自宅ゲーム会42 前半 シティオブスパイ:エストリル1942 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成28年11月20日

 

 出張などもあり少し間が開きましたが、おそらく今月唯一のしっかりと時間をとったボードゲーム会です。まあ、都合がつかないメンバーも多く参加者はちい、しょうと管理人の3人です。

 ちなみに、少し前の記事で「今月は所用ついでにもう一件別の専門店にいけるかも」と書いており、出張ついでに出張先の専門店に行ってみようとしっかりと計画を立てていたのですが・・・出張前日に予定が入り出発が遅れたことで中止となりました(涙)

 

 まあ、それはさておきまずは頭の体操がてら、手に入れたばかりの手軽そうなダイスゲーム「エクスケープ」からスタートです。

 

☆エクスケープ

○概要

作者:ライナークニッツィア

対象年齢:8歳以上

対象人数:3-6人

標準時間:30分程度

 

 タイトル、箱の外観から脱出をテーマにしたゲームに見えますが、実際はライナー先生お得意のほぼノンテーマのタイトルです。ダイスを使ってコマを進めゴールを目指す、とこれだけ聞くと「なんだスゴロクか」と思うのですが、ダイスの目だけ進むのではなく、何歩進むかをダイスの目で競り合うといった感じのゲームです。

 

①手番になると2種類の特殊ダイス(「1.2.3.4.7.X」「1.2.3.5.6.X」の2種類)を振り、出目の高い方を10の位、低い方を1の位として2桁の数字を作ります。「X」は1投目のみ「0」として扱い、2投目以降この目が出るとバーストとなり「X」の数だけ後退し手番が終了します。また、ゾロ目はダイスの目だけ(「11」ならば「1」)すぐに進めます。

②バーストしなければ振り直しは何度でも行え、出目を確定させるとその目を「0-5」のエリアに分けられたダイス置き場に配置します。「0」のエリアを除いて2人以上のプレイヤーが同じエリアに配置することはできません。

③自分が置いたエリアより上(数字の大きいエリア)のエリアのダイス目(2桁の数字)が自分が置いたダイス目以下であれば、各プレイヤーの手元に戻します。

④次の手番まで配置したダイスがそのままであれば、手番の最初に配置したエリアの数字だけコマを進めます。

⑤最初にゴールにたどり着いたプレイヤーの勝利です。

 

○プレイ経過

 こんな感じで各プレイヤーのコマをスタート地点に配置します。赤が管理人、青がしょう、黒がちいです。

 

 序盤は順調に管理人がコマを進め、半分までは管理人の優勢でした。しかし、ここからちいの猛追と管理人のバーストもあり、残り1/4というところでちいに逆転を許してしまい・・・

 

 1手の差でちいの勝利です。続く手番で管理人もゴールして2位、しょうは後半追い上げをみせたものの少し届かず3位となりました。

 

○評価

 概要にも書きましたが一見スゴロクのようにも見えますが、ダイスの使い方が面白く、エリアに配置する場合には「除去」、振り直す際には「バースト」とそれぞれリスクがあり、このリスクと進む歩数を考えながらゴールを目指すのが悩ましくも面白いです。

 エリアへの配置は、他のプレイヤーのダイスを除去するため、また相手からの除去を警戒して小さな数字におくというのはし易いのですが、一方で高い数字に置くときには、多少高い数字が出ても他のプレイヤーが進む&除去のリスクがある、というところからなかなか置きにいくところではありますが、うまくすれば一気に進める可能性もあるのでここの判断は悩ましいところです。

 また、振り直し回数は自由となっていますが、「X」の出る確率は1/3くらいと結構高く、戻るというリスクも考えると振り直すべきか、堅実に数字の小さなエリアに置くべきかが難しいですね。

 気になる点は、やはりダイスゲームなだけにダイス運の影響は結構あります。ただ、上記の通りダイスの使い方は考えられるので運だけじゃないというのも確かです。また、ゴールが近づいて除去合戦になったりすると、バーストで戻るという要素もあるのでなかなか決着がつかないということもあるかもしれません。

 しかしながら、ルールも簡単で手軽に楽しめるダイスゲームとして、ライナー先生らしいジレンマもしっかりと入っており、面白いゲームだと思います。

 

 

☆フォーセール

○概要

作者:ステファンドラ

対象年齢:8歳以上

対象人数:3-6人

標準時間:20-30分程度

 

 不動産を安く購入し、購入した不動産をより高く売却することで、多くの資産を集めることを目的としたゲームです。不動産を購入するフェイズ、不動産を売却するフェイズとそれぞれ完全に別の2段階の競りになっているのが特徴のゲームです。

 

①プレイヤーの人数分の不動産カードを並べ、初期に配られるコインを使いスタートプレイヤーから競り値を宣言します。

②パスを選んだプレイヤーは、その時点で最も価値の低い不動産を自分が入札している金額の半分の値段で購入します。

③最後に残ったプレイヤーは自分が入札している金額で最も価値の高い不動産を購入します。

④これを繰り返し不動産カードの山がなくなるまでゲームを続けます。不動産の山がなくなると、続いては購入した不動産カードを使って競りを行います。

⑤プレイヤーの人数分の資金カードを並べ、全プレイヤーが1枚づつ不動産カードをプレイします。

⑥不動産カードの価値の順に、金額の高い資金カードを受け取ります。

⑦資金カードの山がなくなるまで繰り返し、なくなった時点でゲーム終了となります。

⑧資金カード及び前半戦のコインの余りを合計し、最も金額の多いプレイヤーが勝利となります。

 

○プレイ経過

※3人、4人のプレイ時は人数に応じた枚数を抜くことになっていますが、今回は抜くのを漏らしており不動産、資金とも30枚全て使用しています。

 今回は3人なので、毎ラウンド3枚を場に出し競りを行います。画像は1ラウンド目ですが、早速最高額が出ている反面、最初にパスしたプレイヤーはかなり価値の低いカードを受け取ることになります。実際には、結構な額をだして「30」はちいが、早めに抜けた管理人が「3」を受け取っています。

 

 各プレイヤーともカードを集めていきますが、序盤から高めの競り値で価値の高いカードを集めたちいは中盤以降コイン不足で失速し、コインを余らせるくらいのつもりでせりに参加していた管理人も十分なカードの確保ができず、そんな中毎回2番手くらいで上手く抜けていたしょうが堅実にカードを集めているといった感じです。

 

 そんなこんなで不動産の山がなくなり、続けては資金カードの競りになりますが、写真の取り忘れで画像はなしです。展開としては、前半に続き、しょうが順調に資金化に成功といった感じでした。

 

 ゲーム終了時の管理人の資金カードです。結果は、前半、後半ともに上手くゲームを進めたしょうが一人90点台(90,000$)でダントツのトップ、管理人とちいは70点台でしたが、1点ほどちいが上回っており、管理人は最下位でした。

 

○評価

 それぞれのフェイズですることは明快で、ふたつのフェイズで別々の競りの方法をとる割には分かりやすくさくさくと展開します。全体を通しての適正な競り値(例えば25のカードだからいくらぐらいが適正かみたいなこと)ということのは、どの順番にどんなカードが出てくるかが分からないので難しいのですが、実際にはそんなこと考えなくても、ラウンドラウンドのカードの組み合わせとその中のどのカードが欲しいかということで判断しますし、またどんな結果でもカードは手に入るので、競りゲーとしては比較的入りやすいゲームだと思います。

 コンポーネントについて、不動産カードはゲーム中ゆっくりみる機会は少ないですが、よく見ると価値の高いものはゴージャスな家(最後は宇宙コロニーみたいな家)、低いものは貧相な家(最も低いものはダンボールハウス)としっかり価値が絵に反映されており結構面白いです。

 気になる点としては、カードの出方で盛り上がりにかなりの差が出るというところでしょうか。というのも、毎ラウンド全員が何らかのカードを手に入れるというルールなので、「2、15、30」くらい差があるとより価値の高いものが欲しいと競りも盛り上がりますが、「15、16、17」のように差がないと、そもそも入札しないか、しても安い段階ですぐにパスをする場合が多く、この辺の落差は結構あるような気がします。

 とはいえ、全体的にライナー先生の競りゲーのように一競り一競りのギリギリとしたジレンマというのは薄めですが、ライトに楽しめる競りゲーとして面白いと思います。

 

 

 

☆シティオブスパイ:エストリル1942

○概要

作者:GildOrey&AntonioSousaLara

対象年齢:10歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60分程度

 

 ポルトガル、リスボン郊外の小さな街エストリルにおけるスパイ活動をテーマにしたゲームです。エストリル各地にスパイを送り込み、新たなスパイをスカウトして最強のスパイ組織を作ることが目的です。

 

①各ラウンドの最初に、8枚の場所ボードからランダムに6枚を使用しメインボードを構成します。なお、場所ボードにはそれぞれ異なった特殊ルールがあります。また、各ボードの報酬スペースに報酬タイル(新たなスパイ)を配置します。

②スタートプレイヤーから順にメインボードにスパイを配置していきます。スパイはメインボードの外周から配置していき、既に配置された自分のスパイに隣接する形でボードの内側のエリアには配置できます。なお、配置スペースに「トップシークレット」と書かれているスペースはスパイを非公開で配置しますが、配置スペースに設定された特殊効果によっては非公開の他プレイヤーのスパイや報酬タイルを確認することができます。

③スパイの配置が終わると、場所ボード毎に設定されたボードナンバーの順にそのエリアのスパイを公開します。更に、公開された場所ボードの中の配置スペースに設定された番号順にスパイの能力を使用します。ちなみに、スパイによっては「暗殺(同じ場所ボード内のスパイを手札に戻させる)」「誘惑(隣接ボードから他のスパイを移動させる)」「外交(自分もしくは近隣ボードのスパイを指定し、暗殺や誘惑を防ぐ)」「愛国心(近隣ボードにいる同国籍のスパイの人数によって戦力を強化、この能力はこのタイミングでは使用されない)」といった能力があります。

④場所ボード毎に残っているスパイの戦力を比べ、最も戦力が高いプレイヤーが報酬タイルを受け取ります。

⑤自分のスパイは6枚までなので、それを超えるスパイは手札から外します。ただし、手札から外したスパイ1枚につき勝利点1となります。

⑥これらを4ラウンド繰り返しゲームが終了となります。ゲーム終了時の手札のスパイタイルに書かれた勝利点、手札から外したスパイの枚数、達成した任務タイルによって勝利点を計算し、最も得点の高いプレイヤーの勝利です。

 

○プレイ経過

 管理人は赤、ちいは白、しょうは青のキューブを使用します。今回は3人プレイなので、ラウンド毎に各プレイヤー4枚ずつスパイを配置します。ちなみに、ゲーム開始時の各プレイヤーのスパイ構成は全て同じです。

 第1ラウンドはこんな感じでメインボードと報酬タイルが配置されます。とりあえず管理人の狙い目は2人を外交できる中央上段、2人を誘惑できる右上、誘惑持ちで戦力の高い右下を候補にします。

 

 実際にスパイを配置するとこんな感じです。中央上段はしょうが先に置いたためあきらめます。右下はちいが先に「2」の配置スペース(切れて見えていません)に置いていますが、「3」のスペースに置くことで内側の配置スペースをブロックしています。ちなみに内側の「1」には「暗殺」持ちのスパイを配置しており、確実に確保できるようにしています。

 

 ここから、公開、能力の処理、戦力の争いを行いましたが、管理人は予定通り右側の2枚を確保、ちいとしょうも2枚づつスパイを確保しています。

 

 続く2ラウンドの終了時はこんな感じです。「7」の場所ボード(中央下段)には戦力で負けたプレイヤーのスパイをゲームから除外するという特殊ルールがあり、管理人が乗り込んだことで他プレイヤーは避けていましたが、誘惑でしょうのスパイを呼び込み除外に成功しています。

 このラウンドも各プレイヤーが2枚づつの確保です。

 

 第3ラウンドは「2(左上)」と「8(中央上段)」で管理人としょうの狙いがぶつかりあう展開となります。管理人は「誘惑」でのコントロールを狙いますが、2人が集中したせいで誘惑を使用するための空きスペースがなく、あえなく敗退。何とか左下で1枚確保します。ちいはどこ吹く風と争いに参加していなかったので、このラウンドはスパイを3枚確保しています。

 

 最終ラウンドはしょうとちいが争う展開だったので、管理人は右上のしょうのスパイを誘惑で移動させたくらいで難なく3枚のスパイを確保します。 しょうは左上でもスパイが暗殺を受け、中央下段の1枚のみ、ちいは2枚の確保です。

 

 結果、ゲーム終了時の各プレイヤーのスパイ組織のメンバーです。この得点と、捨て札の時点ではちいが若干のリードをしていましたが、最後の任務タイルの達成で管理人が逆転し、管理人の勝利となりました。しょうも任務タイルを達成し最後に追い上げましたがぎりぎりでちいが逃げ切り、ちいが2位、しょうが3位という結果でした。

 

○評価

  スパイタイルはそれぞれ戦力、能力、勝利ポイントが異なり、戦力や能力は低めでも勝利ポイントが高かったりその逆といった感じのバラエティあふれる面々(キャラクター的にもw)で、これらの使い方に幅があるのが面白いですね。単純に暗殺で除外するだけでなく、誘惑で上手くコントロールしたり、外交で守ることで純粋な戦力勝負に持ち込んだりと、どうそのエリアで優勢を取ろうかというのが悩ましいです。また、組織には6枚までとデッキ(手札)ビルドの要素もあり、自分のメンバーをどう使うか考えつつメンバー編成を行う必要もあります。

 また、このスパイの使い方に影響しているのがランダムに配置される場所ボードです。能力の処理は配置スペースの順に数字の小さい場所ボードから処理されるので、これをしっかり考えておかないと、どれだけ強力な能力を持ってるスパイでも発動前に除外や移動されることもあり、特定のエリアを確保するために、興味のないエリアにもスパイを置くという必要にも迫られます。ボードの配置によっては特定のポイントに置かれると内側への連絡を断たれるということもあり、外周、内側の概念も配置場所や配置順に大きく影響しています。

 コンポーネントはスパイなど本来カードでもゲームに支障がなさそうなところを全てタイルとしており、取り回しがしやすくかなりしっかりとしているという印象です。スパイも初期手札以外は全て違う絵柄でなかなかこだわりを感じます。ただ、こうなると初期手札も能力は同じでも絵柄は変えてあった方が良かったかな。それと、自分のスパイを表すキューブが小さいので、よく扱うこともありこれはもう一回り大きいほうが良かったですね。あと、カードで済むところをタイルにしているためかコンポーネントの量の割にお値段が高目というのは、プレイアビリティをとるか安さをとるか、どちらが良かったのかは難しいところですね。

 コンポーネント以外で気になる点としては、1ラウンド数枚の配置で1枚1枚の配置が戦況に与える影響が大きく、特殊能力が多いということもあり(慣れないうちは効果の確認にも手間取りますしね)、相手の動きまで考えてスパイを配置しようとするとメンバーによっては長考しがちというところはあるかもしれません。ただ、全体としては3人なら各ラウンド4手、4人なら各ラウンド3手でほとんどのスパイが非公開で配置されるため、多少長考してもそれほど長引かないかなという印象ではあります。

 また、3人プレイの場合スタートプレイヤーが平等に回ってこないことでしょうか。ボードの配置によっては外周の1箇所を押さえるとその場所ボードはほぼ独占というマップもでき、この場合スタートプレイヤーが有利となるので少し気になりましたね。ただ、後手番はスタートプレイヤーの動向を見てから動けること、ランダムタイル&ランダム報酬のため実際どうかは運が絡むということもあり、まあそれほど影響は大きくないのかなとも思いますがどうなんでしょうね。

 配置スペース、場所ボード、スパイそれぞれに特殊能力が設定されており、それらを上手く活用しつつ、どのエリア(どの報酬タイル)を狙いどう勝利するかが非常に悩ましく面白いゲームだと思います。

 

 

 残りは比較的短めのゲームをプレイしていますが、長くなるので後半に続きます。

 

 


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