『原発深層流001 信用できる人、できない人
【原発の近くの海から基準値の3355倍の放射性ヨウ素が検出されたとき、保安院は記者会見で「健康に影響がない」と言いました。
 このような「真っ赤なウソ」が白昼堂々とテレビで放映され、ニュースで流れるという現状を「信用しろ」と言っても無理です.
 規制値や基準値と言われるものは若干の安全性を含んでいます.
それは、社会には赤ちゃんや妊婦、それも病気で治療や検査のために放射線をあびたばかりという方もおられます.だから、「やや安全サイド」で数値が決まっていますが、極端に安全側ではありません。

 たとえば、一般の人の被曝線量の限界は1年間に1ミリシーベルトになっていますが、その3355倍というと、3シーベルトを越え、50%の人が即死(急性疾患で死亡)するような放射線量になります。
 基準値の10倍ぐらいまでなら、短期間に被曝しても回復することができますが、さすが3355倍ではどうにもなりません。会見で「健康に影響ない」と発言した人は、まず自分の大切な人を海水浴に誘ってください。

 私は普通はこのようなことを言いません。規制値の3355倍の海で大切な人と一緒に楽しめるでしょうか? でも、今回ばかりはどうしても言いたいのです.
怒りがこみ上げてきます.
 
 保安院の審議官は、日本国民を人間と思っていないのです。ただ、自らの保身のために「自分の言ったこと(3355倍は安全だ)を信じて、赤ちゃんを海水浴させて死んでも良いです」と言っているのです.
 保安院が解散されないのが実に不思議ですし、あのときの会見は「表現の自由」に基づくものではなく、「国家権力を使った騙し」ですから、検察は直ちに逮捕しなければならないでしょう。

(政府の小さなウソの一例・・政府の発表を信じていると、奇妙なことになって困っている人が多いから)
1)
自然放射線は年間1.4ミリシーベルトなのに、2.4ミリシーベルトと言った(多く見せるウソ)。
2)
東京―ニューヨーク間の航空機の被曝は普通は100マイクロシーベルトなのに、特殊例で200マイクロシーベルトと言った(多く見せるウソ)。
3)
100ミリシーベルトは職業人の被曝限界(5年間)なのに、一般人(赤ちゃんを含め)に「健康に影響がない」と言った(法律違反).
4)
CTスキャンなどは医療行為でやむを得ず被曝する(それだけの危険を冒す必要性を医師が判断した場合に限る)のに、一般人が被曝する量をCTスキャンと比較した(違うものを比較).
5)
炉心が破壊されていないとでない核種が検出されているのに、「炉心は破壊されていない」と言い続けた。
6)
魚に蓄積するもっとも危険なストロンチウムを測定せずに、「魚は安全だ」と言った。
7)
放射性物質で汚染された土地の作物は汚染されているのに、官庁の食堂で出したり、販売を促進したりした。
8)
福島第一の1号機、3号機、4号機の爆発の映像の発表を、(おそらく)NHKはじめマスコミが報道しないように圧力をかけた(国民が原発の状態を知るもっとも大切な映像をメディアは流さなかった。ネットで見ることができるが)
9)
その他、数え切れない.
(平成23年4月15日 午前11時 執筆)     武田邦彦】

あらためて、ウソつきには注意しましょう。
彼らの顔には、ウソつきとは描いてありません。 よーくご覧ください。
尤もらしい肩書きの人ほど疑って掛かってください。
政治家の大先生がたの顔を思い出してください。
どんな顔が、ウソつきの顔かが判ります。