自宅ゲーム会8 前半 タシュカラール他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成28年3月31日


 3月は家族、友人たちともにインフルエンザに振り回された月で、そのせいでほとんどボードゲームができなかったなあと思っていましたが、3月の最終日に久々に芋(妹)が帰ってきたので誘ってボードゲームをすることになりました。

 ちなみに、この芋は本人がゲーム好きで結構重量級でもできるため、管理人のボードゲームメンバーの中では貴重な戦力なのですが、いかんせん遠方に住んでるためたまにしか帰ってこないのが惜しいところです。今回、ちいを加えられるとよかったのですが、家族に続いてちい本人がインフルにかかったので参戦できずでした。


 最初は以前相方とプレイしようとして、インストの時点で相方がついて来れず断念したゲームです。


☆大いなる狂気の書

○概要

作者:マクシムランブール

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-5人

標準時間:60-90分程度


 学院の地下に眠る図書館の扉を開いてしまった魔法学院の学生たちが、図書館に封印されていた凶悪なモンスターがあふれ出すのを防ぐことをテーマにしたゲームです。なんか、結構ファンタジーの設定でありがちな感じですねw協力ゲームにしては珍しく、デッキビルドを中心にしたゲームです。

①難易度を選択し、魔道書を作成します。魔道書はカード7枚からなる一冊の本のような感じになっており、中にはランダムに6体の魔物が含まれることになります。

②今回のゲームに使用する魔法を選択します。魔法には四元素(火、水、風、土)ごとにレベル1から3の魔法があり、元素ごとにレベルの低い順に並べます。そして、プレイキャラクターを選択し、キャラクターに応じた初期デッキと、共通の基本呪文4種を受け取りゲームスタートとなります。

③ゲームは1ラウンド5ターンの6ラウンド制になっています。ラウンドごとにモンスターを公開し、各ターンごとにプレイヤー1人が手番を行います。手番の最初に使用済みの呪文を使用可の状態に戻します。

④各プレイヤーの手番は各自のデッキから引いた元素カードが、手番のリソース(4元素各1-3のカード)となります。リソースの範囲で次の行動を行えます。

・「呪文の発動」は自分が所有する呪文を発動させます。呪文は消費するリソースを増やせば効果を上げることができます。

・「新たな呪文の習得」は、新しい呪文を習得します。

・「元素カードを獲得する」は、2または3のカードを購入し、デッキに加えます。

・「呪いを破壊する」ラウンドのモンスター公開時に配置される呪いを破壊します。ちなみに、呪いは各ターンごとに1つづつ割り振られ、そのターンまでに解決できなければペナルティが発生します。とはいえ、ペナルティの発生した呪いもラウンド内であれば破壊できるので、呪いが発動したからそのラウンドの負け確定というわけではありません。

・「自分の狂気カードを治癒する」は自分の手札もしくはサポートプール(各プレイヤーに3枚分のサポートプールがあります。このスペースには呪文等でカードを配置することができ、このスペースにあるカードについては他のプレイヤーも含め自由にリソースとして使用できます。)にある狂気カードを、狂気カードプールに戻します。ちなみに狂気カードは手札にあっても何の効果もないカードで、呪文やこの行動による治癒で狂気カードプールに戻すか、呪文等により破棄するかしか捨てる手段がありません。手札が全てこの狂気カードで埋まると、そのプレイヤーは脱落となります。

⑤手番が終わると、デッキからカードを6枚まで補充して手番が終了となります。デッキから6枚まで補充できない場合は、捨て山のカードに狂気カードを1枚加えてシャッフルし新たなデッキとします。

⑥5ターンが経過したところで、設定された呪いを全て解決していれば成功、1つでも解決していなければ失敗となります。最終ラウンドを除き、成功はボーナス、失敗はペナルティを受け取り、次のラウンドに向かいますが、最終ラウンドのみ失敗すると敗北となります。

また、途中で全員が脱落するか、狂気カードプールから狂気カードがなくなっても敗北となります。


○プレイ経過

 難易度は一番低くし、キャラクターに名前がないので表現が難しいですが、管理人は炎使い女(毎手番、自他の呪文のうち使用済みのもの一つを使用可の状態に戻すことができます。)、芋は風使い男(毎手番、デッキの一番上のカードをめくりそのカードが狂気カードであれば治癒させ、それ以外のカードであれば捨て札とする)を選択しゲームスタートです。
狂気の書1
 管理人側からみた全体の様子です。初期の呪文4種(1枚のカード破棄、1枚のカードをサポートプールに、1枚デッキから元素カードを補充、1アクションだけ他プレイヤーにさせる)が配置してあります。


狂気の書2
 最初の魔道書を公開し、呪い(ボード下側のカード)を配置したところです、魔道書左がモンスターの絵と呪いの要素、公開時の効果、右側はそのラウンドのペナルティとボーナスが記入されています。このターンには、風、水、炎の元素ごとに4リソースを消費し呪いを破壊することとなります。呪いごとのペナルティが全て狂気を1枚もらうという状態です。

 管理人は、デッキをほぼ火特化で作成していき、相方はバランス重視でデッキを作成しています。



狂気の書3

 1ランドということでサポートプールに予備はなく、早速呪いのペナルティを受けていきます。しかし、後半にはサポートプールも活用し、見事3種の呪いを破壊しこのラウンドは勝利となります。幸先がいいなあとは思っていたのですが・・・




狂気の書4
 続く2ラウンド目は、1枚の呪いを残しペナルティを受けます。このあと3ラウンド4ラウンド目とペナルティを受ける形で進みます。呪いと、ラウンドのペナルティ等もあり狂気カードが徐々にたまってきていますが、管理人は序盤は破棄、中盤は治癒、芋は序盤から治癒となんとか狂気カードを手元から減らしてはいました。途中で購入したアドレナリン(2枚ドローし、狂気カードを1枚治癒)を特殊能力で2連発したり、大地の気(他のプレイヤーが捨て札の1枚をデッキの1番上に配置)と芋の特殊能力で治癒したりと、管理人の呪文が大活躍です。

 しかし、3、4ラウンドにでた呪いのペナルティ(狂気カード4枚破壊)で狂気カードの残りが少なくなってきます。



狂気の書5
 ここで、5ラウンド目のモンスターを公開しますが、何よりラウンドのペナルティが目を引きました。「サポートプールのカードを全て破棄し、3枚の狂気カードを配置する。」という内容で、3枚の狂気カードが必要となりますが、この時点で狂気プールのカードが5枚を下回っていました。どうするかを考えていましたが、狂気カードは破棄等でお互いのデッキの中にはほとんど残っておらず、結局なんとか全部の呪いを解決することで進めていきまいた。途中、デッキ切れで狂気カードがさらに減るということもありましたが、なんとか成功です。


狂気の書6
 最後のラウンドは、若干の苦戦はありましたが、5ラウンドに比べ危ういペナルティもなく、順調に呪いを全て解決したことで、このラウンドの成功となり、勝利となりました。


○評価

 デッキビルドというとドミニオンやサンダーストーンを思い浮かべていましたが、デッキに入れるのはリソースである元素とペナルティの狂気のみ、このデッキで引いたりソースを元にアクションを行うという、感じでイメージしていたのとはだいぶ違いましたが、分かりやすく良かったです。また、デッキビルドで協力ゲーム?となるとどんなゲームかと思っていましたが、サポートプール及び呪文という部分でしっかり協力になっており、芋とあぁだこうだ相談しながらラウンドをクリアーしていくのは楽しめました。

 また、デッキビルドというと強力なカードを高回転させるため圧縮(序盤に手に入れるような弱めのカードをデッキから取り除いていく)という手法がありますが、このゲームで言えば、元素数「1」でも十分使い道があること、デッキがなくなると狂気カードが加わるということで、圧縮をするべきかしないべきかは悩ましいですね。 また、狂気カードの処理に、治癒と破棄の二種類があり当然治癒の方がいいのですが、狂気カードの残りが十分あれば破棄の方が少ないリソースで実行できることもあり、どちらがいいのかなど、悩みどころも多いです。

 一方で、ひたすら呪いを解く作業を6ラウンド行うというのは少し単調なような気もします。しっかりとイラストが描かれたモンスターですが、公開時の能力だとか、呪いの方ばかりに目がいき、名前がないことも加わって、ほとんど印象に残っておらず、もう少しメリハリがあってもよかったのかなと。また、個人的に特に気になるのは、1-5ラウンドはペナルティはあるけど達成する必要がなく、最後のラウンドをクリアーすればOKということですね。今回、中盤に失敗が続きましたがあまりクリアーしないとという緊迫感がなく、若干の中だるみがありました。呪いを解くためにがんばっても、ひとつでも残ってしまえば全ての呪いが残っていたときと同じペナルティなので、逆にペナルティを受ける前提でどう対応するかというような方向に走るような気もします。「封印する気がない」や「1-5ラウンドは準備運動」みたいな感じになりそうです。

 また、特にデッキとして構築し頻繁にシャッフルすることになる元素カードが小さくくりにくいこと、あまり紙質がよくないことなどは、もう少しプレイアビリティを考えてもらいたかったかなと思います。

 初回のプレイは楽しめると思いますが、ラウンドごと(モンスターの種類にかかわらず)にやることがあまり変わらないこともあり、また基礎呪文が比較的有用なことに加え、新たに取得する呪文も強力ですが場面に合わせて変更できるというものでもなく(呪文は合計5種類まででそれ以上は習得した分だけどれかを忘れ再度覚えることはできないというシステム、それにそもそもどのラウンドも呪いの数しか変わらないので状況のバラエティは少なく場面場面で切り替えるほどのものでもない)、リプレイアビリティはあまり高くないように思います。


続けて時間も遅くなったので、もう一ゲーム少し短めのゲームをしてみることとしました。


☆タシュカラール 伝説の闘技場 

○概要

作者:ヴラーダフヴァチェル

対象年齢:13歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:30分程度

 伝説の闘技場で、魔法使いたちが魔法生物たちを召還しながら勝利を目指すというゲームです。囲碁のような感じで魔法生物を配置しつつ、特定の配置条件を満たしたら、自分のカードから特殊能力のある魔法生物を召還できるといった感じのゲームです。ゲームはクラシック戦(2人から4人)、デスマッチ(3人から4人)の2種類がありますが、今回は初プレイなのでルールブックで初プレイ時にお勧めされているクラシック戦&伝説級の魔法生物の召還なしでプレイしています。

①クラシック戦かデスマッチ戦をえらびボードを準備します。クラシック戦の場合タスクカード(目標)を配置します。各プレイヤーデッキを選択し、デッキから3枚のカードを引き、また共通の場から焔カード(片一方が不利になっている一定の条件下で不利な側が使用でき特殊な効果を発揮するがアクションに数えない。)を1枚引きゲームを開始します。

②一般級ユニットを配置していきます。盤面のマスのうち他のユニットが置いていないマスへ配置できます。

③一般級ユニットを一定のフォーメーションで配置すると、手札からカードを使用し特殊能力を持つユニットを配置できます。基本的にカードには召還されるユニットが一般級か英雄級か(伝説級を加えれば伝説級もあり)、召還の条件となるフォーメーションと、その結果ユニットが召還されるマス及び召還時にどのような特殊能力が発揮できるかが記載されています。ユニットが召還されるマスには自他のプレイヤーのユニットがあっても同じ級か下の級であれば大丈夫で、もともと配置してあったユニットを除外し配置できます。特殊能力は配置時のみに発動でき、あとは②で置いたユニットと変わりありません。
タシュカラール9
 ちょっと言葉で説明すると上手くいえないので。左側がデッキのカードで、「戦士」になります。戦士は英雄級のユニット(左上のマークで剣が交差、一般級は剣が1本)で、右下のフォーメーションのとおり一般級以上のユニットを配置すると白く囲ってあるマスに召還できるという感じです。

 召還時には、(召還されるユニットが英雄級なので)召還された位置にいる英雄級のユニットまでを倒せ、戦士の特殊能力でさらに隣接ユニットを1体破壊できます。

 伝説級のユニットになってくると一般級だけでなく、英雄級もフォーメーションに入ってきますが、英雄級までは一般級だけで大丈夫です(フォーメーションに英雄級が含まれていても問題ありません。)。また、このフォーメーションは同じ形であれば上下左右対称でも問題ありません。

④手番になると②か③のアクションを2回まで行います(初手の先手だけ1回)。同じアクションを続けて行っても大丈夫です。③を行うか、焔カードを使用した場合使用した分だけ手番の最後に補充します。

⑤クラシック戦の場合は、常に場に3枚のタスク(目標で、上の画像であれば同一ターン内に3体以上の敵ユニットを破壊し、1勝利点を得る)があるので、毎ターン条件を満たせば1枚取ることができます。

⑥タスクカードの勝利点が6点になったプレイヤーの勝利です。


○プレイ経過

 ルールブックで推奨されているので、管理人は北方帝国流(青)、芋は南方帝国流(赤)を使用することにしました。ちなみに、この両デッキは同じカードが含まれています。これ以外に2種類のデッキがありますが、こちらはカードが異なります。

タシュカラール1

 ゲームスタート時です。タスクは2種類似たのがかぶったので、奥側をこの後変えています。ど真ん中の大福はゲームとは無関係、芋が殺風景すぎるということでw

 ここからお互い展開していきます。序盤、管理人はタスク「線の支配」(中央をとおる縦横の直線に6体以上のユニットを配置する、2勝利点)を狙い中央に陣取って配置していきますが、芋はタスク「色の支配」(同一ターン内に色のついたマスへ2体以上のユニットを召還する)を狙ったため中央より芋側を中心に陣取っていきます。


タシュカラール3
 序盤は芋がタスク「色の支配」「破滅(同一ターン内に3体のユニットの破壊)」を確保し差をつけられますが、その後に出てきた「中央交差(盤面中央で+か×の形に配置)」は盤面中央に陣取っていたこともあり管理人が確保します。「線の支配」がぜんぜん狙えてないように見えますが、芋が邪魔をしたせいでかなりユニットが削られています(まあこっちも削ってるので芋のユニットが少ないですがw)。


しかし、ここから

タシュカラール4
 ユニット「多砲塔(配置時に一定方向の英雄までのユニット2体を破壊)」で削られたり・・・


タシュカラール5
 ユニット「催眠術師(2体のユニットを移動させる)」でばらけさせられたりと、中盤は芋が攻勢に出てきたので建て直しに苦戦します。ただ、タスクの条件は満たせないように管理人が動き、お互いタスクが取れない状況が続きます。


 ただ、後半に入ると管理人が反撃を開始します。
タシュカラール6
 こちらもユニット「多砲塔」で削ったり・・・


タシュカラール7
 ユニット「召還術師(召還後一定の範囲に一般級2体を追加で召還できる)」で一気にユニット数を増やします。このおかげで、タスク「中央支配(中央に英雄2体を含む5ユニット以上配置、勝利点1」を確保し、ここからは芋が有効な対策を打てず、続いてタスク「線の支配」も無事確保します。

 
タシュカラール8
 最後は芋もタスク「包囲(1体の敵ユニットの周りを6体以上のユニットで囲む、1勝利点)」を狙って「召還術師」などでユニットを配置してきますが、管理人がタスク「赤の支配(ターン中、2体以上のユニットを召還し、うち赤いマスにユニットを召還する、1勝利点)」をとったことで6点に到達し勝利となりました。芋は先行で取った2タスクのみで、追加で取れない状況でしたね。


○評価

 現時点では、基本デッキ、伝説級なし、クラシックルールでプレイした感想です。

 見た目からしてアブストラクトなような雰囲気もあり、またある程度自由にユニットを配置していくので囲碁みたいな感覚もありますが、囲碁の陣取りや石をとるという部分を、陣取りはタスクカードに、石をとることは召還カードにとルールを置き換えているようなゲームだと思いました。かなり前に一度囲碁は覚えて今は具体的なルールを忘れていますが、囲碁のルールに比べると、こういう配置(条件)を満たしたら得点だよ、このカードをプレイしたらここの石が取れるよと分かりやすくなっているので、囲碁に比べると数段ルールの把握はしやすいんじゃないかなと思います。

 タスクとデッキでカード運というのも加わっており、アブストラクトっぽくありながら、数手、数十手先まで読んでというがちがちではなく、その場の手札、タスクに対応した感じでこの辺はだいぶプレイしやすくなってると思います。

 一方で、タスクカードで当面の目標が設定されており、一定の見通しはたっているものの、ユニットの配置の自由度、召還の使用などでプレイしやすくなっているとはいえ、少し長考しやすいゲームではあると思います。

 また、タスクの引き運なので良し悪しだとは思いますが、条件と得点が少しアンバランスな感じもあります。今回だと包囲が結構難しかったのですが1点ですし、この条件なのにこの得点なの?みたいな。まあ、今回の管理人のように中央に陣取ってたらそれ関係がたくさんでたよ、ということもあると思いますので、この辺の好き嫌いはあるのかなあとも思います。

 そして、どれだけ強力なユニットでも一旦召還し特殊効果を発動してしまえば、それ以降次の召還に向けての置石なだけ、(召還時はドラゴンだが召還後はただの石みたいな、まあ、英雄、伝説となっていくに連れて段々とられにくくはなっていくのですが。)とある意味潔くなっていますが地味な感じは受けます。盤面の見た目もほんとに地味ですしね。

 とはいえ、全体的にアブストラクトチックな雰囲気、地味な感じととっつき難さは感じますが、カードを上手く使用し悩ませる要素を残しつつ、プレイしやすくルールも分かりやすいものになっていると思います。管理人的には面白く、別のデッキの使用も含めぜひ再戦したいなあとは思います。


 今日のところは時間も遅くなったので、翌日には相方も含め他のゲームもしてみることとして、一旦終了としています。翌日の様子が後半の前半に続きます。



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