第75期名人戦7番勝負/第2局「佐藤名人、お返しの圧勝。。番勝負は振り出しに」
初防衛を目指す佐藤天彦名人に
稲葉陽八段が挑戦する、第75期名人戦7番勝負。
開幕戦を稲葉八段が制して迎えた注目の第2局が
昨日より、青森県弘前市「藤田記念庭園」にて開幕。。
第2局の先手は、稲葉八段。
開幕戦を制し意気あがる本局の初手は
角道を開く▲7六歩から。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△佐藤名人: なし
対します、佐藤名人は2手目に
飛車先を突く△8四歩と返し対局はスタート。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた名人に対して
稲葉八段の作戦が明らかとなる、次の3手目は。。
3手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△佐藤名人: なし
代えて▲2六歩なら
両者得意の「角換わり」が濃厚でしたが
稲葉八段は3手目▲6八銀とし、居飛車の看板戦法
「矢倉」での勝負を指向しました。。
が、しかし。。
9手目▲2五歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△佐藤名人: なし
佐藤名人が角道を開くと(4手目△3四歩)
稲葉八段は直接向かい合った角のラインに
銀を打ち込み角道を止めると(5手目▲7七銀)
居玉のまま飛車先の歩を伸ばします。。
上図から次に、佐藤名人が2筋を
△3ニ金(10手目)と低く受けたのをみて。。
11手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△佐藤名人: なし
稲葉八段はそのまま2筋の歩をぶつけ
飛車先から仕掛けを開始しました。。
16手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩
△佐藤名人: 歩
飛車先で歩を交換した稲葉八段は
自陣の右側を引き締めると(15手目▲7八金)
佐藤名人が飛車先の歩を突き越したのをみて。。
17手目▲3四飛。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩2
△佐藤名人: 歩
2筋の浮き飛車でお隣り3筋の歩をかすめとり
戦型は変則的進行で「横歩取り」となりました。。
【 一日目終了図・28手目△7五歩 】
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩2
△佐藤名人: 歩
完全な力将棋となり午後からは長考の応酬。。
佐藤名人が7筋の歩を突き合わせた上図の局面で
稲葉八段が次の手を封じて、一日目は終了。。
一夜が明けて
迎えた本日、決着の二日目は。。
29手目▲6六銀。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩2
△佐藤名人: 歩
注目の稲葉八段の「封じ手」は▲6六銀。
この手をみて、佐藤名人は8分の考慮の後に
7筋の歩を取り込みます(30手目△7六歩)。。
すると、すかさず。。
31手目▲4五歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩2
△佐藤名人: 歩2
稲葉八段は4筋に構える後手の角に
歩をぶつけ、移動を勧告します。。
佐藤名人は5筋に引き下げ(32手目△5三角)
以下、▲5八玉~△2六歩~▲3五歩~△同角に
下図37手目▲3八金と進行。。
37手目▲3八金。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩2
△佐藤名人: 歩2
佐藤名人は機敏に先手の飛車先を抑えると
稲葉八段の要求に応じる形で角を再び戦場へ。。
その稲葉八段は飛車・角を傍らに据えた状態で
「中住まい」の基本である「金開き」に構えますが。。
次の瞬間。。
38手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩2
△佐藤名人: 歩2
自陣低く構える先手とは対照的に
盤全体を使って伸び伸びとした模様を張る
佐藤名人は自らの飛車先で歩を突き合わせ
しなやかに、反撃を開始します。。
44手目△5五銀。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩2
△佐藤名人: 歩2
7筋に続き、8筋も押さえ込んだ
佐藤名人はこのタイミングで銀交換を要求。。
稲葉八段はスッと銀を立てて拒みますが。。
(45手目▲6五銀)
46手目△6四銀。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩2
△佐藤名人: 歩2
佐藤名人は颯爽と銀をひるがえし
稲葉銀の頭上に合わせて交換を求めます。。
この局面で
午前の対局は終了、昼休憩突入となりました。
【 お昼のメニュー 】
稲葉八段: 山菜そば、香の物、いなり寿司
佐藤名人: ビーフカレー、生ハムサラダ仕立て
午後の対局開始なっても
稲葉八段はすぐには次の手を指さずに
しばしの考慮を続けます。。
47手目▲6四同銀。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 銀、歩2
△佐藤名人: 歩2
午前と合わせて30分の考慮の末
稲葉八段は佐藤名人の求めに応じる形で
銀交換を敢行し、勝負に出ます。。
佐藤名人の△同歩(48手目)をみて、以下
▲4七銀~△4五桂~▲4六銀打~△3七歩に
下図53手目▲3五銀と決断の進行。。
53手目▲3五銀。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 角、歩2
△佐藤名人: 銀、歩2
稲葉八段は金取りに構わず
銀で佐藤角を食いちぎり、手番を渡しました。。
すると。。
60手目△2七歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 角、歩4
△佐藤名人: 歩
手番を握った佐藤名人は
敵陣でスムーズに手を伸ばし、あっという間に
稲葉八段の飛車、銀、桂、香の押さえ込みに成功。
先手陣の右側を制圧し、形勢をガッチリ掴みます。。
【 投了図・72手目△2八飛 】
投了図での持ち駒
▲稲葉八段: 金、桂、歩4
△佐藤名人: 桂
稲葉八段は駒を回転させながら
何とは反撃の突破口を探しますが、しかし
佐藤名人はつけ入る隙を一切与えず。。
終盤は大差となり
佐藤名人が捕獲した飛車を2筋に打ち込んだ
上図の局面で、稲葉八段は無念の投了を告げました。
開幕戦の返す見事な圧勝を飾った
佐藤名人が番勝負を1勝1敗の振り出しに戻しました。
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「春の本場所」第2局は青森決戦
名人戦/第2局・一日目終了直後の所感
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年度末から続く、衝撃と不穏。。
定員は7名。立候補は10名。
大物も名乗り。。
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【 冤罪事件時系列 】
年明けからの動き
署名活動報告