西暦2041年の世界野球情勢を妄想してみた(ヨーロッパ編) | 欧州野球狂の詩

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日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

 最近、野球が世界的スポーツとなった遠い未来では、野球界がどんなふうになっているのかを妄想することがよくあります(以前書いた「その男、野球狂につき 」の記事で紹介した未完の野球小説も、2040年代の世界が舞台)。今からは遠く離れた時代なので、正直想像がつきませんが、逆にある意味ではどうにでもなると言えばどうにでもなる世界。もちろん、現代に生きる自分たちが、どう動くか次第ではあるんですけどね。


 というわけで、今回からは西暦2041年、俺が53歳になった時の各国代表チームが、いったいどんなスタイルになっているのかという妄想を、特に意味もなく気まぐれで垂れ流してみようかと思います。人の頭の中をのぞく趣味がない方は、回れ右していただいた方がいいかも。ちなみに、前提となる舞台設定は大体以下の通りです。


・日本、アメリカ+カナダに続き、ヨーロッパにも大規模リーグができている(「もし、ヨーロッパにメジャーリーグがあったら 」の記事を参照)。

・ヨーロッパはオランダ、イタリア、ドイツ、スペインの4か国で構成される西欧リーグと、チェコが中心となって立ち上げた東欧リーグができている。

・ロシアリーグがプロ化し、ヨーロッパ第3のレベルや人気を誇るプロリーグとなっている。フランス、ベルギー、イギリスも現在のIBLくらいのレベルと規模に成長。

・西欧リーグの下部リーグやイギリス、ベルギーのリーグなどが、その他新興国の選手の登竜門となっている。サッカーでいうと、オランダリーグがイングランドやスペインに行くためのステップになってるのと同じイメージ。

・オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの各リーグが、南半球の3大ウィンターリーグに。

・カナダリーグもちゃっかり復活していて、MLB王者と北米シリーズをやってたりする。

・エジプトに本格的なプロリーグができ、南北アフリカが今のヨーロッパのような立ち位置に。

・WBCは24か国で本戦を戦い、前回ベスト8がシードとなり、残る16の枠を地域予選で争う方式に変わっている。

・こうした「世界情勢」を、多くの野球ファンが当然のこととして認識している。


 …、まぁ一般的な野球ファンなら、おそらくドン引きしてしまうようなお花畑っぷりなのですが、そこは水に流していただけると嬉しいかな(汗) 今回はヨーロッパ編です。では、参ります。


(1)オランダ代表

 ヨーロッパはおろか、メジャーリーガーも数多く存在する、世界的な強豪チームとして名が知られた存在に。投手力と軽快なディフェンスを基本とするプレースタイルは変わらないものの、攻撃面でも一流のレベルにまで成長している。WBCでもシード国の常連に。ただ強いのだけど、悲しいかな肝心なところでの勝負弱さが目立ち、もう一つ殻を破り切れていない印象。最高でもWBCベスト4どまり、みたいな。キュラソー出身の選手もいるものの、現代と比べるとその比率はかなり下がってきている。


(2)イタリア代表

 投手力を売りとするスタイルは変わらず。ヨーロッパを代表する本格派右腕であるエースを中心に、投手陣には超一流のビッグネームが揃う。守備面も、現代と比べるとギャンブル的な側面は減ってきている。打線では、メジャーの一軍で中軸を打つ主砲など、長打力を備える打者もいるものの、長打一辺倒からパワーと機動力を両立するスタイルにシフトチェンジ中。こちらもシード国常連だが、もう一段階上のレベルに行けていないのはオランダと同様。


(3)ドイツ代表

 絵にかいたようなパワー野球。ノーガードでの殴り合いにはとにかく滅法強く、時にはアメリカやドミニカにも力で押し勝てるほど。「ほどほど」の概念を持たないゲルマンの血筋ゆえ、弱小国と当った時でも全く手を抜かず、大人げないスコアでバカ勝ちする。投手陣にも馬力自慢の剛腕が揃い、勢いに乗った時には手が付けられない反面、元来投打ともだいぶ粗っぽいために、外れるととことん弱いという脆さも。ただし、不安定な側面もある投打と比べると、守備はかなり堅実で安定している。


(4)スペイン代表

 高い投手力と守備力を誇る、ディフェンスが持ち味のチーム。プレースタイルはまさに現代のスペイン代表そのもので、センターラインを中心とした軽快な守備でリズムを作る。攻撃では長打力はそこそこながらも、とにかく足の速い選手が多く、塁に出すと非常にうるさい。走者をためて一発というよりは、コツコツと走者を進めながら返す、スモールベースボールのスタイル。無安打で1点をかすめ取る戦い方にも長けている。ただ、メンタルが崩れると脆いのも、これまた悪い意味で相変わらず。


(5)イギリス代表

 もともとは1番から9番まで、長打狙いでガンガン打ちまくるスタイルだったが、国際舞台ではなかなか勝てないことに気づき、オランダ人指揮官を迎えて守備重視の戦い方にシフトチェンジを試みている。同時に、ベテランが多くなってきている代表チームの世代交代にも挑戦しているが、有望な若手がちらほら出てきている程度。先発3番手と守護神の固定が喫緊の課題。国内リーグが整備され、純正イギリス人とイギリス系の割合は半々程度となっている。


(6)チェコ代表

 4強の壁を破れずにいるのは変わらないもののその差は小さく、親善試合等では普通に勝つようになっている東欧球界の中核。投手陣が非常に優秀で、特にブルペンには職人肌の実力派が揃う。打線は繋ぎの打撃が基本だが、場面により長打もあり。正捕手がなぜか左利きで投手兼任だったり、正遊撃手が代表戦でリリーフ登板したりと、個性派選手の巣窟みたいになっているが、その割に粒ぞろいなので、他国からは「よく分からないけどめちゃくちゃやりにくい相手」だと認識されている。


(7)ロシア代表

 プロ化した国内リーグが人気を博すなど、実力を急激に伸ばして「東欧の超新星」と呼ばれている。打線には一発の打てる打者が揃い、1番から9番までまったく気が抜けない。投手陣では先発陣が非常にタレントぞろいで、特に2枚看板は日本の一軍でタイトル争いに絡むほどの実力者。元大リーガーのロシア人監督が率い、アメリカ流のスタイルを非常に得意とする。ヨーロッパ選手権で王者オランダを倒し、世界を驚かせた。