大熱戦の末に。。第88期棋聖戦挑戦者決定戦「新若大将・斎藤七段が挑戦権獲得」
羽生善治棋聖への挑戦権を懸けて
本日、関西将棋会館にて行なわれています
注目の第88期棋聖戦/挑戦者決定戦
「糸谷哲郎八段-斎藤慎太郎八段」
振り駒の結果、先手は糸谷八段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: なし
△斎藤七段: なし
対します、斎藤七段も2手目に
同じく飛車先を突く△8四歩と返して
対局はスタート。。
6手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: なし
△斎藤七段: なし
次に両者は角道を開くと
そのまま息を合わせて飛車先の歩を伸ばし
「横歩取り」を目指す序盤の出だしに。。
15手目▲3四飛。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩3
△斎藤七段: 歩2
定跡手順の進行で迎えた上図の局面で
糸谷八段が2筋に浮いた飛車でお隣り2筋の
歩をかすめとり、戦型は「横歩取り」に決定。。
斎藤七段が3筋に回った先手の飛車先を
主流の角で受けると(16手目△3三角)。。
17手目▲6八玉。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩3
△斎藤七段: 歩2
糸谷八段は飛車を浮かせたままで
玉を6八の地点に上げる、佐々木勇気五段が開発し
高い勝率を誇る、今最も熱い「勇気流」を採用しました。
24手目△6ニ銀。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩3
△斎藤七段: 歩2
先手の作戦に対して
飛車を浮かせず、元居た8二の地点に引き下げると
斎藤七段は玉を4筋に構えてから(22手目△4ニ銀)
上図で銀を6筋に繰り上げ、早くも前例から離れます。。
この「新手」を前に
糸谷八段は動じることなく、ノータイムで
右の桂馬を跳躍、力を溜めます。。
(25手目▲3七桂)
31手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩
△斎藤七段: 歩
午前の対局は上図31手目まで進行。
8筋で背中合わせに歩を垂らし合ってから
糸谷八段が2筋に圧力を加えた局面で
昼食休憩突入となりました。。
【 お昼のオーダー 】
糸谷八段: チキンステーキ&白身魚フライ
斎藤七段: 他人丼(温そば)
午後の対局開始の一手で
午前と合わせて51分の長考を重ねた
斎藤七段が6筋の歩を突くと(32手目△6四歩)。。
33手目▲3三角成。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 角、歩
△斎藤七段: 歩
糸谷八段は、3分の少考で角交換を敢行。
このタイミングで角を捌き、手持ちとしました。
しかし。。
36手目△5五角。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 角、歩
△斎藤七段: 歩
角交換成立後
先に角を活用したのは、斎藤七段でした。
上図で堂々と天王山・5筋の位に角を投入し
形を決めました。。
38手目△8五飛。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩
△斎藤七段: 歩2
糸谷八段は「角には角」の合わせで対抗しますが
斎藤七段は構うことなく飛車を突進させて歩を払い
先手からの角交換を要求しました。。
糸谷八段は応じるよりなく(39手目▲5五角)、以下
△同飛~▲2三角~△2五歩~▲3四角成~△7三桂に
▲4八金~△7五歩~▲同歩~△同飛~▲8八歩をみて
下図50手目△6五歩と進行。。
50手目△6五歩。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩
△斎藤七段: 角、歩2
斎藤七段は飛車を基点に模様をリード。。
上図から次に、糸谷八段は馬を自陣に引きつけ
後手の攻勢に備えます(51手目▲5六馬)。。
58手目△7六飛。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩
△斎藤七段: 歩
斎藤七段は1筋に角を投入(56手目△1五角)
攻守にしっかりと利かせてから、飛車を走らせ
先手陣に揺さぶりをかけます。。
この手に対し、糸谷八段は。。
59手目▲3三桂成。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 桂、歩
△斎藤七段: 歩
自ら桂交換を敢行。
受けには回らず、攻め合いを求めました。。
が、しかし。。
66手目△4五桂。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩
△斎藤八段: 歩
先手の攻撃を落ち着いていなした
斎藤七段は手にした桂馬を急所にぶら下げ
確実に攻めの厚みを築いて行きます。。
ジリジリと追い込まれた糸谷八段が
斎藤飛車に歩を突き立てた(67手目▲7七歩)
次の瞬間。。
68手目△4八角成。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: なし
△斎藤七段: 金、金、歩
斎藤七段は金との交換でズバッと角切り。
力を溜めるだけ溜めてから、満を持しての
寄せに出ました。。
すると。。
83手目▲3一飛。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩
△斎藤七段: 角、歩
現在、名人挑戦中の稲葉陽八段
A級昇格の先を越された豊島将之八段と
「関西若手四天王」の盟友との熾烈な出世争いに
遅れを取ってなるものかと、糸谷八段が底力を発揮。。
自慢を豪腕を振り回し
後手に傾いた形勢を力づくで引き戻します。。
105手目▲8四角。
上図での持ち駒
▲糸谷八段: 歩2
△斎藤七段: 歩3
鬼の勝負手を連発する糸谷八段を前に
斎藤七段は上図の要所で持ち時間を使い切り
1分将棋に突入。さらに終盤戦は混沌としますが。。
【 投了図・136手目△7六成桂 】
投了図での持ち駒
▲糸谷八段: 金、香、歩3
△斎藤七段: 角、銀、歩2
糸谷八段の猛攻を耐え忍んだ
斎藤七段が敵陣に銀をぶち込み(120手目△9八銀)
いきなり糸谷玉に必至をかけて、勝負あり。。
最後まで勝利への執念をギラギラと燃やした
糸谷八段でしたが上図の局面で、ついに力尽き
無念の投了を告げました。。
大熱戦を見事制した斎藤七段が
颯爽と、棋聖戦挑戦者の名乗りを上げました!
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藤井四段、羽生三冠を撃破の波紋。。
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藤井四段激戦譜(炎の七番勝負も)
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【 冤罪事件時系列 】
年明けからの動き
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