HBW2014のオランダ代表メンバーが決定 | 欧州野球狂の詩

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 オランダ王立野球・ソフトボール協会(KNBSB)は、来月11日にハーレムで開幕するハーレムベースボールウィークの2014年大会に出場する、オランダ代表メンバー24名の顔ぶれを発表しました。


 今回のロースターは、基本的には2か月前にホーフドループで行われたトレーニングセッションの参加者27名が元になってはいるのですが、スティーブ・ジャンセン監督は今回そこに新たな顔ぶれを追加で召集。フーフトクラッセだけでなく、現在オランダ国外でプレーする面々なども加わることとなりました。この結果、L&Dアムステルダム・パイレーツから召集されていた面々のうちからなんと6人が選外に。クリス・モウデイ、バス・ヌーイ、ジェシー・オーセムス、ラシッド・ジェラルド、レムコ・ドライハー、ローランド・エンリケJr.という顔ぶれは、国内組中心のスカッドではいずれもお馴染みのメンツと言えるだけに、これはちょっとしたサプライズとなりました。


 また、昨年のWBCでもオランダ代表のユニフォームを着たバイロン・コーネリセン(ヴァッセン・パイオニアーズ)も外れる一方、新たに招集された顔ぶれの中にもサプライズな名前が。その中でも最大の驚きと言えるのはやはり、一昨年秋のWBC予選でドイツ代表としてのプレー歴を持つ、マイク・ボルセンブローク(レーゲンスブルグ・レギオネーレ)の初召集でしょう。2008年から3シーズンはフィリーズ傘下でマイナーリーガーとしてプレー。その後はレギオネーレでチームの国内V3に大きく貢献し、今や絶対的エースの座も手にすることとなった右腕は、その実力に確固たるものを持ちながらも「オラニエ」の一員となる機会はこれまでありませんでした。


 そんなボルセンブロークの存在を見逃したりはしなかったのは、第2の母国ドイツ。前述のWBC予選で彼がオランダではなくドイツの国旗を背負うこととなったのは、ブンデスリーガのトップピッチャーである彼がドイツの市民権、つまりドイツ代表入りの資格を保有していることにドイツ野球・ソフトボール連盟(DBV)が目を付けたためでした。その期待に応えて開幕戦のチェコ戦で先発マウンドに上がったボルセンブロークは、見事WBCでのドイツ代表史上初の白星を手にしています。


 もちろん当人はオランダ生まれオランダ育ち、そして本来の国籍もオランダということを考えれば、黒・赤・金よりも橙・黒・白のユニフォームを着ている方が自然ではあるのですが、こういった経緯を考慮すると「この先もドイツ代表でプレーするのかな」と個人的には考えていたので、今回の招集はその意味では意外なものと言えます。とはいえ、実力的には彼の招集は何らサプライズなどではありません。チームと同じ先発を任されるのか、それとも第2先発ないしロングリリーフなどで待機するのかは分かりませんが、いずれにしても重要なピースとして機能するのは間違いなさそうです。


 今回のロースターには、ボルセンブロークの他にもう1人オランダ国外(「ヨーロッパの本国では」プレーしていないと言った方がより正確ですが)でプレーする選手が。23歳の遊撃手であるシュレンデル・ムヒカ(ユナイテッド・クオーター・スターズ)は、昨年のワールドポートトーナメントにはキュラソー代表の一員として出場。1年越しの「一軍」昇格を果たしました。2010年から2シーズンは、SFジャイアンツ傘下のドミニカサマーリーグのチームでプレー。昨季はキュラソーリーグのスターズでクリーンアップの一角を任され、打率.408で首位打者を獲得しました。


 またフーフトクラッセでプレーする面々からも新顔が登場。ケビン・モスキート(ドルドレクト・ホークス)とギルマー・ランプ(UVV)はいずれも元マイナーリーガーで、モスキートはエンジェルス、ランプはマリナーズの傘下でプレーした経験の持ち主です(モスキートはアルバ代表、ランプはキュラソー代表でもプレー経験あり)。ケビン・ケリー(DOORネプチューンズ)は、アメリカのウェスタンオクラホマ州立大と、サウスウェスタンオクラホマ州立大という大学2チームでプレーした経歴を持っています。


 今回はジャンセン監督率いる首脳陣にも、かつての代表正捕手であり主軸打者、そして前パイレーツ監督のシドニー・デヨング氏がコーチとして加わることが決定。2009年のWBCでは野手陣のキーマンの一人としてオレンジ旋風を支えた彼が、再び代表に戻ってくるのは嬉しい知らせと言えるのではないでしょうか。ユーロでの久々の王座奪取に向け、今年も当然のごとくハーレム優勝を狙うオランダ代表。その戦いぶりに今から期待したいところです。代表メンバーは以下の通り。


投手

・アーシュウィン・アシェス(コレンドン・キンヘイム)

・デビッド・バーグマン(コレンドン・キンヘイム)

・マイク・ボルセンブローク(レーゲンスブルグ・レギオネーレ)

・ロブ・コルデマンス(L&Dアムステルダム・パイレーツ)

・ベリー・ファンドリエル(DOORネプチューンズ)

・ケビン・ハイステック(L&Dアムステルダム・パイレーツ)

・セドリー・カレル(ヴァッセン・パイオニアーズ)

・ケビン・ケリー(DOORネプチューンズ)

・ディエゴマー・マークウェル(DOORネプチューンズ)

・オーランド・イェンテマ(DOORネプチューンズ)


捕手

・ジャニソン・ボークホート(DOORネプチューンズ)

・ダシェンコ・リカルド(コレンドン・キンヘイム)


内野手

・マイケル・デュルスマ(L&Dアムステルダム・パイレーツ)

・ドゥウェイン・ケンプ(DOORネプチューンズ)

・ケビン・モスキート(ドルドレクト・ホークス)

・シュレンデル・ムヒカ(ユナイテッド・クオーター・スターズ)

・ヴィンス・ルーイ(ヴァッセン・パイオニアーズ)

・ステイン・ファンデルミール(DOORネプチューンズ)


外野手

・クエンティン・デクーバ(コレンドン・キンヘイム)

・シャルディマー・ダンテ(DOORネプチューンズ)

・ブライアン・エンゲルハルト(コレンドン・キンヘイム)

・バス・デヨング(L&Dアムステルダム・パイレーツ)

・ギルマー・ランプ(UVV)

・ダニー・ロンブリー(ヴァッセン・パイオニアーズ)


スタッフ

・監督:スティーブ・ジャンセン

・コーチ:シドニー・デヨング

・コーチ:エバート・ヤンホーエン

・コーチ:ウィム・マルティヌス

・コーチ:ベン・ティーセン

・セラピスト:ペピン・ヴァンインゲン

・セラピスト:ロブ・タミンガ

・用具担当責任者:トン・マイアゾーン


ソース:http://www.honkbalsite.com/2014/06/26/vier-nieuwe-profhonkballers-voor-oranje/7725/