深刻な海洋流出問題に、当事者意識ゼロ、無能・無責任な東電に痺れを切らし、規制委は異例の陣頭指揮。
安倍総理も事の重大性をようやく認識、汚染水対策の予算化を検討。

 2年半前の原発事故以来、汚染水の海洋流出は続いていた!? しかし東電は、流出の事実を隠蔽?する一方、遮水壁建設のコストを惜しみ効果的対策をなんら採らなかった。

 政府も、保安院も、東電任せの姿勢を変えず、回復不能の?深刻な事態を招き、ようやく思い腰を上げた。

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 河北新報より
福島第1原発の汚染水流出 規制委、異例の陣頭指揮
【 福島第1原発の汚染水の海洋流出問題で、原子力規制委員会が異例の陣頭指揮を執っている。汚染水対策など廃炉作業の監督は本来、経済産業省の役割だが、海洋流出に対する動きは鈍い。規制委の突出ぶりは、事態の深刻さへの焦りと対応が後手に回る東京電力へのいら立ちの裏返しと言えそうだ。(東京支社・若林雅人)

 「規制機関が踏み出すべき領域かどうか疑問もあるが、リスクが高まっている」
 規制委が2日に開いた汚染水対策作業部会の初会合。座長役の更田豊志委員は開催理由をこう説明し、早速東電から聴取を始めた。東電が「調査する」「検討する」と答えた事項について「次回、耳をそろえて持ってきてほしい」と強い口調で要求した。

 春先に地下貯水槽での汚染水漏れが発覚し、汚染水の貯蔵が問題となって以降、政府は廃炉対策推進会議の下に汚染水処理対策委員会を設置。経産省資源エネルギー庁が事務局となり、5月末に地下水流入の抑制策を柱とした報告書をまとめた。

 報告書に対し、規制委は「高濃度汚染水が滞留する海側トレンチ(作業用トンネル)からの漏えいリスクが高い」との見解を表明。海水や地下水から高濃度の放射性物質が検出され始めた6月下旬にはトレンチから海に流出した可能性を指摘したが、東電は7月下旬まで流出を否定し続けた。

 規制委の再三の警告にもかかわらず、エネ庁や対策委に目立った動きはなかった。エネ庁事故収束対応室は「汚染水対策のマネジメントはエネ庁だが、放射性物質の外部流出など安全管理は規制委が担う」と役割分担を理由に挙げた上で、「対策委が今後どう関わっていくべきか検討している」と説明する。

 規制委の会合では「緊急対策が必要な際に国の関与が明確でない」と、エネ庁を念頭に置いた苦言も出た。規制委事務局の原子力規制庁事故対策室は「規制委で対策を検討しても東電に実行させるのはエネ庁。責任の大きさは分かっているはずだ」と自覚を促す。

 福島県の内堀雅雄副知事は6日、規制庁と経産省を訪ね、国が前面に立った対処と監視を要望した。赤羽一嘉経産副大臣との会談後、内堀副知事は「経産省は廃炉対策の所管省庁。東電と一体でしっかり対応してほしい」とくぎを刺した。】

 時事ドットコムより
安倍首相、汚染水対策を指示=関連予算計上へ-福島原発
【安倍晋三首相は7日、首相官邸で開かれた原子力災害対策本部の席上で、東京電力福島第1原発の汚染水問題について「東電に任せるのではなく、国としてしっかり対策を講じていく」と述べ、茂木敏充経済産業相らに具体策の検討を指示した。
 これを踏まえ、経産省は2014年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む方向で作業に着手する。】