NEDOの産業技術研究助成事業で名古屋大学が開発した省エネの画期的新技術が、
パナソニックエコシステムズとの共同事業で日の目を見ようとしている。

 とかく無駄や問題の多い助成事業だが、こういった意義ある研究には今後も重点的に配分していただきたい。

 二番では駄目ですか?と言って、このような有意義な事業の予算は削らないでいただきたい。

 日刊工業新聞より
パナソニックエコシステムズ、電力使わず冷媒循環できるループヒートパイプの新技術
【パナソニックエコシステムズ(愛知県春日井市、吉村元社長、0568・81・1511)は、電力を使わずに冷媒を効率よく循環できるループヒートパイプの新技術を開発した。
 液体が気化する時の体積膨張を利用した冷媒の循環技術で、現在主流のヒートパイプに比べ単位面積当たりの冷却量を2・3倍に高めた。中央演算処理装置(CPU)やパワー半導体の冷却システムの性能向上が期待できる。2015年の実用化を目指す。
 
 ループヒートパイプは給液管の内部に格子状の多孔質体(ウイック)を貼り付け、繊維と繊維のすき間を液体が浸透する毛細管現象で冷媒を循環させるのが一般的。ただ、発熱体の単位面積当たりの発熱量が増えると冷却性能の上限に達する場合があった。
 同社の実験によると、従来システムは単位面積当たりの冷却量の限界が1平方センチメートル当たり170ワットだった。】

パナソニックエコシステムズHP
高発熱密度対応JEST型ループヒートパイプ冷却システムを開発
【自然循環型のため、省エネに貢献
パナソニック エコシステムズ株式会社は、冷媒の急激な体積膨張により生じる高速ジェット流[1]を利用して冷却性能を大幅に高める独自技術(Jet Explosion Stream Technology:以下JEST[2])を搭載したループヒートパイプ冷却システム(以下、JEST型LHP方式)を開発しました。本冷却システムは、ヒートパイプ [3]を搭載した既存の冷却システム(以下、ヒートパイプ方式)の2.3倍に相当する発熱密度[4]390W/cm²(当社実験結果[5])に対応する冷却性能を実現しています。本冷却システムは、電力変換装置に用いられるパワー半導体やスーパーコンピュータの演算処理装置など、発熱密度の増加が予測される分野の冷却システムへの展開が可能です。】
$げんぱつニュース-1


NEDO・新エネルギー・産業技術総合開発機構HP
次世代熱エネルギー輸送デバイス「ループヒートパイプ」を開発
【―電力を一切用いることなく大量の熱輸送を実現―
2009年12月17日
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
国立大学法人 名古屋大学
 NEDOの産業技術研究助成事業の一環として、名古屋大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻の長野方星講師は、電力を用いることなく半永久的に大量の熱輸送を可能にするループヒートパイプ(LHP)(注1)技術を開発しました。この技術の確立により、広範な熱要求に対するループヒートパイプの設計および試作が可能となりました。省エネルギー冷却や熱エネルギー有効利用が要求される分野への活用が期待される技術です。】