イラン野球・ソフトボール連盟の新人事が決定 | 欧州野球狂の詩

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日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

 昨日の「Wahoo!スポーツ」は雑誌メディアに似せて書いた創作ですが、こちらは現実のイラン球界についてのお話です。イラン野球・ソフトボール連盟(IBSA)が、このたび連盟の新しい人事を発表しました。


 1993年に発足した、野球、ソフトボール、クリケット、ラグビーユニオンの4競技の管轄組織を前身とするIBSAは、2010年から野球とソフトボール部門が分離独立して誕生した若い連盟。世界野球・ソフトボール連盟(WBSC)、国際野球連盟(IBAF)、国際ソフトボール連盟(ISF)、アジア野球連盟(BFA)、そしてイランスポーツ協会の一員となっています。今回退任するハミド・レザ・アセミ前会長に代わる新会長には、アリレザ・アディブ氏が就任。副会長にはマニゼー・ハッサニア女史が選出されました。彼らを実務面で支える専務理事には、キーヴァン・サファヤン氏が留任しています。


 野球イラン代表は、これまで1999年、2006年、2012年の3度のアジアカップに出場。このうち、パキスタンで開催された2012年大会では、銅メダルを獲得しています。一方、女子ソフトボールのイラン代表は2009年にマレーシア・クアラルンプールで開催された、第4回U-19アジア女子ソフトボール選手権に出場し、この大会で国際大会デビューを果たしました。野球のフル代表の監督にはメヘルダッド・ハジアン氏が留任。ユース代表の監督には今年から、ベースボールブリッジが推薦した日本人指揮官、色川冬馬氏が既報の通り就任することが決まっています。


 1994年から毎年開催されている国内選手権は、2010年の組織再編を機に国内リーグへと発展的に解消。現在は南北両地区に5球団ずつ、計10球団が所属しています。昨シーズンは首都テヘランを本拠地とする北地区のテヘラン・アザラクシュが、決勝で南地区のイスファハン・パワーを15-2で破り、リーグ戦移行後初となる2度目の国内タイトルを獲得しました。


 実は西アジアカップに関しては、パキスタンで2年続けて行われた昨年度の大会にも、イラン代表は当初の段階では出場予定でした。しかし不運なことに、大会に向けての準備を進めなければならない時期に連盟の会長選が重なってしまい、結果的に政治空白が生まれてしまったことから、泣く泣く出場を取りやめるハメになったという報告を現地からは受けました(アジアカップには結局パキスタン、スリランカ、アフガニスタン、ネパールが参加)。アディブ新会長以下の新しい連盟幹部たちには、現在のイラン代表にとっての貴重な国際大会の場であるアジアカップに向け、イラン球界全体をもう一度立て直す働きが求められることになります。


 ベースボールブリッジのイラン会員でもある、イラン代表のアミール・カーリグ・サケット投手によれば、マイナースポーツの1つに過ぎない野球の現状に革命的な変化を起こし、西アジアを代表する野球強豪国へと成長しようというムードが、現在のイラン球界には出てきているんだとか。もちろん、自分たちベースボールブリッジの活動においてもその目標は共通しています。新しい連盟の下でのイラン野球の発展を願うとともに、そこに実際に関与する団体としてもできる限りのサポートを続けていこうと思います。


ソース一覧

http://www.wbsc.co/new-leadership-appointed-to-the-iranian-baseball-and-softball-association.html

http://www.baseballasia.org/BFA/include/index.php?Page=5&news02=1476785914528035aab5f55