WBC本大会のアメリカでの開催地が決定 | 欧州野球狂の詩

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 現在、日本プロ野球選手会が大会への不参加を決議した件で、まだ揺れが収まっていない感がある、2013年WBC。依然として、未確定要素が残っている中で、アメリカでの1次・2次リーグと決勝トーナメント(準決勝および決勝)を実施する会場が、このたび正式にアナウンスされました。


 今大会の会場となるのは、1次リーグがアリゾナ州フェニックスのチェースフィールドと、同州スコッツデールのソルトリバーフィールド。両球場は、ともにアリゾナ・ダイヤモンドバックスのホームスタジアム(ソルトリバーフィールドは、スプリングトレーニングの際に用いられます)であり、当然のことながらダイヤモンドバックスがホストチームを務めます。


 チェースフィールドがWBCの会場となるのは、2006年大会の1次リーグ以来2度目。世界初の天然芝ドームであるこのスタジアムは、2001年のワールドシリーズと、昨年のMLBオールスターの会場としても使われました。打者天国で有名なクアーズフィールド(コロラド・ロッキーズの本拠地)に次ぐ、海抜332mの高地にあるうえ、砂漠地帯とあって空気も乾燥することから、非常に打球がよく飛ぶ打者有利な球場として知られています。この球場で開催されるラウンドでは、季節外れのド派手な花火大会がみられるかもしれませんね。


 2次リーグの開催地は、今季開場したばかりのマイアミ・マーリンズの新本拠地、マーリンズパーク。こちらは前回の2009年大会に続き、2大会連続の開催地選出となります。ただし、前回の会場となったサン・ライフスタジアムとは、まったく状況が異なると言ってもいいでしょう。既に、2015年度のオールスターゲームの会場に決まっているこのスタジアムの名物は、なんといってもバックネットに埋め込まれた、熱帯魚の水槽。前回大会は、市の中心部から離れたスタジアムであったために、観客動員数も低調だったものの、立地がダウンタウンに移る今回は、いい意味で期待を裏切るような盛り上がりを期待したいところです。


 そして、最後に残った4チームのみが立つことを許される、栄えある決勝ラウンドの開催地は、今大会がデビューとなるAT&Tパーク。サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地であるこのスタジアムでは、2007年にオールスターゲームが開催されました。先日、ヤンキースに電撃移籍を果たしたイチローが、オールスター史上初のランニング本塁打を打ったのはこの時。またユニークなエピソードとしては、2006年FIFAワールドカップドイツ大会の直前に行われた、サッカーの国際Aマッチ、日本-アメリカ戦の会場になったことが挙げられます(当時の名称はSBCパーク)。


 ジャイアンツのホームスタジアムとなって、今年が13年目となるこのスタジアムは、右翼側が海に面しているために、極端に狭いことで有名。かのバリー・ボンズが健在だった頃は、右翼側に思いきり引っ張った本塁打の打球を、スタンド後方の海に叩き込む「スプラッシュヒット」が、同球場の名物となりました。2006年のペトコパーク(サンディエゴ・パドレスの本拠地)、2009年にドジャースタジアム(ロサンゼルス・ドジャースの本拠地)とは、カリフォルニア州に本拠を置く、ナ・リーグ西地区の球団の本拠地という点で共通。今回は、果たしてどれだけの観衆を集められるでしょうか?


 WBCIのポール・アーチー代表は、記者会見において「我々は2013年WBCにおいて、非常に素晴らしい3つのフランチャイズとパートナーになれたことを、心から嬉しく思っている」と語っています。「ジャイアンツ、マーリンズ、ダイヤモンドバックスの3球団は、ともに我々の目標である「野球の国際的発展」に対してコミットメントしている。彼らが誇るワールドクラスの本拠地とスタジアムは、WBCという大会に触発された、大きな熱意を体現するブランドとなるだろう」


 また、WBCI評議会のティモシー・スラヴィンも、「マイアミ、フェニックス、そしてサンフランシスコは、いずれも非常に文化的に多様で、かつ野球というスポーツをこよなく愛する都市だ。我々は、これらの都市が持つコミュニティに非常に満足しているし、彼らは世界中からやってくる選手やファンたちに、素晴らしい記憶や経験をもたらすことができるだろう」と語っています。


 今回、大会の会場となることが決まった3都市でのラウンドに関しては、まだ依然として日程は決定されていません。今後、チケットの販売や組み合わせも含め、詳細が数週間以内に発表されるだろうと思われます。なお、今秋の予選ラウンドについては、既報の通り既に詳細は公表済み。ドイツ・レーゲンスブルグ(アーミンウルフ・ベースボールアリーナ)、パナマ・パナマシティ(ロッド・カルー・スタジアム)、台湾・台北(新荘野球場)、アメリカ・フロリダ州ジュピター(ロジャー・ディーン・スタジアム)で行われることになっています。


ソース:http://www.mister-baseball.com/venues-2013-world-baseball-classic-announced/