風圧の影響を想定せず設計、穴の深さや位置ずれ、不完全な接着剤充填・・

 そもそも永久にもつ接着剤など存在しないだろうし、笹子トンネル建設当時ケミカルアンカーは
建築基準法で「建築物の基礎や主要構造部に原則的には使用できない」?と規定されていたそうだ。

 危険性を無視して、あえて断層の上に原発を建てた原子力ムラもそうだが、
いつかは必ず抜け落ちるようなアンカーボルトで支えたコンクリート板の下で、車を走行させて平気でいられる、関係者の無神経さが信じられない。

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 Yahoo!ニュースより
<笹子トンネル崩落>複数の要因が重なり事故
【9人が死亡した山梨県の中央自動車道笹子トンネル崩落事故で、国土交通省の事故調査・検討委員会は28日、報告書の骨子をまとめた。天井板を固定するアンカーボルトに、換気などで生じる風圧が想定の2倍以上かかっていたことや、アンカーボルト自体の埋め込み不足など、複数の要因が重なり事故を招いたと結論付けた。【安高晋】

 笹子トンネルは換気のため、天井板を取り付け上部に空間を作っている。天井板を支えるつり金具を、アンカーボルトでトンネル最上部に固定していた。

 骨子によると、換気や大型車両が起こす風圧の影響は、設計では無視されていた。だがアンカーボルトにかかっていた力は、設計時の最大2.5倍に達していたとみられる。車が通る際に繰り返しかかった風圧は、35年間で700万回に及ぶと推計した。

 設計に加え、施工にも要因があった。アンカーボルトはトンネル最上部のコンクリートに開けた穴に、接着剤で固定される。だが、事故後の引き抜き検査で強度が弱かったボルトを調べると、穴の深さがボルトより平均で約3センチ長かった。そのため接着剤が行き渡らないまま先端に残ってしまい、施工当初から強度不足のボルトがあったと推測した。

 トンネル最上部のボルトについて、近距離からの目視や打音による点検を12年間にわたって実施していなかった中日本高速道路については「点検や管理が不十分だった」と厳しく批判した。】

【■報告書骨子

 ・設計において無視されていた隔壁への風圧がボルトに無視できない負荷を与えた

 ・ボルトの接着剤の劣化など長期耐久性についての十分な知識がなかった

 ・ボルトを埋め込む穴の深さに対し、埋め込み部分が短く、接着不足だった可能性がある

 ・ボルトに近接しての目視や打音検査が未実施だったなど、中日本高速道路の維持管理が不十分だった

【用語解説】笹子トンネル天井板崩落事故

 昨年12月2日午前8時ごろ、山梨県の中央自動車道上り線の笹子トンネルで天井板が崩落、車3台が下敷きになり男女9人が死亡、女性2人が重軽傷を負った。県警は業務上過失致死傷容疑で捜査。5人の遺族が中日本高速道路に損害賠償を求めて提訴した。国土交通省の事故調査・検討委員会が実施した未崩落部分の調査で、天井板のつり金具を支えるボルトの約6割で耐久力不足が判明した。】