今回の、セシウム汚染薪は、岐阜の業者が福島産の薪を、岐阜県産と偽って沖縄に出荷したもの。
それを、放射能汚染に敏感なピザ屋さんが、念のために自主検査したところ偶々発覚した。

 このピザ屋さんが自主検査しなければ、恐らく永遠に発覚することなく、多くの沖縄の人が知らないうちに被ばくさせられていたことでしょう。

 政府や行政の、放射能への無策が続く限り、こんな事例は、何処でも何度でも起こり、運良く?発覚するのは、ほんの一握り。結果的に多くの潜在被ばく者を生むことになるでしょう。

 沖縄タイムスより
まき・灰からセシウム 飲食3店で指標値超え
【県は7日、福島県産のまきを本島内の4飲食店がすでに使用し、うち1店舗では未使用のまきからは最大で、国の指標値40ベクレル(1キログラム当たり)の約11倍に当たる468ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。

 別の店では、使用後の灰からも最大で指標値8000ベクレルの約5倍に当たる3万9960ベクレルを検出。県は「消費者、従業員とも健康に影響が出る量ではない」としている。

 一方、まきを県内に出荷した岐阜県の流通業者代表は「高圧洗浄し、本巣市の検査も通っているので、大丈夫だと思った」と話し、問題を指摘されたまきは早急に回収するという。

 福島県産まきを取り扱っていた飲食店は窯焼きピザを提供するレストラン3店舗と沖縄そば店。レストラン2店舗のまきと使用後の灰から指標値を超えるセシウムが検出された。

 一方、沖縄そば店は、セシウムが検出されたレストランから、使用後の灰を譲り受け、麺を製造。一部はすでに客へ提供していた。県の検査では、客へ提供する前の麺から258ベクレル(指標値500ベクレル)、灰1260~8060ベクレルが検出された。灰を調べた3検体のうち、一つで指標値を超えた。

 残りのレストラン1店舗と配送業者は測定中で、2~3日後に検査結果を公表する。

 県は、まきを使用して調理した場合、放射性セシウムが食品に付着する量は2%以下との国の指針を示し、「(まきから検出された)最大値の468ベクレルでも、食品には9ベクレル程度しか付着せず、この食品を摂取しても健康被害は出ない」と強調。

 調理する従業員についても常にまきの側にいるわけでなく、放射線を浴びる時間が短いことなどから影響はないとしている。

 福島県産のまきは、岐阜県の流通業者が昨年11月に15・7トンを県内に出荷。8・4トンをレストランに販売した。残り7・3トンは那覇港近くのコンテナに保管している。レストランで保管している未使用のまきは0・7トンで、県内の配送業者が回収し、コンテナで保管している分と合わせて、8日に大阪経由で福島に送り返す。】

セシウム指標の48倍 福島産まき
【国の指標値を超える放射性セシウムが検出された福島産のまきが県内で流通していた問題で、県は10日、検査が未実施だった2店舗と配送業者のまきから最大で、1キロ当たり1900ベクレルと指標値の48倍に当たるセシウムが検出されたと発表した。灰に含まれるセシウムは、指標値の1・3倍の1万1080ベクレルだった。

 7日発表のまきは指標値の11倍の468ベクレルで、今回はこの数値を上回った。高い数値の理由は把握できていないが、県は「健康に影響が出る量ではないと考えている」としている。】

PIZZA,PIZZA,PIZZA and ・・・・・OKINAWA!さんのHP
【上記の報道における薪につきましては私たちの店舗で使用していた薪も該当致します。
そもそも今回セシウムにより汚染された薪が見つかった経緯のきっかけは私たちの自主検査によるものでした。
それに関しての経緯と動機は下記の通りです。

《経緯》
①2/1(水)
琉球大学機器分析センターへ自主的に薪を持込み検査を依頼。

②2/2(木)
午後、検査の速報を受ける。
機器分析センターより県への報告。
夜間、県より翌日協議の連絡を受ける。

③2/3(金)
9:00県庁にて県との協議。事実関係を確認。
11:00県庁職員立会いのもと店舗にて現場確認、試料採取。
当日より県内北部大宜味産の薪に切換え営業を行う。

④2/4(土)、2/5(日)
検査結果待ち。連絡なし。

⑤2/6(月)
9:00県より連絡。県庁にて事情報告を受ける。
(取引先であった岐阜県の薪業者の県への回答として、高値で買取る関東地方へは岐阜県産を、運賃が割高な沖縄へは福島県産を納品していたという説明をうける)
21:00頃、2/3(金)店舗で採取した試料の検査速報値の連絡を受ける。
(・薪は2点採取のうち ⑴119ベクレル/kg⑵468ベクレル/kg※林野庁による調理用薪による食品への影響は2%以下との見解
http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/shintan4.html Q1参照
・灰は2130/kgベクレル ※林野庁による廃棄物の指定基準は8000ベクレル/kg以下と設けられている
http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/shintan4.html Q2参照)

⑥2/7(火)
県による各報道機関へ内容報告記者会見。

⑦2/8(水)
本日の新聞報道に至る。

《動機》
日頃より私たちは食を提供する立場として当然のことながら食材の取り扱いを十分に配慮してまいりました。
昨年3月11日の東日本大震災による福島第一原発の事故を受け、食材への放射能汚染が広がりスタッフ間でより一層の高い意識と情報の共有を図って参りました。

食材に関しては、取引先には産地指定を徹底し、納品できないものに関しては産地を選別して直接買い付けておりました。

調理する薪に関しても、安全な地域とされる岐阜県産の薪という認識のもと使用してきましたが、提供する側としてお客様へ、そして使う身としても更なる安心・安全を可視化するのは良い事だと思い、またその時点では岐阜県産(だと思っていた)薪を調べる行為自体、早い段階での予防措置をしていた認識でした。

もし仮に数値の範囲内であっても、基準値との差が近いものであれば段階的に九州の業者に変えていこうという話もしていました
そこで県庁に検査を問い合わせたところ、県自体では検査機関がなく、琉球大学の機器分析センターを紹介され私費での自主的な検査依頼をするに至りました。

《事実関係として》
現在の店舗の状況と致しましては通運業者の薪の回収も終わり、調理用の薪は県内大宜味産の薪を使用しており、県に確認済みで営業を行っております。(現在九州の薪業者にも問い合わせております。もちろんサンプルは使用前に検査致します)

また、冒頭新聞記事に掲載されておりますそば屋に関しましては、木灰として灰が欲しいとの要望を受け震災前よりお分けしておりましたが現在は利用停止した状態であり、別の県産木材による灰を使用しているとの事です。

以後、今回の件を通して私的な意見です。

いろいろな立場からの見解はあると思いますが、私は自分の信じている、自分が生きていく上で大切にしている事の筋を最初から最後まで一貫して通しているつもりです。

身体にも心にも栄養を与えること。それが外食を提供する自分の役目だと考えています。
そして、外食という行為はお客様とお店との誠意ある信頼関係でもって成り立っています。
その信頼関係を更に築くための証明への追求がこのような予期せぬ形となって明らかになりました。

今後どのような形でお店に影響していくのか分かりませんが、無関心という名のもとに発覚さえされず流通し続けこれ以上拡大しなかった事を私は良かったと考えています。
本当は当たり前であるはずの食の安全がおびやかされている今、自分のとった行動に何の後悔もありません。

またこういう事例は曖昧で矛盾した流通のほんの一片でしょう。
では法的な矛盾はないのでしょうか。
私は基準値を設定している林野庁の参照Q7(http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/shintan4.html)についても、このような流通の事態を招く一助となっているのではないかと考えます。
業者への法的な罰則もなく、曖昧な基準の抜け穴から今回のような被害は今後も増加していくように思えてなりません。

そういった、法で、ある意味守られた矛盾の上ではどんな倫理も無力なのではないかと思いさえもします。
ただそういう力に飲み込まれる事なく、今までと変わらない同様のスタンスで食の安全のみならず、食の美味しさ、食の楽しさを提供し続けていきたいと思っております。 】

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