最近のレコーディング事情 | KT Studio Works

最近のレコーディング事情

本業が激務続きってわけではなく、なかなか思う様なデモが作れずに(いつもスランプって説も)葛藤の毎日で物書き忘れてました。あしからず。

それでも物欲は尽きなくて、特にこの時期はAES Conventionや国内はInter BEEの開催で、認めたくはないけど新しい物好きとしては祭りって感じ(笑)そこで、最近の注目株を独断と偏見でご紹介してみようと思います。


Antares Auto-Tune 7

TDM版は今日現在まだ「Comming Soon」で、Native版が先行してリリースされました。
これは当初アップグレードに躊躇したのですが、業界人なら知る人ぞ知る某有名エンジニアさんをTwitterでフォローさせていただいていて、アップデートしたら音質や修正後のクオリティーがナチュラルでよろしいとの感想をいただき、背中を押された思いでポチりました。
手続きはAntares本家からで$129。支払いはカードで、数日後に$81.78レートの$10,549也。
決済後すぐにiLokにデポジットされて使えるようになりました。

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Antares製品は最新のライセンスを持っているとその1つ前のバージョンも併存させて使うことが出来ます。
Evoの時は5も一緒に。今回は7とEvoを共存出来て、5とは共存出来ません。
実のところ、諸々の事情でEvoではなく5を使うことが多くて、5と併存出来ないことに少々抵抗を感じていたのですが、なんのその。もうEvoにすら戻りたくない!と言えてしまうクオリティー。
Evoや5で直した歌を、7で"直し直したい"くらい。やらないけど(笑)

MacBookの解像度だと、タイミング補正の機能分縦に長くなったので、AutoTuneの画面でいっぱいになっちゃいます。最近だとOverloudのTH1なんかも、起動すると画面いっぱいになってしまう。この辺はちょっと考えてほしい気もするけど、伸縮を繰り返して編集していくものなのでしょうがないような気も。



Avid ProTools 9

もうこれが発表された日は一日中このネタで頭がいっぱい。
実は8にしてまだ3ヶ月くらいしか経ってないんですが、新機能がかなりセンセーショナルというか有意義なアップグレードになると確信して、9へは速攻でアップグレードした次第です。

正確には、8以前からのバージョンアップは"アップグレード"ではなくて"クロスグレード"扱い。なのでいつもより少し割高。
LE to 9のパッケージ版は国内価格だと¥26,000前後。日本のAvid Storeだと¥25,000
最初はクロスグレード版の出荷だけが始まって、新生iLokが付属するフル版はもう少ししてから出荷が始まるそう。
分厚い日本語の説明書付きなら割高でも店頭で買ったところですが、どうやらそうではないようなので、またしてもドル建てで購入することに。

今回もaudioMIDI.com で行こうと思いましたが、"Electronic Delivery"の表記がなくて、見落としかもしれないけどパッケージが届いてしまいそうな予感がしたので、新規開拓でSweetwater を利用してみました。
決済もiLokデポジットも難なく完了。無事に使えるようになりました。

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ちなみに価格は$249。US Avid Storeを含め、どこで買っても大差ない模様。
前途の国内価格を踏まえると、円高の昨今、日本円で買う理由が見つからない...。


さて、今回実装された新機能の中で、個人的には以下がとっても有意義だと思っています。


1.
Delay Compensation(遅延補正)のサポート

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ProTools | HDには何年も前からあって、業界長くてLEをあまり触ったことがないと思われるエンジニアさんが必ず驚愕する、LEには実装されていなかった最も望まれていた機能...とでもいいましょうか (;^_^A
LogicやNuendoには今や当たり前のように実装されているわけですが、HDとLEの差を演習するAvid(というかDigidesign ?)の策略からようやく解放された気分。


2.
Core Audioサポートによる他社I/Oの利用や内蔵デバイスでのプレイバックが可能に

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純正のI/Oが接続されていないと起動しないというのは挑戦的な仕様ながら、そうしてきたことで得られた安定性でグローバルスタンダードになれたという考え方もできると思うし、自分もそれに助けられてきたことに変わりはない。

Windowsがいい例。
Microsoftはハードウェアを作っていない。
悪く言いすぎだけど、たった一種類のWindowsというOSが、いろんなメーカーの送り出すハードウェアに乗せられて出荷されては、未知のトラブルを量産している。
MacとMacOSが安定している理由は明らか。
でもでも、可搬性の観点では他の何よりも劣るわけです。

LEだったらプレイバック専用としてMbox 2 Microがありますが、音質にこだわらないならMacやPC本体内蔵のオーディオデバイスでモニターできてしまうのだからすばらしい。
実家に帰ると何もすることがなかった自分にとっては、今後MacBook1台持って帰れば作業もはかどるというもの (‐^▽^‐)

Avid以外のI/Oが使えるようになることについては当初、「よし!1UのコンパクトなI/Oに買い換えたれ!!」
なんて意欲的になってみましたが、冷静に考えた結果この案は早くも保留。重量的に重いけど、当面は003とMacBookを引きずりまわします。やっぱり安定性重視でしょ。Avid同士でこれからも行きます。


3.
トラック数の大幅な増加
PT8の標準48トラックから一気に96トラックまでをサポート。
Music Production Toolkitで64トラックまで拡張している身としては少々複雑ですが...
Digi001を手にしたとき、まだ24トラックしか扱えなかったっけ。当時は拡張オプションもなかった。
更には、Complete Production Toolkit 2の導入で、VCAトラックやサラウンドにも対応するとのこと。
サラウンドはいいとして、確かHDには7から実装されていたと思うVCAトラックは魅力的。


いやー、またしても出費がかさみますな。
この時期は危険 (@Д@;