価な新しいプルトニウム処分法の開発を目指す。

 米国は日本と違い、原発の使用済み核燃料を再処理しておらず、プルトニウムを取り出していない。日本は先月25日に発表したエネルギー基本計画の政府案に、使用済み核燃料の再処理とプルサーマルの推進を盛り込んでいる。】

 日本原燃・資料
MOX燃料工場に関する説明会の実施結果について
【ATRにつきましては、先ほど、出口部長から若干お話しがありましたけれども、
重水を使っているので中性子を余分に吸収しないで原子炉を運転できる。ようするに中性子を経済的に使えるという特色を持っておりまして、

 このATRの原子炉では天然ウラン、回収ウラン、劣化ウラン等、我々がいま動かしております
軽水炉は、核分裂しやすいウラン235を数%に濃縮したものでないと原子炉を運転できないですけれども、このATRは中性子の経済性が良いというので天然ウランでも燃やせます。

 MOX燃料も使えることで700体以上のMOX燃料を使用した実績がある原子炉であります。

 これは正に我が国の独自の技術で開発した原子炉で、カナダのキャンドゥ炉ですとか、似たようなアイデアのものがありますが、

 このATRについては我が国が独自に開発してきたものであり、独自に開発してきた原子炉においてプルトニウムを燃やすことは、世界に対して我が国のプルトニウム政策を具体的に説明する、理解いただく絶好の原子炉であったと考えております。 】一部抜粋