ELBの日本でのパートナーとなりました | 欧州野球狂の詩

欧州野球狂の詩

日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

 本日、福岡市のヒルトン福岡シーホークにてユーロリーグベースボール(ELB)のウィム・バンデンハーク会長と会談し、日本でのリーグスポンサー探しと日本語版ウェブサイトの運営という形で、ベースボールブリッジがリーグに対して協力していくことで口頭で合意しました。


 今回の会談は、福岡ソフトバンクホークスで先発ローテの一角に定着したリック・バンデンハーク会長の実父であるウィム会長が、息子に会うために今月10日に来日したのを契機に実現しました(もちろんそれだけが目的ではなく、滞在中はホークス関係者をはじめ様々な人物と面会していたようです)。このプロジェクトに着手するに当たり、少なくとも一度は膝を突き合わせて議論する必要があることは認識していたので、それを果たすことができたのは非常に嬉しく思います。


 会談ではまず、ベースボールブリッジが団体として成立した経緯とこれまで取り組んできた活動、そしてリーグに対してどのような形で具体的に支援することを考えているかを説明しました。また、3月に開催された日欧野球でのプロモーションへの関与と、その折におけるNPBエンタープライズ様や博報堂DYスポーツマーケティング様などとのかかわり、また日本国内における数少ない欧州野球情報の発信者として自分が活動してきたことについても言及。依然として若く成長の途上にある団体ではありながらも、欧州におけるプロ野球リーグ創設という、一大事業へのコミットメントに対して非常に強い思いを持っていること、また自分たちが実際にリーグに対して価値を提供することができうる数少ない組織の1つであるということを伝えました。


 その後、スポンサーの獲得やウェブサイト構築と運営など個別案件についての意見交換に移行。スポンサー探しにあたっては、リーグ側がコンサルティングパートナーとして提携しているMKスポンサーマッチ社が作成した、スポンサー企業の営業用資料をベースボールブリッジも使用することで合意。営業活動にあたっては、リーグの名前や公式ロゴなどを使用することを会長直々に認可していただきました。ELB側としては、リーグ側と日本の企業社会を橋渡しすることができる、日本語と英語どちらにも堪能な人物を探し求めており、会長からは「君に是非その役割を託したい」という非常にありがたい言葉を頂きました。物凄く重い責任を伴う役割ではありますが、自ら望んだからにはその職責を果たせるよう全力を尽くしたいと思います。


 一方ウェブサイトの運営については、既にリーグが運営している英語版のウェブサイト(http://www.euroleaguebaseball.com/ )と同一のデザインを用いて、使用する言語のみ日本語に置き換える形とすることを確認。英語版を作成したウェブデザイナーの方と、会長の方で連絡を取っていただけることとなりました。また、ウェブサイト上にてバナーを掲載するスポンサー企業(リーグスポンサーとは別枠)の獲得についても協議を実施。営業情報のため詳細は明かせませんが、この中で会長から説明された内容については、非常にいい勉強になりました。日本国内の野球ファンはもちろん、取材していただける各種メディア媒体や、所属先を探している選手・指導者及びその代理人にとっても重要な存在となるため、このウェブサイトについても手ぬかりなくやっていきたいと思います。


 この2つ以外にも、日欧間での選手移籍(主に日本から欧州への移籍や選手の派遣)や欧州のテレビでの特集番組の放映についてなど、様々な分野についてお互いの意見やビジョンなどをシェア。会談中、双方の間に「今後どのように動いていくべきか」という観点では意見の相違は全くなく、会長からは「君たちの持っている考えは非常に真っ当で筋も通っており、また我々のビジョンとも合致している」とまたまた嬉しいお言葉も。最終的に、ベースボールブリッジが日本におけるELBのパートナーとして協力をしていくということで両者ともまとまり、握手をして別れました。


 今回のプロジェクトは、定款に掲げているベースボールブリッジの事業の中では「野球等スポーツが未発達な国々における、用具メーカー等企業の誘致」「インターネット等を通じた、国際的な野球等スポーツの情勢に関する情報発信」にそれぞれ該当しますが、企業誘致に関しては昨年9月のNPO移行後はもちろん、2012年9月の任意団体としてのベースボールブリッジ結成以降でも初めての着手となります。団体として最初に手掛ける案件がこのELB(もちろん会長にもこの旨はきちんと伝えています)ということで、これからかかってくるプレッシャーももちろん半端なものではありませんが、自らそれを望み選んだ道である以上は成果を上げるために最善を尽くしたいと思います。


 今のELBに何よりも必要なのは、リーグを運営していくための安定的な財源です。欧州側でもELBは様々な企業や団体と水面下で接触しており、その中にはお膝元の地域連盟である欧州野球連盟(CEB)や、世界野球・ソフトボール連盟(WBSC)のリカルド・フラッカリ会長も含まれているそうですが、彼らから返ってくる答えは常に「ビジョンには賛同するが、問題は運営に必要な資金を確保できるかどうかだ」というものだそうです。そういう背景があるからこそ、リーグ側としてはスポンサー探しに全力を挙げている状況であり、我々ベースボールブリッジもその一助となるべくベストを尽くしていく所存です。


 従来はどちらかというと、有志によるボランタリーベースでの活動が主だった当団体ですが、これからは先日お伝えしたアプリ開発も含め、NPOといえどもビジネス的な意味での事業展開をしっかりやっていく方向にシフトしていきます。少なくともこのELB関連とアプリ開発については、自分自身は慈善事業やボランティアとは全く捉えていません。営利ではなく、あくまでも国際的な野球発展に資するというビジョンが優先するというだけで、完全に仕事として考えています。これまでとは規模も責任感も段違いで、場合によっては現在の自分のキャリアについても、重い決断を下すことを強いられることになるかもしれません。


 しかし、どういう形であれ野球界でこうした大きな仕事ができるということは、自分自身にとっても団体にとってもとても意義あることであり、また喜ぶべきことでもあります。会長から託された思いをしっかりと受け止め、また自分たち自身も熱い思いをこのプロジェクトに込め、このリーグを通じて欧州を日米に続く第3の野球どころとすべく前に進んでいきたいと思います。いつか描いたビジョンを形にできるよう、頑張ります!!