ELB構想の進捗についてまとめてみた(日本編) | 欧州野球狂の詩

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日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

 現在自分たちが関与しているELBプロジェクトについて、昨日は欧州側でのここまでの推移を大まかにまとめましたが、今回は日本側でのこれまでを時系列で振り返ってみたいと思います。もっとも、これについてはあくまでも「ベースボールブリッジの一員として」見てきたものが完全にメインになってしまいますが…。当然のことながら、このプロジェクトに組み込まれているのは我々だけではなく、ここで触れられない点以外にも色々な場所で進展はしていることを付記しておきます。


 5月8日にELB構想が発表された後、自分自身は同12日の段階でウィム・バンデンハーク会長とヤン・マールテン・コップス氏の両者に相次いで接触しました。バンデンハーク会長については、かねてから親交があったレーゲンスブルグ・レギオネーレのイバン・ロドリゲス監督にご紹介を頂いています。16日に行われた定例MTGの資料には、「この際にその時点での活動の方向性について質問し「リーグスポンサーとして、欧州で事業展開しているアメリカ若しくは日本の企業を想定し探しているところだ」との返答をコップス氏より得た」「バンデンハーク会長に対してはベースボールブリッジのビジョンや活動内容について紹介したうえで、3月の日欧野球の際に知り合った博報堂の関係者を通じて、スポンサー探しに協力できる可能性があると提案した」とあります。


 この席上では、リーグ側への協力については団体の事業として公式に実施するものとして、満場一致で決議。具体的な協力の形に関しては、スポンサー探しに加え「日本国内における広報活動」について団体ではこれまで最も大きな実績を挙げており、実現性が高いのではないかということでまとまりました。これを受けて、5月18日にバンデンハーク会長に対して「日本国内でのリーグスポンサー探し及びリーグ広報活動を実施する形で、ELBプロジェクトに協力したい」と正式に申し入れを行いました。なお、博報堂からの協力についてはその前日の段階で関係者に確認をとり、「セールス完遂は保証できないが協力は可能」との回答を得ています。


 この申し入れをきっかけに、バンデンハーク会長とのやり取りがスタートします。6月23日に先方から届いたメールでは、「(スポンサー探しと日本での広報活動を実施するという)あなた方からの提案は、非常に筋が通ったものでありリーグ側が求める協力の形ともマッチしている」という回答を頂いたのに加え、当初想定していたリーグの概案を示したファイルを合わせて入手しました。なお、会長からのコメントと同じ趣旨の評価については、その約1か月前に行ったオーウェン・オザニック投手(ルーアン・ハスキーズ、5月8日の第1回会合に参加)とのやり取りの際にも、先方からもらっています。こうした評価を欧州の現場にいる彼らから得ることができたのは、自分たちとしても非常に光栄に感じている次第です。


 7月17日には、当日更新した記事にもある通り会長の来日に合わせて、ヒルトン福岡シーホークにて初のトップ同士の面会を実施。ベースボールブリッジから提案したプロジェクトの具体的な進め方はもちろん、営業活動実施の際のロゴなどの権利の問題、日本やアメリカからのELBへの選手派遣の可能性などについて活発に議論を行いました。この場では、ベースボールブリッジがELBとともにパートナーとなり、日本における事実上の代理店の1つとしてリーグに関係する各事業に着手していく方向性で、口頭にて合意しています。ただし、実際の営業活動実施にあたっては書面によるパートナーシップの存在が必要不可欠であり、現在覚書の素案を送付したうえで先方との協議を進めているところです。


 ベースボールブリッジでは本プロジェクトへの参入を決議して以降、本事業を団体において重要度・緊急性とも最も高い事業の1つと定め、過去3回の定例MTG(6月に実施した定期総会は除く)において議題として取り上げ、これまで意見交換や方針の決定などを進めてきました。先月4日には、博報堂グループの子会社である㈱博報堂DYスポーツマーケティングを訪問し、かねてからコネクションがある関係者とのプロジェクトについての意見交換や、今後どのように展開していくべきかなどについての議論などを実施。スポンサー営業という非常に難しいタスクを実施するにあたっての「第0フェーズ」をクリアしました。


 今月に入ってからは、日本やカナダの独立リーグの現場においてセールスに関わった実績を持ち、実際に欧州人選手の獲得にも関与した経験を持つ人物とも面会しました。当日はリーグが開幕するまでに日本側がすべきことはもちろん、リーグが実際にスタートした後にどのように関わりを継続していくべきかについても意見交換を行いました。ともにELB構想の実現には非常に強い思いと大きな意義を感じており、今後のプロジェクト展開における重要なパートナーとして一緒に動いていくことになりそうです。


 ELBの開幕は、もちろん我々としても目指しているところではありますが、当然ながら開幕戦の日がこのプロジェクトのゴールなのではありません。あくまでもリーグ開幕は1つの通過点でしかなく、開幕してからどのようにビジネスを進めていくかに関してもやりたいことは山ほどあります。現時点では時間的な部分などで困難な部分も少なからずあり、日本側での動きはまだまだ道の途上ではありますが、野球界における新しい機軸を欧州の地にしっかりと築くこと、またゆくゆくは日欧間だけでなく欧州とアジア両大陸を野球で繋ぐことを目指して、今後とも一歩一歩着実に歩みを進めていきたいと考えています。