昨年の9月12日(月)、今年の4月23日(日)に続き
先日、5月21日(月)の日刊ゲンダイの「サラリーマン特集」に
私のインタビュー記事が掲載されました。
新入社員 2年で3割辞める時代になった
理由は「人間関係」から「仕事が合わない」へ
就活も転職も適性が頼り
「10年春に大学や専門学校を卒業して就職した
56万9000人中、19万9000人はすでに辞めている」
内閣府が3月、「雇用戦略対話」でこんな調査結果を明らかにした。
3人に1人が、わずか2年で会社を辞めていた。
ひと昔前は「3年3割」なんて法則があったが、歯止めがかかるどころか悪化していたとは。
トレンド総研が今年4月、新入社員250人に「入社した会社での勤続意向」を聞いた。
「定年まで働きたいと思っている」と答えた人は44%と半数以下。
「定年まで働きたいとは思っていない」と回答した人に
「入社して何年が経過したら、新卒で入社した会社を辞めたいと思いますか?」と聞くと、
「4~6年以内」(29%)、「2~3年以内」(25%)、「1年以内」(6%)という回答だった。
「最近の若手は、厳しい就職戦線を勝ち抜いてきただけに、真面目で能力も高い」
なんて評判が聞こえてくるが、やはり眉唾と思わざるをえない。
異変は辞める理由にも及ぶ。人材育成コンサルタントの内田和俊氏がこう言う。
「各社の研修で人事担当者やメンターから話を聞くと、
若手の退職理由が、これまでお決まりだった〈職場や上司、先輩になじめない〉から、
〈仕事が合わない〉へとシフトしています」
食品メーカー2年目のA子さん(24)は、「360度評価」ミーティングで
同僚から冷静に「営業向きか疑問」と評価され、ボロボロ涙を流した。
その2カ月後、会社を辞めた。
人懐っこい性格だからと、本人が志望した営業で頑張った。就職課も親も喜んだ。
が、理不尽な得意先や体育会系のノリなど、現実とのギャップに悩んだ。
同僚のひと言が背中を押した。
性格がいいなら、どの部署でもやっていけそうなものだが、
本人は「人懐っこい=営業向き」から抜け出せなかった。
ゲーム好きの学生がIT企業に入社すると、仕事内容があまりに地味で愕然とするとか。
面接では「制作志望ですが、もちろん他の部署も」なんて言っても、
頭のどこかでは「クリエイティブな仕事がしたい」と思っている。
システム保守もIT企業の大事な仕事と理解できない。
その仕事が自分に合うかなんて確信できるサラリーマンが、どれだけいるのか。
不慣れなことも必死で覚え、仕事に自分を合わせるのが当然なのに。
「仕事が合わないなら、異動を希望する手だってある。
サラリーマンはそうして社内で〝自分探し〟をしながら管理職に育っていく。
ところが若手は、就活で自分の適性ややりたい仕事を見極めすぎた状態で入社する。
だから現実とのギャップが大きいと、自分に合わないとすぐに決めつける」(内田氏=前出)
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「12年度新入社員意識調査アンケート」で
「自分の能力向上のために何かしているか」と聞くと、
「している」が34%で、前年比5㌽増だった。
準備は怠らないあたり、実にちゃっかりだが、
転職活動もまずは「自分に合う仕事は何か」らしい。
結局、別の迷路に入り込むだけなのだ。
拙書「あなたを邪魔する壁が小さくなる方法(大和書房)」にも
関連する記述が2点ほどありますので、ご紹介させていただきます。
- ・ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんは、
- 就職活動に関してアドバイスを求めた大学生に対して、次のように言っています。
- 「自分の本当の適性というものは、やってみなきゃ分からないという側面がある。
- 何もしないのが一番いけない。まず第一歩を踏み出すこと。
- 踏み出すという実践の中から視野は広がる。あまり狭く考えない方がいい」
- (「あなたを邪魔する壁が小さくなる方法」25ページより)
・皆さんもよくご存知の女性3人組テクノポップユニット Perfume(パフューム)は、
イキイキと独自のジャンルを切り開いているように見えますが、
実は始めの頃、このテクノポップと呼ばれる新しい路線に強い抵抗を感じていたそうです。
新しい路線への変更を強いる事務所の方針に対する反発心と
自分たちの理想とする路線を貫けない悔しさから、
泣きながら嫌々レコーディングに臨む毎日だったそうです。
(「あなたを邪魔する壁が小さくなる方法」164ページより)
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