東電の言い分は、淡水化して分離したセシウム以外の63種類の放射性物質を含む濃縮塩水が、
貯蔵タンクから一般環境中に漏れ出ては一大事、だから新浄化装置「アルプス」で62種類の放射性物質を
除去した上で、取りきれない放射性トリチウムを希釈して海へ投棄しよう?という、とんでもない屁理屈。

 放射性トリチウム入りの汚染水を海に捨てて、環境に配慮?とは恐れ入る。

 何処の原発でも普段から、放射性トリチウムを国の基準値以下に薄めて海洋放出しているのだから・・
図らずも、原子力ムラの海への不法投棄?が常態化していたことがバレテしまったが、例え希釈しても
投棄する放射性トリチウムの総量はまったく減らない。

 薄めれば合法?との国の指導は、根本的に間違っているのではないのか?

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 毎日JPより
<福島第1原発>東電 処理後汚染水を海に放出計画
【東京電力は、福島第1原発で発生した大量の汚染水について、処理後に海洋放出することを検討し始めた。

1日に東京都内で開かれた原子力規制委員会の検討会。たまり続ける汚染水への対応について、東電の担当者が「新浄化装置で処理する。海洋放出をする場合、関係者の理解を得たい」と説明した。これに対し、5日の衆院本会議で、安倍晋三首相は「安易な海洋放出は行わない」とくぎを刺した。

東電は現在、セシウム吸着装置を使い、汚染水から放射性セシウムなどを除去。その後、淡水と濃縮塩水に分離し、淡水は溶融燃料の冷却に再利用し、濃縮塩水をタンクで貯蔵している。

貯蔵タンクの濃縮塩水や冷却に使う淡水には、セシウム以外のストロンチウムなど多数の放射性物質が残る。原子力規制庁幹部は「貯蔵タンクから、一般環境中に漏れ出す危険性が常に潜んでいる」と懸念。

そこで、「海洋放出は考えなければならない選択肢」(東電の小森明生常務)となった。放出をにらみ、東電は新浄化装置「アルプス」を導入。規制委の検討会は2月21日、「アルプス導入で汚染水問題の危険性を低減できる」との見解を示し・・

しかし、これまでに検出された放射性物質63種類のうち、設計上は62種類を除去する能力を持つが、放射性トリチウムは技術的に分離できない。汚染水などのトリチウムの濃度は、1立方センチあたり約1300ベクレル。国の排出基準値の同60ベクレルを超えていて、規制委はアルプスでの処理後も濃縮塩水を敷地内に貯蔵するよう求めた。

「(放射性トリチウムを)薄めるといっても100%除去されない。そんなものを放出したら、また福島の海は消費者から疑いの目で見られる」

放射性トリチウムをめぐっては、各地の原発から出る排水にも微量含まれている。各事業者は地元自治体と安全協定を結び、国の基準値以下に薄めて海洋放出している。】一部抜粋