BLOGOS原発はいらない「20の理由」(その1)より
【(1)原発は地域社会を崩壊させる

 原発がなぜ過疎地にばかり建てられるのか。まず、反対する人たちの数が少ないからだ。電力会社は、仕事がなくて経済的に疲弊した地域を集中的に狙う。若者は仕事を求めて都会へ出て行く。残されるのは、高齢者のみ。当然、税収も減り、村(町)の財政は窮迫していく。

 電力会社はそこを狙う。膨大なカネを地域に落とす。

 むろん原発の危険性に気づく人たちは必ず存在する。いかに寂れた故郷でも、その自然の美しさを愛する人たちは、原発反対に立ち上がる。電力会社は、その人たちを一人ひとり“狙い撃ち”。

 地域のボスは、たいてい建築土木業者かそれに関連する人物だ。地方議会の議員たちの多くは、それらの業者とそこにつながる人たち。原発建設の大きな仕事の誘惑にはかなわない。札ビラが舞う。

 巨額のカネをバックにした賛成派は圧倒的な優位に立つ。反対し続ける人たちは消耗し、ついには地域の人たちから孤立する。反対派と賛成派は、たとえ親戚であろうと、道で出会っても顔を背けるようになる。地域社会は崩壊する。それが原発立地地域の、ありふれた光景。

 僕は取材で数ヵ所の原発地帯を歩いた。どこの風景も、似ていた。】

 なぜ、お金の力で強引に原発を押し付けてきたのか?
誰のために、何のために、ウソをついてまで、莫大な税金を使ってまで、危険な原発を造らなければならなかったのか?
 私には、合理的な理由が見出せない。
何か後ろ暗い理由があったとしか思えない。