Yomiuri・Onlineより
 『原発再稼働「首相言動がリスク」佐賀知事発言メモに
【九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働を巡る「やらせメール」問題で、大坪潔晴・前佐賀支店長(現・佐賀支社長)がまとめた古川康・佐賀県知事の発言メモの概要が6日、判明した。

 再稼働に向けた具体的な段取りを示した上で、懸念材料として「国サイドのリスクは菅首相の言動」と指摘している。九電の第三者委員会が、知事発言が事実かどうか確認を進めるが、メモは事実と一致する内容を含め克明に記されており、古川知事が再稼働のために賛成投稿を要請していた可能性が出てきた。

 関係者によると、メモはA4判2枚に面談の日時や出席者が明記され、「以下、古川知事発言のみ記載」として箇条書きでまとめている。

 「再稼働に向けた動きを一つ一つ丁寧にやっていくことが肝要」とした上で、国際原子力機関(IAEA)から国の緊急安全対策を評価する談話を出してもらうよう工作すべしと国に進言したことが記載されている。

 九電に対し〈1〉佐賀県議会の自民党系県議に働きかける〈2〉再稼働容認の立場からネットを通じ意見や質問を出す――ことを要請。菅首相について「6月末か7月にかけて菅首相のままかどうかわからないが、首相の言動で考えているスケジュールが遅れることを心配している」とも書かれている。】

 『佐賀知事発言の九電メモ克明、未公表事実も多数
【九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働を巡る「やらせメール」問題で、佐賀県の古川康知事と面談した九電幹部が作成した知事発言メモの概要が6日、わかった。

 この中には、6月21日の面談当時は未公表で、しかも関係者しか知り得ない事実が多く含まれ、その信ぴょう性が高まっている。知事の“本音”ともとれるメモは、どこまで真実なのか――。渦中の知事は6日、報道陣の問いかけにほとんど応じず、9日の県議会で説明するとしている。

 6月26日に行われた国主催の説明番組に参加した県民代表は、当日まで非公表だった。だが、メモには、人選経過が赤裸々につづられている。

 <1人は商工会議所の専務理事を予定している>との言葉通り、名指しされた専務理事は、5日後の番組に参加した。

 <反対派も1人入れようかと考えたが、選抜が難しいとのこと。残りは普通の参加者を選ぶことになるだろう>と、まるで県が主催者として人選しているかのような発言も。結局、反対派は参加要請を断り、参加者は女子大学生や主婦、農業男性らとなった。

 <長崎大の放射線医学の専門家に同席してもらう>との内容も実現した。

 参加要請を受けたという反原発市民団体の杉野ちせ子さん(59)は「県民が信じた知事が、裏では九電と一緒になって再稼働に向けて突っ走っていたとしたら完全な裏切り行為。全てが信用できなくなる」と強い不信感を示した。】

 『佐賀知事支持の元県議「潔く身を引くべきだ」
【古川知事の発言メモの概要が明らかになった6日、知事の支持者や県議は様々な反応を見せた。

 旧自治省官僚だった古川氏が初当選した2003年の知事選から支えてきた元県議は「発言が事実であれば、知事は九電の作戦本部長のような役割を果たしており、もはや知事ではない。潔く身を引くべきだ」と話した。
 公明党県本部代表の伊藤豊県議は「知事は九電にメモを公表させた上で、自らの言葉で説明すべきだ」と語った。自民党県連幹事長の伊東猛彦県議は「世間に出ているのは九電側のメモ。自分の言葉で県民に真相を語ってほしい」と、9日の県議会で知事に説明を求める考えを示した。】

 「首相言動がリスク」とは、原発再稼働を阻む唯一最大の障害、管総理さえ抑え込めれば?と云うことか。

 長年の古川知事支持の元県議にさえ、「知事は九電の作戦本部長のよう・・」と言われるようでは、お話にならない。
古川メモは、国主催の説明番組の7名の出演者の人選にさえ関わっていたことを匂わせている。

 これは、八百長とか、やらせとかの域を遥かに超えた、悪質な世論偽装工作だ。
こんなことが、国、電力業界、地元自治体の長によって繰り返し行われ、それをマスコミが後押しした結果、幻の原発安全神話が完成し、福島原発の大事故に繋がった。

 幻の原発安全神話、福島第一原発の大事故の反省はまったくなく、保安院の何の根拠もない安全宣言を楯に、八百長とか、やらせとか、手段を選ばぬ汚いやり口で、強引に原発を再稼動させようとする姿勢を見るに付け、原子力村の住人の悪魔性を再認識させられる。