厄介者の核のゴミ・使用済み核燃料の処理費用は、当然の如く原発ゼロが一番安上がり。
そんなことは試算するまでもなく、当たり前のこと。

 この試算では、二〇二〇年に原発ゼロでの処理費用が7.1兆円としているが、
今年の5月5日に原発ゼロになり、以降再稼動を認めなければ、8年分の使用済み核燃料の処理費用も
必要なくなり、計算上4.2兆円で済むのではないだろうか。

 原発の負の遺産の後始末はこれだけでは済まない。
莫大な廃炉費用、更に、処理後の使用済み核燃料の10万年に及ぶ保管費用は天文学的金額に達する。

 そして、その目の眩むような巨額の費用は、原発から何の恩恵も受けない後世の人に押し付ける事になる。後世に付けは残さない?と言いながら、現代人は何と身勝手なのだろうか?

 何処をどう計算しても、結局は原発が一番高つく発電方法だったと、そろそろ政府も認めたら如何だろうか。  (本当は、最初から百も承知だったはずだが)

 10万年先まで危険が続く...核廃棄物の現実


 東京新聞より
【 原子力政策のあり方を議論している原子力委員会の小委員会は十九日、どのくらい原発を稼働させ、使用済み核燃料をどう処分するとコストはどう変わるのか試算を公表した。

 二〇二〇年に原発をなくせば、三〇年までにかかる費用は約七・一兆円にとどまり、原発を動かし続けた場合より、核燃料サイクルに関連する総費用は安いとの結果になった。原発ゼロを含めたコスト試算は初めて。

 小委では、(1)使用済み燃料を全て再処理(2)再処理はせず全て直接処分(3)両者を併用-の三つのシナリオを検討。それぞれに、総発電量に占める原発の割合を35%、20%、0%と仮定した場合の費用を算出した。

 その結果、シナリオと原発の割合の全ての組み合わせのうち、最もコストが少なかったのは、二〇年に原発をゼロにし、核燃料サイクルをやめる道。三〇年までに七・一兆円がかかり、巨額の資金を投じてきた再処理施設などをあきらめることを意味する。

 直接処分の場合、再処理施設の廃止費用約五兆円が上乗せされているため割高感はあるが、それでも原発ゼロとすれば、処分する使用済み核燃料も少ないため、安く済むとの結果だった。逆に、原発への依存度を高めるほど費用もかさみ、直接処分と組み合わせると最も高コストとなった。

 核燃料サイクルをめぐっては、これまで約十兆円をつぎ込んでも再利用の輪が完成するめどは立っていない。そこに、試算とはいえコスト面の問題も浮かび上がってきた。今後のエネルギー論議に影響が出そうだ。

◆ありえぬ想定「原発35%」
 一見、脱原発、脱核燃料サイクル事業の道を指し示したかのような原子力委員会小委員会のコスト試算。しかし、総発電量に占める原発の割合を35%と近年の実績値よりずっと高い設定の試算も出されたことで、委員らからは「原発維持のためにわざと高めの数字を出しているのか」といぶかる声も上がっている。

 政府は原発の運転を認める期間(寿命)を四十年とする方針を決めている。日本には五十基(東京電力福島第一1~4号機を除く)の原発があるが、運転開始から三十年以上たったものが多く、試算した二〇三〇年には十八基に減るはず。

 福島事故前でも、原発の割合は26%だったから、仮に全ての原発の再稼働が認められたとしても、10%を維持できるかどうかがいいところだ。

 それなのに、脱原発を示す0%のほかは、20%や35%の設定がなされた。こうした数字になるためには、電力需要が激減するか、原発がどんどん新増設されるかしかない。新増設が極めて困難なのは明らかだ。このため、小委員会ばかりか、同委新大綱策定会議でも批判が続出している。

 NGO気候ネットワーク代表の浅岡美恵委員は「新増設はリアリティーがない。35%で費用計算することは賛成できない」と批判。慶応大教授の金子勝委員は「0、20、35の数字の設定が恣意(しい)的。20が真ん中に見えるようにしている」と指摘した。

 一方、近藤駿介原子力委員長は、現行の国のエネルギー基本計画の三〇年時点の原発の割合は45%とされていることを挙げ、「35%も減原発の範疇(はんちゅう)」と説明している。ただでさえ「原発推進側」とされる原子力委。現実の施策を反映した議論を展開しないと、試算も信用されなくなりそうだ。】

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