国際野球連盟(IBAF)は、2011年度に行われた各種国際大会の結果を加算した、最新のIBAF世界ランキングを発表しました。今回のランキングの対象となったイベントは、IBAFが主催・公認する、過去4年間のシニア・ジュニアの国際大会における、各国の成績をもとに算出されています。その顔触れは以下の通り。
(1)5大陸から出場国が集まるメジャーイベント
・WBC(ワールドベースボールクラシック)
・IBAFワールドカップ
・オリンピック(2012年度より除外)
(2)3大陸以上から出場国が集まるマイナーイベント
・インターコンチネンタルカップ
・U-18世界ジュニア選手権
・U-16世界ユース選手権
・世界大学野球選手権
(3)3大陸以上から出場国が集まる、メジャーイベントの世界最終予選
・五輪世界最終予選
(4)大陸別選手権及びその予選
上位4チームの顔ぶれは、1位キューバ以下アメリカ、韓国、日本と今回も変化なし。その日本に続く5位には、先のIBAFワールドカップで記念すべき初優勝を遂げた、オランダ(前回6位)が初のランクインを決めました。以下カナダ(W杯3位、パンアメリカンゲームズ優勝)、台湾、ベネズエラ、プエルトリコ、メキシコまでで、ベスト10が構成される形になっています。
今回のランキングでは、ヨーロッパ諸国の成長が大きく反映されることになりました。上位25か国までのうち、欧州野球連盟(CEB)会員となっている国は実に8か国。これは地域別にみると、トップの米大陸野球連盟(COPABE)の10に次ぐ数字となっています。また、日本が属するアジア野球連盟(BFA)からは6チーム、オセアニアからはオーストラリアのみが、このグループに入りました。上位25か国の顔ぶれは、以下の通りとなっています(カッコ内は各国の所属する地域連盟)。
1.キューバ(COPABE)
2.アメリカ(COPABE)
3.韓国(BFA)
4.日本(BFA)
5.オランダ(CEB)
6.カナダ(COPABE)
7.台湾(BFA)
8.ベネズエラ(COPABE)
9.プエルトリコ(COPABE)
10.メキシコ(COPABE)
11.オーストラリア(BCO)
12.ドミニカ共和国(COPABE)
13.イタリア(CEB)
14.ニカラグア(COPABE)
15.パナマ(COPABE)
16.中国(BFA)
17.ドイツ(CEB)
18.スペイン(CEB)
19.キュラソー(COPABE)
20.チェコ(CEB)
21.パキスタン(BFA)
22.イギリス(CEB)
23.タイ(BFA)
24.クロアチア(CEB)
25.コロンビア(COPABE)
また、上位25か国に入れなかった勢力の中で、特に順位の上昇度合いが目立つ国もありました。その顔触れと順位の変遷は以下の通りです。
・ギリシャ(CEB、33位→26位)
・ベルギー(CEB、39位→29位)
・スリランカ(BFA、40位→31位)
・北マリアナ諸島(BCO、圏外→34位)
・アフガニスタン(BFA、49位→36位)
・イスラエル(CEB、57位→47位)
・スイス(CEB、61位→48位)
全体的に、ヨーロッパ勢の躍進が目立った今回のランキング(もちろん、フランスが27位から40位に転落するなど、例外事項も一部あるのですが)。ランキングの順位の向上は、必ずしもその国の野球レベルの向上とイコールにはならないとはいえ、その国の成長を図るうえでの1つの目安にはなりえます。特に、オランダが5位ランクインを果たしたことは、すぐ上にいる日本にとっては要警戒の出来事であるはず。来年は、このランキングがどう書き換わるのか?日本がトップ4の牙城を、今後も守り続けられるのかどうかも含めて、要注目ですね。