ヨーロッパカップファイナル4、中止が決定 | 欧州野球狂の詩

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 今回は、非常に残念な知らせが届きました。今季のヨーロッパクラブNo.1を決める大会である、ヨーロッパカップファイナル4の今年度大会が、大会日程が固まらなかったことにより中止となったのです。


 ダネッシカフェ・ネットゥーノ、UGFフォルティチュード・ボローニャ1953(ともにイタリア)、ルーアン・ハスキーズ'76(フランス)、L&Dアムステルダム・パイレーツ(オランダ)の4クラブが、出場する予定となっていた今大会。元々、今年はヨーロッパ選手権(オランダ)とWBC予選(ドイツ・レーゲンスブルグ/アメリカ・ジュピター)が開催されることもあってか、ファイナル4の詳細な日程が、欧州野球連盟(CEB)から発表されていませんでした。CEB側としては、特に昨年冬の時点では未定だった、WBC予選の日程をにらみながら、改めて日程を設定したかったところでしょうが、どうやらうまくいかなかったようです。


 今回の中止決定により、CEBの技術委員会は、ロッテルダムとサンマリノの両ラウンドの優勝チームを、大会全体の優勝チームとして認定する見込みであるとのこと。とはいえ、1963年に初開催されてから、毎年欠かさず行われてきた大会であるだけに、やはり率直に言ってこの決定には釈然としませんね。代表戦の大陸王者決定戦であるユーロ、そしてクラブの大陸王者決定戦であるヨーロッパカップと、この大陸における野球の国際大会の2本柱として、重要な存在だったわけですから。


 おそらく、今回の決定を受けて一番愕然としているのは、ハスキーズの選手たちではないでしょうか。本大会のロッテルダムラウンドでは、DOORネプチューンズ(オランダ)、ベースボール・バルセロナ(スペイン)、レーゲンスブルグ・レギオネーレ(ドイツ)といった、各国のチャンピオンチームを次々に撃破。下馬評を大きく覆す躍進ぶりで、フランス勢初のファイナル4進出を決めていたからです。選手たちにしてみれば、初めて自分たちの手で掴んだファイナル4の舞台は、物凄く大きなモチベーションになっていたはずです。それが一転無くなってしまったということを考えると、彼らの心中は察するに余りあります。


 この一報を聞いた時、俺自身は最初「そもそも去年の冬の間に日程を決められないとか、何やってんだCEBは」と思っていましたが、よくよく考えてみれば昨冬時点の彼らにとっては、WBC予選という大会があまりにも、不確定要素として大きすぎたのかもしれません(その点に関しては、ドイツ代表のグレッグ・フレディ監督も、非常に心配していましたからね)。なので、ある意味では今回の一件には、CEB自身には責任はないと言えなくもありません。


 しかしながら、問題はこの先の大会がどうなるか。来週行われる技術委員会のミーティングでは、ヨーロッパカップにおける大会フォーマットの変更についても、話し合いがもたれる予定とか。その話し合いの内容次第では、今回の大混乱の中からも、少しでもポジティブな話題が出てくるかもしれません。ただ、それでも今大会が予定通り実施されなかったということに比べれば、俺個人としては単なる気休めにしかならないのかな、とも思ってしまいます。


 ファイナル4のタイトルは、何も本大会に出場する12チームだけの夢ではありません。ヨーロッパカップ予選から這い上がってくる、中堅以下の国々におけるクラブにとっても、非常に大きな目標であるわけです。だからこそ、仮にもカレンダーにきちんと載せた以上は、大会としてきちんと実施してほしかった。今回はこうした決定が下されてしまった以上、仕方ないとしか言いようがありませんが、今後は2度とこういうことがないよう、しっかりと日程の調整をしてほしいですね。


ソース:http://www.mister-baseball.com/european-champions-cup-final-canceled/